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白根から草津抜けるツーリング

 さてこの連休、平日の金曜日は「西伊豆(前の記事)」へ向かいました。金曜日は曇りでしたが土曜日からは酷暑の様相でした。土曜日は嫁の買い物のお付き合い、娘の外出の送り迎えと過ごしましたが、やはりこの連休でしか行けない場所に行きたいとウズウズしていたので、日曜日(7/16)には少し足を延ばして信州方面に行く事にしました。

 私が以前に山梨県のクリスタルラインを走っていた時、友人からドヤ顔のLINEメッセージで「いま万座・白根に来ている」とあり、送られた写真を見た時、その景色の綺麗さに、この先行ってみたい場所として万座から白根方面がありました。昨年にビーナスラインに行った時も、その景色のすばらしさに感動しましたが、この白根山周辺も結構素晴らしい景色が有る様なので、時間があったら行ってみたいと常々思っていたので、今回はこの場所に行く事にしました。

 私の家から白根山方面へ行くなら、通常は関越自動車道を利用して、吾妻方面から行くのが距離も多少短いのでそのルートを利用するのですが、今回は少し変わったルートを取りたいと、関越道ではなく中央道から長野道に入り、須坂長野東インターチェンジで下りて万座経由で向かう事にしました。NEXCOのページで検索すると、関越道経由では渋川伊香保ICまで139キロ、一方、須坂長野東ICを経由すると253キロとなっていました。帰り道の高速道路は短い方が疲れも少ないと思い、帰路は渋川伊香保ICから乗る事にして、今回の大枠のルートを決めました。

 ちなにみ今回は「二輪車定率割引」を利用しました。高速道路で100キロを超えると37.5%割引になるプランで、土日であれば事前申し込みする事で利用する事が出来ますが、かなりお得なプランです。

 一応嫁に話をすると「バイクで走るのが、そんなに面白いのかねぇ」と言われましたが、面白いからしょうがないでしょう。という事で一応承諾を貰いました。距離は恐らく500キロを超えるし、7/16も酷暑の予報だったので、なるべく早い時間に高さのある場所へいた方が楽とも考え、自宅をAM5時に出発する事にしました。また草津も立ち寄るので、ついでに温泉も入ろうと着替え一式も持っていく事にしました。

 7/16は朝から晴れていました。4:30に起きて見ると青空の下で富士山や丹沢の山々が良く見えます。これは確かに酷暑になる天気です。

 身支度して朝5時過ぎには自宅を出ました。5時でもこの季節は既に日差しが出ています。金曜日にも西伊豆を312キロ走っているので、正直、体に疲れも残っていますが、それも関係なくGIXXER150を走らせて、東名高速の綾瀬スマートICを目指します。朝早いので下道はガラガラなので20分ほどで東名高速に乗り、まずは海老名SAで休憩を取り飲み物を購入しました。ただ連休中日で天気も良い事もあってか、海老名SAにはこの早朝でも多くの車のバイクが既に止まっている状態で、人の出もそこそこありました。

 朝食は中央道の談合坂SAで取る事として海老名SAを後にします。まだ6時前なのでそれほど混雑していないと考えていましたが、それが甘かった。。。すでに圏央道も八王子JCTの手前数キロから渋滞が始まっていて、談合坂SAまで1時間ほどかかりました。でも以前の混雑時には1時間半ほどかかったので、それに比べたらまだ空いていたという事なのでしょう。

 談合坂SAのフードコートは早朝にも関わらず結構混雑していましたが、空いている席を確保して、朝食に富士山カツカレーを注文、夏バテに備えました。でもこんなもの食べてばかりでは、医者から叱られてしまいますね。

 ここからのコースですが、通常であれば次に双葉SAで休憩を取りたい所ですが、山梨県の甲府盆地は暑くなるので、とにかく早く抜けようと、次の休憩場所は諏訪SAにしました。所要時間はGoogleMap先生によると1時間半ほどです。

 談合坂からは順調に進みましたが、須玉あたりで道路工事の為に対面通行となっており、その影響で韮崎から長坂の間で渋滞11キロという表示が出ていました。これでは少し時間が押してしまいますが、今日は急ぐ旅でも無いですから、事故にだけ気を付けて進みました。小淵沢あたりでは勾配も少しきつい場所でGIXXER150もアクセル全開で90kmが限界となります。渋滞で時間を少し取られましたが、談合坂からは1時間半ほどで諏訪SAにはオンタイムで到着です。

