スペインガリシア州にあるポンテベドラという街で「学校まで歩こうプログラム」が開始されたのは2013年。6歳以上の子供は自分で歩いて学校に行きましょう、ということで親が車での送迎を止めると、死亡事故を含む交通事故が激減した。事故のほとんどは朝と夕方、我が子を乗せた自家用車が起こしていた。
するとイタリアも地方保険局が「ウォーキングバス計画」を推奨。子供らは自分で「歩いて学校に行きましょう」と言われた。でも、どうしても心配で仕方がない親は危ない交差点だけは見守ってもよろしい、とのことだった。日本では1959年の「学童擁護員」になるか。ウルトラの母もやっていた「緑のおばさん」だが、これはいまでも日本各地の交差点でみることができる。
よく「日本の常識世界の非常識」みたいな話がある。自動販売機がどこにでもあるとか、財布を4回落とすと3回は手元に戻るとか、マンションのベランダに鉄格子がいらないとか。まあ、たしかにちょっと異様かもしれない。
そして「子供だけで留守番」や「子供だけで外をうろうろする」もそうらしい。
アニメでよくあるシーン。土管のある空き地なんかで子供だけで遊んでいると、お母さんが「ごはんよー」も日本特有だ。カナダではお母さんが子供だけでバス通学させたらブリティッシュコロンビア州の児童保護省と訴訟問題になった。保護省が言うには「我が国は近隣のスーパーであっても、子供だけで行くのは認められていません」とのことだ。
アメリカでも同じく、子供だけで留守番させたり、車の中に残して買い物したりすると逮捕される。映画「ホーム・アローン」で両親の勘違いから主人公の子供がひとりで留守番するが、あの子供は8歳の設定で場所はイリノイ州シカゴ。州法で「14歳以下の子供を長時間放置」はアウトが現実だったりする。
アメリカの作家さんでレノア・スケナジー というママが「フリーレンジキッズ運動」を推進している。9歳だった我が子に「ひとりでバス通学をさせた」ことで話題になり、ヘリコプターペアレントはダメなんじゃないか、と訴えている。小学生がひとりでバスに乗ってから、でも、このバスであっているのかな、と不安を感じて運転手に確認すると、その切符はこのバスじゃないぜ坊主、この切符をもって、あっちのバスに乗りな、みたいに言われたとか。
その少年はクラスでそれを自慢して学友をビビらせ、その切符を「勇気と自立の証」として、いまでも後生大事に持っているらしいが、日本のテレビ「はじめてのおつかい」にて最年少は徳島県の「ゆめみちゃん」。2歳2か月。
隠れて見守るお母さん含む、総勢16名のスタッフがいるとはいえ、山奥の村から町の雑貨店まで辿り着き、ちゃんと「たまごとゴミ袋」を買って戻ってきた。半分以上がヤラセだとしてもたいしたもんだ。それをテレビで放送してもいい国はたしかに世界の非常識かと思われる。
この記事に出てくる「日本在住の中国人」の親も<子どもたちは保護者の送迎なしで登下校する >と紹介している。それから宿題のことや衛生習慣、勝負ではなく成長に重点を置く教育方針、挨拶などの基本的な礼儀作法について感心している。中国とはまるで違う、ということだが、欧米諸国と同じ目線で日本の教育を評価していることに違和感を覚える。つまり、100年早い。
先ず、その前にだ。
階段の踊り場で糞尿をしないとか、ベランダから外の駐車場に生ゴミを捨てないとか、酒飲んで夜中に爆竹鳴らして、日本人住民が苦情入れると襲い掛からないようにするとか、世界にヘンなウイルス撒き散らして500万人以上殺さないとか、いろいろと他にあると思うぞ。