忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2011.9.22

2011年09月22日 | 過去記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110921-00000096-jij-bus_all
<ガスト、26日に営業再開=赤痢発症で自粛の120店舗>

<外食大手すかいらーく(東京)は21日、ファミリーレストラン「ガスト」で食事をした客が細菌性赤痢を発症した問題で、先月末から営業を自粛している東北6県と北海道、栃木県の計120店の営業を26日に再開すると発表した。各店舗や従業員の衛生状態を確認し、問題がないと判断した。
 
各店に調理済み食材を納入し、赤痢の原因施設と断定された仙台工場(宮城県大衡村)は引き続き操業を見合わせ、食材は関東や関西の工場から調達する>



赤痢といえば「征露丸」である。コレは戦後、この商品名は露西亜を征服するみたいで具合が悪い、それなら「露西亜は正しい」の意味のほうがよろしかろう、とのことで「正露丸」に変更されたが、奈良県御所市古瀬にある「日本医薬品製造株式会社」では再度変更、ンなこと知ったことか、としていまでも「征露丸」として売っている。買うならここで買おう。ネットで買える。

日露戦争前、当時の陸軍医学校では戦場で発生する「水あたり」「腸チフス」「赤痢」などの予防薬として「クレオソート製薬剤」の研究が行われていたことは有名だ。明治37年3月、これを「丸薬」として出征中の将兵に配ったが、それでも腹を壊して還される兵隊は減らなかった。しかし、それは薬効がないのではなく、あまりに強烈な薬臭のため日本の兵隊さんは飲んでいなかった。軍当局はそれを見越して服用奨励のため、露西亜を征伐する薬、すなわち「征露丸」と名付けていたが、メシ喰った後に飲めと言われても嬉しい臭いではなかったわけだ。なんとなくわかる気がする。

これでは困るとして、現地の日本軍司令官は幕僚会議を開く。どうすれば飲むのだろうと話し合った。ここに観戦武官として参加していたのが若き日のダグラス・マッカーサーだ。軍が支給する薬を真面目に飲まないのはどこの軍隊でも同じこと、マッカーサーも兵隊なんぞ、下痢で死にかけるまでは飲まないものだと、馬鹿にして決めつけていた。しかし、日本には「例外」があった。どんな極道兵隊でも文句を言わず、屁理屈も抜かさず、御国のためだ、頂きますと言わせる方法が日本にだけはあった。天皇陛下だ。

明治天皇陛下の勅命である。これで飲まない日本人はいない。それで日本は「征露丸」の名の通り、露西亜を征伐するわけだが、若き日のマッカーサーは「日本と天皇陛下」のことを少しだけ学んだわけだ。その約40年後、連合国が軒並み「天皇を死刑にしろ」と主張する中、マッカーサーは日本から皇室を無くせば占領統治がままならない、として天皇陛下の戦争責任を問わず、政治的判断から訴追しなかったが、実のところこれが遠因かもしれない。

ま、ところで、だ。ガストの赤痢は「浅漬け」が原因だったとのことだが、この会社は産地表示がないから怪しいことこの上ない。それについ先日まで、近くのガストも「韓国フェア」を推していたのも気になるところだ。大量のキムチを仕入れたことだろう。また、ウマい具合に民主党政権は今年の6月「輸入食品事前確認制度」として韓国のキムチ業者、「大象(デサン)FNF」と「株式会社モア」の2社を事前登録済みとした。これはつまり3年間、日本での「衛生検査をせず輸入する」ことを意味する。定食の端にちょこんとあった「ゆず風味」の浅漬けが犯人らしいとメディアは報じるが、それとは関係なく、我が家は元々「韓国産」とか「支那産」は極力口にしないので無問題だ。今度からは念のため、漬け物も喰わないようにするだけだ。

それに一時期、我が家は借金返済と子育てが重なり、こりゃ大変だということで、当時の私は飲食店の店長をしながら、深夜、ファミレスのバイトも内緒でやっていたが、和定食の漬けものなんぞ、オール冷凍だった。これは管理がしやすいだけではなく、サルモネラ菌などもそうだが、マイナス5度以下の環境では増殖しにくい、というメリットもあった。専門店が「凍らせると味が落ちる」とするキムチの管理がどうだったのか気になるところだ。キムチは密閉した容器に入れてチルド保存が奨励される。この温度は12℃~15℃で赤痢菌からすれば何とかなる温度だ。また、赤痢菌は非常に熱に弱い。加熱処理しないのは「浅漬け」だけではあるまい。

赤痢菌も経口感染が主な原因となる。少ない数の赤痢菌でも、人の大腸内に入れば増殖する。そして今回の被害者は全員が入院もせず、軽傷だったという。各店舗の衛生状況も検査の結果、異常なし、とのことだ。細菌性赤痢は4種類。A群赤痢菌(志賀赤痢菌)、B群赤痢菌(フレクスナー赤痢菌)、C群赤痢菌(ボイド赤痢菌)、D型赤痢菌(ソンネ赤痢菌)だ。最も症状が軽いのはD群の「ソンネ赤痢菌」だ。今回のガストがそうだと思われる。

日本人が感染する場合は日露戦争の頃と違い、ほぼ輸入感染である。中で最も多いのがこの「ソンネ赤痢菌」だ。口蹄疫の土壌汚染、上水道も飲めぬ、糞尿をそのまま畑に撒く国からの輸入品、それも国内での衛生検査もスル―したとなれば、恐ろしくて口にできるはずもない。喰わぬが吉である。

とはいえ、私もよく「ガスト弁当」は利用した。宅配のアレだ。少々、高くつくが、めんどくさがりの私からすれば、熱々の弁当を持ってきてくれるのはありがたかった。お気に入りは「ハンバーグ弁当」と「白身魚フライ弁当」だった。しかし、産地を調べてみれば、白身魚はロシア産。つまり「北方領土近海のマダラ」だった。輸入品だ。現在、日本が輸入している「マダラ」とはアメリカが過半以上を占める。アラスカ沖で獲れたモノだ。たかがファミレス、国産を使えとは言わぬが、よりによってロシアが不法占拠する日本海域で獲れたモノを、わざわざ金出して買う根性が気に入らない。「日本医薬品製造株式会社」の爪の垢を丸めて飲めと言いたい。


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