 この日はツーリングしているバイクも多く、談合坂から諏訪までの間、多くのバイクに抜かれて行きました。確かにGIXXER150はパワーも無く、車体も軽いので風などに煽られやすいバイクですが、取り回しがしやすく、何と言っても燃費が鬼燃費です。今回も自宅を出て満タンで出発しましたが、諏訪SAに到着した時点で1目盛りの燃料消費しかしていません。恐らく消費量は3リッター前後でしょう。最近、ガソリンが高騰し始めていますが、このバイクはそこも大きな魅力の一つですね。

 さて、諏訪SAで15分ほど水分補給や日陰の休憩をして、次は須坂長野東ICまで長野道を進みます。このあたりになると標高があるとは言っても、ジリジリと気温上昇している事が解ります。須坂長野東ICまで所要時間は1時間弱とGoogle Map先生は言っていますので、この調子で行けば11前には到着出来るでしょう。

 岡谷JCTで長野道に入り松本から安曇野までは、ほぼ直線区間です。でも長野道はそれほど飛ばす車もおらず、90~100kmの間でノンビリ走行できます。周囲を見ると先日にSSTRで越えた中央アルプスも左手側に良く見えて、松本市内では空港に着陸する飛行機も見えました。安曇野からは長いトンネルを幾つか過ぎますが、山間部に入ると暑さがだんだんと堪えてきましたので、途中、築北PAで水分補給とトイレ休憩を取る事にしました。

 この築北PAですが、トイレと自動販売機以外、ドッグランになる草地はありますが、その他は何もありません。せめてエアコンが利いた場所があれば良いのですが、それはトイレの中だけ。私は木陰を探して、そこで水分補給をしていました。家族連れがいたのですが、彼らは車の移動でエアコン利かせて走っているからでしょう。子供と飼い犬は元気に走り回っています。私はと言えば、、少しへばり始めていました。夏のバイクはまさに「修行」の様なものです。

 以前にZX-4を乗っていた時、夏場で走っているとラジエーターの水温上昇と共にファンが回り始めます。すると足下から強烈な熱風が噴出してくるので、それはそれで大変でしたが、GIXXER150は空冷エンジンです。排気量は150ccですが、こうなってくると足下にはそれなりに熱気を感じてきます。とりあえずエンジンは快調に動ているので大丈夫なんでしょうが、そこが少し心配になったりもしますね。

 PAを出てから幾つかのトンネルを抜けると、千曲川と長野市方面の平野部が右手側に一望に見えてきます。やはり長野市内近辺は盆地の地形の影響もあってか、酷暑の陽気になっています。走っているととにかく暑い、熱風を受けながらバイクを走らせていると、汗は出たそばから直ぐに蒸発していきます。「早く山の上に行きたい」と思いながら必死にアクセルを回し続けていました。

 松代PAをすぎると、右手には皆神山が良く見えます。以前に「日本のピラミッド」という事で来た場所です。松代と言えば戦時中の後半に、大本営をこの松代の地下壕に移す計画があったそうですが、昭和天皇はそれを良しとしなかったとか。日本のピラミッドと天皇、なにやら不可思議な感じもしますね。

 11時に須坂長野東ICを下りました。高速の走行時間は朝5:30頃に綾瀬から乗ったので、ここまで4時間30分ほど掛かった事になります。もう周辺はむせ返る酷暑の中でした。とりあえず近所のコンビニを探してGoogle Map先生にルート確認をしました。目的地は「日本国道最高地点」。有料道路を利用しないコースで1時間弱との結果でした。

 とにかく一刻も早くこの酷暑から逃れたいと想い、バイクを走らせました。集落を幾つか抜けて山道に入り、高度を上げていくと暑さもかなり和らいでいきます。

 途中、景色を眺めてみるとかなり高度を上げて来たのが解りました。空の雲も近くに見えて遠くには長野市の平野部を見る事が出来ます。ここまで来るとかなり快適な気温になりましたので一安心です。このGoogle Map先生に案内された道ですが、本当に山道でワインディングが多く道幅も狭い道でした。道脇には落ち葉が積もっていたりして、対向車が来ると少し辛い道路です。GIXXERで道脇の落ち葉や子ジャリには気を付けながら、のんびりとワインディングを走り続けました。

