忘憂之物

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             渋沢栄一

めぐみさん拉致から44年早紀江さん「なんとしてでも取り返して」

2021年11月17日 | 忘憂之物



詳細な場所はともかく、長尾敬前衆院議員の選挙区内に「明石焼き」の店がある。その店は李登輝元総統がお気に入りで「お忍びで何度か訪れている」という。たしかに美味かった。

十年以上前になるか、大阪で北朝鮮による拉致に抗議する講演会があり、その後、拉致被害者奪還デモ行進があった。そのお手伝いをしたあと、元衆院議員の西村慎吾氏らと共に店に行った。そこには有本恵子さんのご両親も同席してくれた。ご両親とは何度か、拉致問題での講演会やデモ行進などでも会っているし、金美齢氏の講演会のお手伝いをした際にもお会いした。いつも誰かが話していると真剣に、食い入るように話を聴いている姿が印象的だった。

また、その講演会の冒頭、西村慎吾氏が号泣して、ご両親に謝罪していたのを鮮明に記憶する。「日本の国会議員だった者として、娘さんを未だ奪還できていないことを恥じ入る、申し訳ない」。



2007年は横田めぐみちゃんが「北朝鮮に拉致されて30年」だった。当時の参議院では北朝鮮に対する日本独自の経済制裁の半年間延長が、与野党の賛成多数を得て承認されていた。忘れてならないのは共産党と社民党は反対したということだ。そもそも共産党は対北における経済制裁の成立にも反対した。

2009年5月に2度目の核実験のあと、しれっと賛成に回っているが、いま、それら過去をなかったことにして「北朝鮮の暴挙に断固抗議する」とか、よくもまあ、委員長も変えずに真顔でやると感心する。

ともあれ、あれから14年も過ぎるのにまだ、拉致被害者奪還どころか、これらの政党が日本に存在する事実に改めて嘆息する。



横田めぐみちゃんが拉致されたのは1977年。有本恵子ちゃんがヨーロッパで拉致されたのが1983年。同じく拉致被害者である石岡亨氏の手紙で、恵子ちゃんは北朝鮮にいると判明したのが1988年。いつ、どこで、だれに拉致されたのかもわかって、いまどこにいるのか、犯人はだれなのかも知れているのに何も動かない。



「明石焼きの店」のときから提案していることがある。

NHKの受信料を10倍にしても払うから、毎日毎日、テレビの画面に拉致被害者の人数をテロップで出せと。紅白歌合戦の司会、枕詞に「いま、我々と共に新年を祝えない日本人同胞がいます。1秒でも早い全員奪還を日本政府に求めます」をつけろと。政府は広報を重視しろと。世論喚起してくれと。税金などいくらでも使っていいから発信力の高い有名人、著名人を雇って広報活動させろと。岸田総理が直接、いまなら大谷とかオファーかけてCMで使えと。

先ずは街頭での署名活動の際、迷惑そうな顔で「政治的な署名はちょっと」とか抜かす他人事を淘汰してくれと。べつに特殊部隊を北朝鮮に送り込めとか、平壌を爆撃しろとか、金正恩に斬首作戦かけろというわけではない。政府広報としてそれくらいやれと言うのみだ。

有権者の顔色が変われば政治家も変わる。金が出るなら積極的になるメディアもあるだろう。このままでは6年後に「めぐみさん 拉致から半世紀」という見出しが出る。頭と心が真面な人なら誰もが見たくないはずだ。



いま、北朝鮮に自国民が拉致されていると判明している国は11か国。そこにはアメリカも中国もロシアもない。拉致問題は?と問われて、いつまでも「最重要課題として」「一日でも早い解決を」としか言えぬ自民党なら日本に不要だ。野党がしょうもないから政権担当している、と誹られても仕方がない。


横田めぐみちゃんが新潟で拉致される2か月前、ダッカハイジャック事件があった。あの有名な「人の命は地球より重い」だ。福田赳夫内閣は拘留中だった9名のテロリストに600万ドルの現金を持たせ、ご丁寧にパスポートまで作って釈放した。その同じ年には石川県警が北朝鮮の拉致実行犯を現行犯逮捕している。犯人は自供して暗号も解読された。

北朝鮮による国家的テロが白日の下に晒された年でもあった。しかし、日本政府はなにもしなかった。その日本政府の姿勢が北の工作員を安心させ、その2か月後の11月15日、水道町の自宅付近でめぐみちゃんはいなくなった。

その後の土井たか子や辻元清美、TBSやら朝日新聞などの「拉致事件は右翼の陰謀論」も忘れはしないが、最近では立憲民主党の生方がめぐみちゃんの名も知らず「高校生か中学生かの小さな女の子 」と呼び「生きているなら返さない理由がない、拉致問題はないんじゃないか」と暴言を吐き落選したが、その翌月には北朝鮮が「拉致問題には誠実に対応し解決済み 」とかぶせて声明を出した。

また、立憲民主党は生方を除名するでもなく、生方本人が公認を辞退、県連会長を辞任ということでお仕舞らしい。この政党が先の総選挙、共産党と共闘して政権交代を訴えていたのである。なんとも恐ろしく、情けないことだが、その選挙での東京18区で当選した菅直人はめぐみちゃんの拉致実行犯、辛光洙の釈放を求める嘆願書に署名もしたホンモノだ。

こんなのがまだ税金で喰っている事実。落選すらしない現実。

今月13日、都内で行われた拉致被害者の早期帰国を求める集会にて、岸田総理は「私の手で必ず拉致問題を解決しなければならない 」と決意を述べた。15日の新潟の集会でも松野官房長官は「岸田内閣として、全員の一日も早い帰国を最重要課題として全力で取り組むことを誓います」と言った。

横田滋さんは亡くなってしまった。時は容赦しない。拉致被害者本人もその家族の高齢化も進む。解決しなければならない、全力で取り組みます、はもういらない。もう、じゅうぶん。もう、それはわかった。



我々なら4時間かけて北京まで行き、そこから平壌まで1時間半も飛行機に乗るが、岸田総理はその気になったら直行便で平壌まで行ける。

四の五の言わずに平壌に行って、日本人全員を連れて帰ってくる。それができないなら、その理由を探して潰す作業を急ぐ。あと6年はかけられない。




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