雲南吉田日誌 某月某日 市内大東町狩屋八幡宮の祭礼に出かける。珍しい相撲神事があり、同僚が祭礼の頭屋に当たるというので定時退社をして向かう。祭礼は東西の地区から選ばれた力士(本来未婚の若者)がつとめ、境内広場に設けられた土俵の上で、「四周に注連」「常磐木の榊枝(神霊の依代)」「神紋を染め抜いた幌幕」「照明のために松明」など配置され、「宮司による神儀が終わると、天狗の面をつけ神幸式の先導をつとめた猿田彦命が現われ、土俵を廻って相撲始めのお祓いを行う。弓矢を手挟み東西南北と天上の五方に向って弓を引き、国土安穏・天下泰平を祈ったのち、大きな咳払いをして土俵を下りる。ついで獅子舞が出て再度土俵を清める。すると行司の呼び声に応じ、東西両頭の二力士が土俵に上り、いよいよ十二番におよぶ取組の開始となる。」(桜井徳太郎)取り組みは前半後半の十二番に及び、取り組みごとに頭屋の人が力士に絹布をかける。詳しくは櫻井徳太郎「地方の神事相撲」『悠久』第78号 特集「神の相撲」所収 平成十一年九月二十五日 を参照のこと。
何とも優雅な夜であった。
相撲神事の様子
中入り