 丁度、目的地までの中間点で万座温泉の手前ですが、以下の案内板を見かけました。

 ここに毛無峠とありますが、これは知る人は知っているポイントで、私は以前にYoutubeの以下の動画で知りました。

【50年間 立入禁止の場所】毛無峠 小串鉱山 廃鉱山 廃坑

 Google Mapに確認すると数キロの距離で、時間は6分とありました。そんなに近い場所ならばせっかくなので少し立ち寄る事にしました。

 毛無峠までの距離は確かにそれほど遠くありません。しかし道路はまさに「酷道」と呼ぶにふさわしい感じで、アスファルトも穴が結構あったり、最後の方ではほぼ砂利道という感じとなっていました。到着までは15分程でしょうか。ただここの眺めは絶景で、車で来てチェアリングしている人、ラジコン飛行機を飛ばす人、アマチュア無線をしている人、バイクも二十台程は来ていました。驚いたのはあの酷道をマイクロバスにお客らしき人を乗せて来ている団体様が居た事です。

 ここから先は群馬県なのですが、そちらの方は国道が既に崩壊していて通行止めです。遠くには浅間山と嬬恋の周辺地域が一望出来ました。風が通り抜け、気温も涼しくて良い場所なのですが、それほど長居は出来ません。とにかく万座温泉を抜けて白根山へ行くには、まだもう少し時間が掛かります。

 ここまで来た酷道を逆戻りして、先ほどの分岐を万座方面へと進みます。大体15分ほど走った処に万座温泉がありました。でも今日の目的地は個々では無いので、通り過ぎて白根方面へひたすら進みます。万座温泉から高度を上げていくと、周囲の景色が霧ヶ峰ビーナスラインにそっくりな感じになってきます。これはこの周辺の森林限界が2000m前後という事と関係しているのでしょう。ここまで来ると気温もかなり下がり、結構涼しい感じになってきます。

 目的地に到着。ここが日本国内の国道で一番標高の高い場所との事です。この場所は丁度、白根山の湯釜の近くにあります。

 奥日光にも白根山がありますが、そちらは日光白根山とも呼ばれていて、こちらは草津白根山と呼ばれています。ここは立派な活火山で、2018年1月23日の噴火ではスキー場に噴石が落下して、自衛隊員1名死亡、11名負傷したのは記憶に新しいニュースです。この場所には多くのライダーやドライバーが来ていて、思い思いに写真を撮影したりしていました。時間も午後1時を過ぎていたので、そろそろ昼食を取りたいと思いましたが、万座からここまでの間に飲食できる店はありません。GoogleMap先生に確認しようと思いましたが、この場所ではY!mobileの携帯電話は圏外。やはり草津方面まで行くしかないかなと思いましたので、来た道をとりあえず引き返す事にしました。

 草津方面へ走っていると、途中、廃墟となったロッジ等がありました。恐らく2018年の噴火により閉じたのかと思われます。

 できれば止まってブラついて見たいと思いましたが、この周辺は「火山活動警戒中」という事もあり、規制線でロープが張られていて、基本的に入る事が禁止されています。また道中、ところどころで硫黄の臭いもしたので、白根山は確かに活動中の火山である事が解ります。

 草津までは30分ほど走り到着。草津温泉スキー場にある天狗山プレイゾーンにある食堂に入り遅めの昼食を取る事にしました。ここで食べたのは「ひもかわうどん」です。通常、うどんは少し太い麺ですが、ひもかわうどんは幅の広い麺が入っていて、そこに舞茸天ぷらがトッピングされています。

 ここで昼食を取ったあと、どこか日帰り温泉できる場所がないかGoogleMap先生に確認すると「御座之湯」という温泉宿があり、評価もそこそこありましたので、そこへ行く事にしました。草津温泉郷では公設駐車場を利用する決まりになっているようで、バイクの場合には終日300円との事でした。駐車場はこの時間でも結構混雑していて、駐車場待ちの車列が結構続いていました。私は慎重に脇をすり抜けして駐車場の係員に確認すると、バイクは空いているとの事でしたので、駐車場にバイクを停めて着替えセットを持ち「御座之湯」へ向かいました。そこは駐車場から徒歩五分程の場所にありました。

