忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

民主党の中のロバの話

2010年01月16日 | 過去記事
対馬に行く前日の1月9日の朝。私は電車に乗って帰宅するため、大阪市内のとある駅のホームにいた。その前日、大阪で虹のメンバー何人かと飲み、そのあと「その気」になった私はさらに単独行動で、朝まで飲み歩いていたのである。これから数日間もひとりで過ごさねばならぬ身でありながら、ここでもひとりで放置される酔っ払いなのである。これも私の不徳の致すところ、長所は短所であり、いわばチャームポイントなのである。

駅の売店で煙草とコーヒーを買った。それと、ついでに朝日新聞でも買って読んで捨てようかと思ったのだが、なぜだか「日刊ゲンダイ」が目に入った。10000号記念らしい。

その記念すべき10000号の大見出しは「管大臣・円安誘導は政界」とある。そのすぐ下には「民主政権・茨の道」とか「検察と大マスコミの小沢叩きの勝敗」などと書いている。茨の道を歩かされているのは、どう考えても日本の国民だろうと思いながら記事に目を通すと、私が朝まで飲んで眠いのは自業自得とはいえ、前日からの痛飲が役立ったと思った。とてもシラフで読める記事ではない。記者もシラフで書いてないのだろう。10000号は、

<大新聞、マスコミも、これでもかと疑惑を騒ぎ立てている。(中略)大マスコミの報道ぶりも、どう考えたっておかしい。常軌を逸している>

と書く。さらには「政治評論家の本澤二郎氏」とやらには、

<石川議員も『自分が記載を忘れた』と認めている。単なる記載漏れです。大騒ぎする問題じゃない。(中略)メディアは地検のリークに乗っかって、さも『裏に何かある』かのような書き方をしている。自民党政権に対しては、絶対にこんな恣意的なことはしなかった。小沢一郎にダメージを与えたい、という思惑があるとしか思えません>

とか言わせている。「今だから(16日)」ではないが、これはもう、謝ったほうが良い。それに、今更言うのも情けないが、自民党政権のときこそ「恣意的」に報道されていたし、安倍さんや麻生さんに「ダメージを与えたい、という思惑」が働いていたということは、酔っ払っていてもわかる話である。先ず、この堂々たる歪曲記事に唸らされる。よく恥ずかしくないものだと感心するほかあるまい。また、その次をめくると、

<改革が成功すれば日本は一新される>

という見出しがあって、小沢マンセ―記事が並ぶ。<国民の支持は小沢幹事長にある>と限定した小見出しのあとはこう続く。また、先ほどの「せいじ☆ひょうろんか」である。

<(前略)宮内庁が、天皇と中国の習近平副主席との会見について、突然、1ヵ月ルールを持ち出して民主党を批判したのも、その一環かもしれない。1ヵ月ルールは、自民党政権時代にも破られているのに問題にもしませんでしたからね。>

などと言わせる。私はまだガラガラの近鉄電車の中で酒臭い溜息を吐いた。なんとも程度の低い批判である。もちろん、この記事中に「自民党も1ヵ月ルールを破った」という中身、理由などの詳細は書かれていない。こういうのを「恣意的に書かない」という。

2005年、たしかにタイの上院議長から打診があった際、それは「1日だけ」ではあったが1ヵ月ルールは破られた。たとえ「1日だけ」とはいえ、なぜにルールを外したのかと言えば、その年の3月には「スマトラ沖大地震」があり、インド洋において大津波が発生したからだった。マグネチュード8.6の揺れが襲いかかり2千人以上が亡くなり、東部海岸では集落ごと海中に沈んだ地域もあったからだ。この「せいじ☆ひょうろんか」は支那共産党内の権力争いと、大災害で亡くなった人を追悼し、怪我をされた人にお見舞いを申し上げるという意味における差異がわからんのだろうか。


