待ち合わせ

虹の会の「むぎさん」が13日の朝、逝去されました。「小児科医のむぎさん」は私と同じ年でした。


まだ小さいお子様を3人も残され、さぞかし無念だったでしょう。心残りでありましょう。




私は神も仏も信じません。信じることなどできません。なんでむぎさんなんだ。なんでなんだ。おかしいじゃないか。


また会って、一緒に飲むって約束したんだ。大阪で約束したんだ。今度、虹の会で東北に行くとき、会って飲むはずだったんだ。

おかしいじゃないか。こんなのおかしいじゃないか。




むぎさん。なにやってんの。いま、なにやってるの。子供まだ、小さいじゃない。まだまだお父さんいるよ。



あんなに一所懸命、子供らの病気治して、子供らに元気与えて、家族大事にして、日本や社会のこと心配して、夜勤もやって、がんばってたじゃないか。


なんでむぎさんなんだ。なんで良い人ばっかり連れて行くんだ。なんで素晴らしい人ばかり連れて行くんだ。おかしいじゃないか。


早すぎるよ。むぎさん。早すぎるよ。まだ40歳過ぎたばかりじゃないの。これからじゃないの。






むぎさん。オレ、それでもメシ喰って寝るよ。オレ、生きてるもの。明日も仕事なんだもの。やること、やりたいこと、やらなきゃダメなこと、あるもん。



むぎさん。オレ、このあいだ夢に「あねご」が出てきたよ。優しい顔で笑ってた。オレ、ちゃんと、なにかするよ。命賭けてするよ。約束する。




むぎさん。ありがとうね。いや、ちゃんと向こうに行ってからも言うよ。酒飲みながら言う。オレ、こっちでこんなことしたって。あんなことしたって。


日本が少しでも良くなったって。オレは子供らの病気は治せないけど、日本の子供らを元気にしたって。日本酒、飲もうね。持って行くよ。




むぎさん。ありがとう。それから、ちょっと待ってて。先に逝っちゃったけど、ちょっと待っててね。オレ、こっちでもう少しだけ、なんかしてから行くよ。




「虹の橋」で待ってて。先に飲っててもいいよ。少しだけならね。




むぎさん。さよならとかはいわない。いつも通り、お疲れ様でした、でいいよね。




さっきね、家で一人だったから声出して泣いたけどね、次、会ったときは「おつかれ！」でいいよね。それから日本酒を飲む。日本がどれだけ良い国かとか、仕事のこととか、家族のこととか、いろいろ話しながらでいいよね。



むぎさん。お疲れ。またね。