オッホの森 ≪イーハトーブ事件簿≫

宮沢賢治、わんこそばを中心に岩手県花巻地方の出来事を紹介。

NHK「宮沢賢治・銀河への旅」への疑問

2019年05月09日 | 宮沢賢治
NHK-Eテレ(教育テレビ)で2月に放送した(本・再2回)表題の番組は、元々はBS-4K用に制作した3時間番組の前半を1時間に編集したものだという。
私もこの番組を見て一つの参考にはなったが、そもそも研究者に限らず一般読者、賢治ファンの方々もその人なりの読み方、受け止め方があるもので、この番組の基となった『宮沢賢治の真実』の著者も自説にのっとって著述したものであろう。

にも拘らず天下のNHKがドキュメンタリーとして番組を制作・放送するのはいかがなものであろうか。私なども全面的には賛成できる内容ではなく、異説も多々あろう。しかしNHK-Eテレ(教育テレビ)が制作放送する番組、しかもドキュメンタリーとなれば多くの視聴者が真実として受け止めるのではないかと危惧する。

広く受診料を徴収して運営される以上、公平公正でなければならないことは言うまでもなく、一つの論説に偏った番組をあろうことかドキュメンタリーとして放送することには不快感を覚える。

オリジナルの3時間番組の前後半を1時間に再編集して5月4日にアンコールとして放送、さらに昨日も再放送されている。

昨年12月以来、いったいこの放送回数は何なんだ?それほど好評だったというのだろうか?批判も多いということを知らないのだろうか。
しつこすぎるほどの再放送には異様さ、何らかの意図さえ勘繰りたくなる。疑念を持たれるような放送は公共放送であるNHKには許されないだろう。


この番組でも、番組の原案となった「宮沢賢治の真実」でも一言も触れていないが、菅原千恵子氏の著書『宮沢賢治の青春』1994年発行が保阪嘉内と賢治の交際に関する原書と言えるのではないだろうか。
「銀河の誓い」、「同性間の愛」など共通点が非常に多いのだ。菅原氏はすでに他界されており、この著書は後に文庫化された本も古本市場で一万円前後と非常に高額となっている。ぜひ図書館で読んでみていただきたい。



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