舟屋・浦島の海
伊根の海は人の息の様に、ゆったりとしたリズムで波を寄せ、葛を溶いたが如く「とろり」として見える。その水面(みなも)が、海に沈んだ数々の伝説をオブラートの様に包み込んで、陽の光は底まで届かない。
(パステル画)
☆この絵ー描いとって、なんか家が不安定に思いましたんや。ちゃんと垂直に描いとんのに、おっかしーなーおもて、まーいーかで完成としたんどすが、後でわかったんどすが、波風に耐える為柱をハの字に立てとるんやて。その大分後ドスが旅行しましてん。海上タクシーに乗って確かめました。ホンマ、ハの字どすわ。無意識に出来とるところもありますが、ひとつ、絵の左から四軒目の右の柱、1〜2ミリほど裾を外に出さんといけまへん。又ついでの時に直しますワ。
浦島の海 京都府伊根町
丹後の海の煌めきと煌めきの間には深い海の底がのぞく。
その国の人は、ひょうきんな人が多いが、いつか、破綻のワナが待つ胸騒ぎがあって、ひょうきんを演じて、あらかじめ許しをこうているような哀れさがある。(パステル画)
夏休み
夏の昼下がり、日陰で休んでいる自転車。ご主人様もお昼寝中なのだろうか。荷台やスタンドがガッシリとした昔式で「三角乗り」をしていた頃の記憶が蘇る。
運動オンチの私だが、自転車に乗るのは早かった。「ガチャ万」時代で機屋には一番良い頃、横に補助輪のついた自転車を買って貰った。しかし、背が伸びても大きいものに買い替えて貰える訳は無く、次ぎに乗ったのは大人用のもの。サドルが頭の高さの所にあった。
短パンにランニングシャツ、ゴム草履で、砂利道のトラックの轍を、転びながら何処までも走った。 (パステル画)