まぁ、ともかく、

「日刊ゲンダイ」は初めて買ったし、もう二度と買うこともないだろうが、せっかくの10000号記念、ならば6面にある「とっておきのエロ話」というコーナーを一面に持ってくればよかったと思う。なかなか面白いじゃないか。ええと、なんでも「無重力の宇宙では3Pがおススメ!?」だとか。私などはこれを読んで、嗚呼ぁ、下劣な新聞屋で下劣な記者が下劣な記事を書いているなぁ・・と非常に好感をもった。こんなの阿呆らしくて「日刊ゲンダイ」しか書けないだろう。もちろん、風俗情報も充実している。まさに「日刊ゲンダイ」のアイデンティティここにあり!である。これからも阿呆臭くてイカ臭い情報を発信し続けてほしい。目指せ20000号!であろう。がんばって欲しい。




また――――――――

その「日刊ゲンダイ10000号」が出た同じ9日には、山岡国対委員長も「民主政権は、あと30年続く!」とか言っているし、翌日、私は安心して博多の中洲にて「さすがは国民が選んだ政権。これで日本にも議会制民主主義が定着したなぁ・・ゆうあいゆうあい♪」などと感激しながら、激ウマの明太子で焼酎などを飲んでから対馬入りしたのであるが、なんか、4~5日経って戻ってみれば民主党が大変ばってん、逮捕すればよかったいね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100116-00000666-yom-pol
<「全面的に闘っていきたい」民主党大会で小沢氏>

「久代千代太郎の対馬ぶらり旅~男一匹~」は、次回更新する「忘憂之物」に譲るが、この党大会、さっきネットでみた。ちょうど福島瑞穂が挨拶してたところだったが、面白かったのは鈴木宗雄である。さすが、経験者は言うことが違う。ちょっと拾ってみた。


先ずは検察批判。暴走だそうだ。んで、石川容疑者の逮捕については「証拠隠滅の恐れがどこにあるのか!」と憤って見せるが、鈴木宗雄は新聞を読まんのだろうか。理由はこうだそうだ。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100116/crm1001160046004-n1.htm
<石川議員逮捕、なぜこのタイミング? 最大の証拠隠滅「自殺」の恐れ>

なんとも恐ろしい友愛だ。

<午後11時前に始まった逮捕発表会見で、佐久間達哉特捜部長は逮捕の理由について「石川容疑者らの供述は信用できない」「証拠隠滅の恐れがあった」と語った。報道陣から「自殺の恐れがあったからか」と問われると、佐久間部長は「あえて否定しない」とも話した>

死にたければ死ねばいいが、それでは誰かが喜ぶだけだ。最後くらい、日本国民の「屁」の役くらいには立って欲しい。鈴木宗雄は「検察は今、石川にこう言っているはず」としながら憶測を話していた。内容は、検察が「民主党も小沢もお前を助けてくれないョ。だから、こっちの味方になれョ♪」と石川容疑者を口説いているそうだ。そんな検察に正義もないそうだ。んで、会場にいたらしい「千葉法務大臣」に対し、そもそも特捜とは昭和22年、闇物資を抑えるために作られた組織じゃないかとして、今、どこに闇物資があるんですか?とやっていた。つまり、もう要らないじゃないか、と言いたいのか。

また、小沢幹事長!と叫んで「お願いします!自信を持ってください!もう十分、国民には説明を果たされた!」と持ち上げていた。小沢はうるっときたのだろうか。

そういえば、岩手の畑浩治という議員が盛岡の民主党パーティで述べた、

「小沢王国が完成しました。次は小沢帝国を目指します」

は、「平成21年政界迷言・流行語大賞」の「2位」にも選ばれた「迷言」だが、今後のことを思うと可哀そうで仕方がない(嘘)。さっそくにも帝国崩壊である。「梯子外された」レベルではなく、ロケットで打ち上げられて第2エンジン付いてなかったみたいな感じか。ちなみに「1位」は蓮舫議員の「2位じゃダメなんでしょうか」だから、もはや、なんともいえない。