 ここは700円で日帰り入浴が出来る温泉でクチコミを見ると草津温泉らしく温度の髙めのお湯だとありました。貴重品は更衣室内に無料のボックスがあるのでそこに預ければ良くて、入った時間は15時前でしたが、それほど混んでいませんでした。汗で濡れた下着を脱いで温泉に浸かり、出た後は持ってきた替え下着に着替えた後、二階の大広間が休憩場所になっているのですが、そこへ移動、私は座布団を枕に空いている場所で横になり、少しの間、まったりとしていました。周囲を見ると、皆が思い思いの場所で寝ころんでいたり、寝息を立てている人もいました。

 考えて見れば早朝出てから走り通しだったので、ウトウトしてしまいましたが、ここから自宅へ帰らねばならず、それほど余裕がある訳ではありません。16時頃に「御座之湯」を出て、途中の店でお土産を買って駐車場に戻りました。駐車場は相変わらず駐車待ちの車列が続いていて、誘導係の人も少し疲れてる様でした。

 ここからは吾妻方面に下り、渋川伊香保ICから関越道に入るルートなので、それほど難しいコースではありません。丁度、草津温泉郷から下って走っている時、ふと思い出した事がありました。それは二十歳の頃に会社の人と、草津スキー場に日帰りスキーに来た時の事です。当時、私は角目スカイラインJapanに乗っていましたが、タイヤチェーンを持っておらず、この先の雪道は厳しかろうと、この草津からの下り道の途中に車を止めて、同行していた会社の先輩の車に乗ってスキー場へ向かいました。あの時も睡眠不足で来ていて、帰りの関越道は眠気との闘いの中で帰宅したんだよな、という事です。

 バイクで一人走っていると、ふとこういった昔の事を想い出してしまう時があります。考えて見ればそれから三十五年以上過ぎ去っているんですが、当時の友人はどうしているのでしょうか。

 渋川伊香保ICから関越道に入り走っていると、何やら狭い範囲ですが上空に暗い雲が広がっています。そしてバイクのフロントカバーにボツボツと大粒の雨が当たり始めました。ちょうど駒寄PAがありましたので、とりあえず雨宿りしようと立ち寄ると、屋根付きバイク駐輪場には1台のバイクが止まっているだけだったので、そこに滑り込みました。そしてその直後から土砂降りの雨になりました。

 この後、数台のバイクが避難してきましたが、全員ずぶ濡れの状態です。屋根付きバイク駐車場は直ぐに一杯となりましたが、つづけてバイクが避難してきました。みなずぶ濡れです。

 とりあえず雨が通り抜けるまで待つ事にしましたが、雨が止むまで30分ほどかかりました。

 北東方面に虹が出ていましたので写真を一枚。駒寄PAを出発しましたが、坂戸西から花園ICまでの間で渋滞19キロと道路情報表示板に出ていました。既に時間が18時を過ぎていたので、これでは自宅に到着するのは21時は過ぎてしまいます。今日は結構長距離のツーリングでしたからね。

 坂戸西までの渋滞も、高坂SAで休憩を取ってやり過ごし、鶴ヶ島JCTから圏央道に入りますがこの時間では日はとっぷり暮れています。この時間ではバイクも他の車からの視認性が落ちてしまうので、無理な走りはせずに十分注意してすすむ必要があります。通常は狭山SAで休憩しますがこの日は通過、次の休憩場所は厚木PAです。

 厚木PAには21時過ぎに到着しましたが、もうこの時点で結構フィジカル的にもメンタル的にもヘロヘロ状態でした。ここでLINEで嫁に連絡すると、自分の夕飯は準備しているとの事、どうやら娘たちが作ってくれていたらしいです。放蕩オヤジなんですが、なんか申し訳ない感じもしましたね。

 結局、自宅には22時頃に到着。帰宅後すぐにシャワーを浴びて着替えました。バイクやヘルメットの掃除は翌日持ち越しです。この日の走行距離は564キロでした。

 


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