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カンヌと14歳でクラムジーなXserve

2004-05-25 | シネシネアーカイブ
第57回カンヌ国際映画祭の悲喜こもごも

進ぬアポなし監督ことマイケル・ムーアがブッシュをこき下ろした「華氏911」がまさかのパルムドールを受賞し、押井守の「イノセンス」は当然のごとくシカトされる。相変わらず不協和音と予定調和とシンコペーションがうずまくカンヌの地。

そんな中、一人の少年が最優秀男優賞をゲルゲット。柳楽優弥(やぎら・ゆうや)――その名前から、「あ、そういえば、なぎら健壱ってまだ少年ジャンプ読んでるの?」などと不覚にも思ってしまった人も多いだろう(多くねーよ)。いや、問題は名前ではない。14歳という年齢だ。

――14歳。

・聖武天皇が元服した年齢
・江利チエミやアグネスチャンがデビューした歳
・楳図かずおのマンガ
・エヴァを操縦できる
・りえちゃん14歳

などなど、様々なキーワードが想起される(なんかロクなのねーな)。

そして、極個人的には、俺の弟の年齢なんだ。

片やカンヌで賞を取る俊才。もう一方は勉強もスポーツもモテ度も、その他もろもろのすべてが兄の轍をキレイになぞったかのごとく、まったくうだつの上がらないボロメガネのバカッ小僧。この違いは何なんだ。いや、そんなことわざわざいうまでもなく詮無いことだと分かっているし、当の弟にしたって同じ思いだろう。ハナから、同じ土俵じゃないと思ってやがるンだ。たまたまそこでスポットライトに照らされた、自分よりいい化粧まわしを身に付けた力士を見て、何の感慨があろうか。なんにもありゃしない。

自分と他人との得体の知れない関係性に気づきはじめて悶々とし、三者面談の最中に「西遊記」の再放送が気になってしょうがなく、好きな女の子とたまたま指先が触れ合っただけで耳たぶの根元まで真っ赤になり、バカを正当化する唯一のキーワード「大器晩成」を呪文のように唱えられつづけたあの頃。もう二度と戻りたくないけど、戻ったらきっと「あそこのあの場面で俺はスターになれる」と確信にも似た妄想を禁じえない。ググってみれば、「clumsy age」なんて言葉を提唱している人もいた。

そういうハングリーさなりアンバランスさなりやるせなさが、我が弟にはまったくもって見受けられない。お前も年長さんのころは、ジャンプする前には必ず屈んでいたんだぜ?

で、結局何が言いたいかというと、ナニが言いたい。

俺の部屋からエロDVDを持ち出すのは100歩譲ってよしとしよう。でも、頼むから元あったとこに戻しておいてよ。管理できなくなる。それと、こないだ、アレだ。妹の部屋に置きっぱなしにしやがって。疑われるのは俺なんだぜ? そもそも、と~っても高価な「プラチナ殿堂入り」アーカイブってことが分かっているのか? 俺がお前くらいの歳の時分にこのアーカイブにアクセスできたと仮定して、それはどんなにうらやましいことであるかが、お前に想像できるカ? 表向きにはお前はPS2では「モンスターハンター」ばっかやってることになってるのかも知れない。けど、俺の目は、俺の目は……節穴じゃぁねーんだぜ?

分かったか。こんの、バカッ小僧が!