また、小沢幹事長の「権力」を借りて動いていた連中のことを「虎の威を借る狐」と称するメディアもあるが、今年は「寅年」であるし「狐」はカシコイ動物だし、我が京都には伏見稲荷大社があるし、ま、とくにキツネの名誉のためにちょっと書くと、コレは「狐」が単に威張りたくて「虎の威」を借りているのではなく、トラに襲われたキツネが頭を使って難を逃れる話である。

「オイラを食べちゃダメだ。だってオイラは神様が動物の中で一番偉いと決めた動物なんだ。そんなオイラを食べると罰が当たるョ。特捜部に逮捕されたりもするョ」

「ほ、ほんまかいな、それ・・」

トラに喰われそうになったキツネはこう言ってトラを騙す。しかし、ビビりながらも信じ切れないトラにとどめの嘘をつく。

「嘘だと思うなら、オイラの後をついて歩いてみなよ。他の動物はオイラに恐れをなして逃げるから♪」

後ろに控えるトラにビビって逃げだす他の動物をみて、阿呆なトラはキツネの嘘を信じてしまう。こうしてキツネは森での安全確保に成功するわけである。他の動物にも、トラにも頭を下げさせる立場になるわけだ。コレはカシコイ。

そして、コレと同じような話はアメリカにもあって、その場合は「ライオンの皮を被ったロバ」となる。実にそのまんまであるが、日本では「喉仏」でもアメリカでは「アダムが飲み込んだリンゴ」となるのと同じく、彼らの感性はそういうところにある。また、もちろん、話の内容やその意味、伝わる警告も日本とはちょっと違う。

こちらは、普段、他の動物から軽く見られて虐められるロバが、今日もとぼとぼと道を歩いていると「ライオンの皮」が落ちているのを見つける話だ。それを被ったロバは「ライオンのふり」をして、かつて自分を虐めた動物たちを脅しまわって報復する。

「「30日ルール」って、誰が作ったの?法律で決まっているわけでも何でもないでしょ。」

きゃぁぁぁ!!

逃げまどう動物たち。

「国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ、全て!」

うわぁぁぁ!!

どん引きの動物たち。


「夏の勝利に全力を尽くす!」
「とても納得できるものではない!」
「表立っての仕事は輿石代行に任せる!」

「国民皆さんにご理解いただければ、私は国民の皆さんが味方していただける、そのように考えております!」



やれやれ、まだ、ライオンの皮は吠えているが、ちなみに、この「ライオンの皮を被ったロバ」を見破るのもキツネである。「天の声」だと思ってビビる他の動物たちとは違って、実に冷静に、あれ?おまえ?ロバだろ?wwとやるのだ。キツネ、すごいのである。



そういえば、東北にもひとつだけ稲荷神社がある。「志和稲荷神社」で場所は岩手だ。北海道でも「北キツネ」とか有名だし、新潟では「狐の面」を被った警察官が「振り込め詐欺撲滅キャンペーン」をしたりと、寒い東北でなかなかにキツネは愛されている。


だから、寒い東北に出てきた悪党はキツネに捕まるのだろう。

2 コメント

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お帰りなさい ()
2010-01-16 22:49:16
民主も報道も、どこも見苦しいですね。
以前の漢字やカップ麺、ホッケの煮付け報道を思うと生暖か~い優しさが漂っているのにこれ以上どうして欲しいのですかね。
「なぜ今か」では無く「悪事を働き容疑が固まれば逮捕」が当たり前の事だと思いますが。 報道にのる民主側の発言を聞くとヘドが出そうです。
ヘドで思い出しましたが、千代太郎さんも変な奴に粘着されていらっしゃるみたいですね。たまに写真もupされているので気をつけて下さいね。

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ただいまです! (久代千代太郎)
2010-01-17 22:08:44
>な さん

ほんまですね。「当たり前」が壊されていますね。創るのは大変で、壊すのはたやすいのは何でも同じなんですかね。はぁぁぁ・・



あ、お心遣いありがとうございます!

大丈夫です!
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