R's/ Field Research 地域歴史・文化資源

地域の歴史・文化資源の再発見ブログです

雲南吉田日誌

2012-12-02 19:22:18 | 島根雲南日誌

雲南吉田日誌 某月某日 市内大東町狩屋八幡宮の祭礼に出かける。珍しい相撲神事があり、同僚が祭礼の頭屋に当たるというので定時退社をして向かう。祭礼は東西の地区から選ばれた力士(本来未婚の若者)がつとめ、境内広場に設けられた土俵の上で、「四周に注連」「常磐木の榊枝(神霊の依代)」「神紋を染め抜いた幌幕」「照明のために松明」など配置され、「宮司による神儀が終わると、天狗の面をつけ神幸式の先導をつとめた猿田彦命が現われ、土俵を廻って相撲始めのお祓いを行う。弓矢を手挟み東西南北と天上の五方に向って弓を引き、国土安穏・天下泰平を祈ったのち、大きな咳払いをして土俵を下りる。ついで獅子舞が出て再度土俵を清める。すると行司の呼び声に応じ、東西両頭の二力士が土俵に上り、いよいよ十二番におよぶ取組の開始となる。」(桜井徳太郎)取り組みは前半後半の十二番に及び、取り組みごとに頭屋の人が力士に絹布をかける。詳しくは櫻井徳太郎「地方の神事相撲」『悠久』第78号 特集「神の相撲」所収 平成十一年九月二十五日 を参照のこと。

何とも優雅な夜であった。


相撲神事の様子

 

中入り

 

 


雲南吉田日誌

2012-12-02 19:18:05 | 島根雲南日誌

雲南吉田日誌 某月某日 吉田町は和鉄の産地として「鉄の歴史村」を宣言(昭和61年)した。近世以降は鉄師田部家を軸に町が形成され、周辺地域の各農家も砂鉄掘り(原材料)から炭焼き(鑪燃料用)の供給など近世の企業町として発展してきた。百年以上連続して操業され大正時代に火を落としたが、現在でもその歴史景観に直結するのがこの菅谷高殿(重文)である。周辺には高殿に手前の桂の木は鉄師に信仰され、春の芽吹きには火炎樹のように赤く燃え上がるという。周辺は高殿で働く「村下」など鑪職人の住まい「山内」もあり独特の景観を保持している。

菅谷高殿

 

手前の大きな木が桂の木