忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

LGBT議連、同性婚認める法整備も岩屋新会長「差別禁止の精神追求」

2023年02月17日 | 随感随筆




優れたコミュニケーションの場である喫煙所。社内のそれも例外なく、立場も職位も年齢も性別も関係なく多くの愛煙家が集う。「タバコを吸う」という共通点以外はばらばらの個人がわずかな時間、歴史と伝統ある趣向品を通じて多様性を体現している。

「タバコと言えば・・・」で話し出した40代半ばの女性。狭い空間だから自然と耳に入ってくる。最近、高校三年生の息子さんが、学校の近所の飲食店、その駐車場で喫煙していたところを教師に発見されたという。河原に行ったら石ころがあった、くらいの普通の話だが、そのあとも聞こえてくる。要はこういうことだった。

愛する息子が友人数名と喫煙していた。そこに担任教師が踏み込んできた。おそらくは飲食店から、あるいは客から「通報」があった。教師を視認した高校生は電子タバコを隠したという。そして教師から「タバコ吸ってただろ?」と問われた高校生らは否認して言った。証拠はあるのか?

担任教師は踏み込む前にスマホで写真を撮っていた。証拠写真だ。教師はそれをみせながら「じゃあ、これはどういうことだ?」と畳みかける。普通はここで、ぐぎぎ・・とか観念して3日くらい停学処分、舌を出して書いたような反省文を提出してお仕舞だ。しかし、最近の日本。そうは問屋が卸さないし、共産党も許してくれない。

その写真は自分らじゃない、と言い張る作戦だ。そして「疑われてショックを受けた。先生に信じてもらえない」と半笑いで被害者スタンスを奪う。左に巻いた悪知恵だ。

私は母親に問うてみた。「息子、タバコは吸ってるの?」「はい。家では吸ってます。でも外で吸ってたかどうかは・・・・。」「いや、吸ってたでしょ」「まあ、たぶん」。

教師はそれ以上咎めることなく、その後に作戦を変えてきたという。その作戦とは「他の生徒に聞いてみる」というものだった。他の生徒に「あいつ、タバコ吸ってる?」とヒアリングしているという。その「証言」を集めてまた、挑んでくるつもりらしい。母親は憤慨していた。「とにかく、どうにかして、子供たちをなんとかしようとするんです。停学とか退学とか。やり方が汚いと思いませんか?」

私は「情けないですね」と感想を述べた。女性は「でしょう!」と納得していたが、それは賛意を示したわけではなく、どっちもどっち、と言いたかった。登場人物、全員が「情けない」と思った。そして高校生らには同情した。親や教師に叱ってもらえない時代。権利ばかりを主張して義務や責任から逃れることを正当化する教育。確実に日本は壊されている。

「壊し方」には共通点がある。例えば、安モンの自己啓発セミナーみたいに「常識を疑え」とかかっちょよろしくヤル。固定観念を捨てろ、古い慣習に囚われるな、などなんでもいい。それからテレビや国会で「日本は遅れている」と言えばいい。欧米諸国と比して女性の政治家が少ないとか、同性婚を認めていないのはG7で日本だけだとか、世界では33の先進国が同性婚を認めている、日本は世界から笑われているとか言っていればいい。

そもそも世界には国連加盟国だけで193か国ある。そのうちの55か国は同性婚を認めていないし、同性での性行為に終身刑や死刑も含む罰則を設けている国もある。日本が世界から遅れているなら、それらの国々はもっと遅れているのだろう。左に巻いた不気味な連中が実に驕り高ぶった物言いであるかわかる。

そして連中は「国軍がないのはG7で日本だけだ。日本は先進国として遅れている」とは決して言わない。死刑制度がある日本は野蛮で遅れている、女性の社長や政治家が少ない日本は国際社会から取り残されている、などは騒ぐが「先進国でスパイ防止法がないのは日本だけだ。これでは国際社会から信用されない」とも絶対に言わない。つまり、ご都合主義だ。


「常識」とは学んで身に着けて守るものだ。子供の頃にしっかりと教え込むのが大人の役割だ。社会に出るならルールを守るのがモラル、モラルを守るのがマナーだということが不明なまま、体だけ大きくなった餓鬼は世間に迷惑をかけてしまう。誰も笑わないような動画をSNSに投稿して身を滅ぼしているのがその証左だ。連中は救えない加害者ではあるが、ある意味、左巻きを加害者とする被害者でもある。アレでいいと思っている。アレが面白いと思っている。もはや知性の欠片も見つからないレベルに堕している。

表現の自由も言論の自由も結構だ。なんでもモノが言える風潮もよろしい。しかしながら、その基盤には常識や良識というものがなければ困る。連中はこれらを悪用する。

例えば学生に「勉強しろ」を言う。すると勉強だけじゃなく遊びも大切、という。先生の言うこと、親の言うことを聞きなさい、には自分で考える力とか自己決定権などを持ち出す。仕事を「頑張れ」と言えば働き過ぎ、ブラック企業などと喧嘩を売られる。また、男は男らしく、などと言えば、いまなら政治家でも首が飛ぶかもしれない。最近もオフレコで「同性愛は見るのもイヤだ」と個人的意見を言っただけで岸田に切られた秘書官もいた。ちなみにバラしたのは読むのもイヤな毎日新聞だ。

連中は「当たり前」に理屈をつけていちゃもんをする。それから話を複雑にして敵味方に分け、都合の良い少数の意見を過大に喧伝する。加害者と被害者を作り、世論を混乱させて誘導する。その先にある「目的」は同じだ。日本の弱体化、脆弱化。日本人の背骨を腐らせて国力を削ぐことだ。日本人の子供がちゃんと勉強して学力を上げ、礼儀作法を教え込まれて行儀よく、仕事に生き甲斐を感じて家族を大切にし、祖先や祖国に誇りをもって自分の足でしっかり立つようになると困る連中がいる。それはもう、隠れていないだろう。

あのぺろぺろ馬鹿は高校生だったらしいが、例えば、あの阿呆餓鬼が高校で勉強しながらアルバイトして、もらった給料で両親連れて回転ずしに行き、行儀よろしく頂いてから、店員さんに「美味しかったです。ご馳走様でした。両親も喜んでくれています。また、来ます。ありがとうございました」とか言って帰ったら困る連中がいる。何故、困るのか。

それが「古き良き日本」そのものだからだ。

強い日本。怖い日本はもう見たくない。大人は懸命に働き、子供はしっかりと学ぶ。そして天皇陛下に感謝して楽しく幸せに暮らす日本人は恐ろしいのである。

この数年、日本人は大きく揺さぶられている。ワクチン打てとかマスクしろとかもそう。拒否すれば自分勝手、従えば同調圧力に弱い。今度は女湯に性自認が女の男が入ってきたらどうするか、と阿呆なことを考えさせられている。嫌なことは嫌と言えない風潮が作られている。連中は面白がって、いま、お前らはコウロギを喰え、まで言っている。

どこまで我慢するのか試されているみたいだ。





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