まだひらがなも読めないお子さんではなく、小学校1~2年の頃に「遅れがあるかも」と気づかれた場合、
何よりもお勧めなのは、せっせと音読をさせること。
親が本文を見ていなくても、意味が通じるように読めているかどうか気をつける事が大事です。
音読をさせれば「読めない漢字」や「言葉」があればすぐにわかります。
単語の途中で区切ったり、つかえたりする場合は、その言葉の意味が分かっておらず
自分の生活範囲の中で使うこともない「知らない言葉」なのです。
ひらがなで書かれていれば、音で読むことはできますがスラッとというわけにはいきません。
先日「おさななじみ」という言葉が読めない子がいました。
「おさ・ななじみ」とか「おさなな・じみ」という感じに読むので「おさな・なじみ」と読み方を教えてから
「おさななじみのお友達いないかな?」と聞くと案の定「いません」。
転校生ではなく幼児期から同じ学区にいることはわかっているので
「幼稚園の頃から一緒に遊んでいる子っているよね、それとも今はクラスがちがうけど幼稚園の頃は遊んだ子とか」
「うん、○○君、△△君」「そういうお友達の事を「おさななじみ」っていうのよ。」
「あー、そうなんだ」と納得してからもう一度さっきのところを音読させるとスラスラと読めます。
学校の宿題でもよく「教科書の音読」というのがあります。
下の娘は国語には強いということがわかっていましたから、いちいち付き合っているのが面倒なので、
「玄関に置いてある認印を自分で押しておけばいいから」と横着を決め込んでいました。
けれども長男の国語力には若干不安があったので、台所仕事をしながらよく音読を聞いたものです。
つかえたり読めなかったりする言葉は、読み方だけでなく意味の確認もします。
音読と言えば余談ですが昔、編み物をしながら娘が英語の教科書のお話を音読するのを聞いていました。
練習が終わったところで話の続きが気になったので「それで、その犬はそのあとどうなったのかしら」と
お話の要約をしながら尋ねると「え?ママはこの話知ってるの?」と聞かれました。
「あら、だって今アンタが読んだじゃない? だから続きが知りたいのよ」と言うと
娘はしばしキョトンとして「だけど、英語・・・・・・」
そこでようやく、言葉というもの、日本語だろうが英語だろうが情報を伝えているものだということが
腑に落ちたようです。以来、英語は得意教科になりました。私は相変わらず英語は苦手ですが。
国語でも同じように文章が情報を伝えているということになかなか気づけない子がいます。
こういう子は算数の文章問題が苦手です。
特に発達に遅れのある子では
自分の身の周りの物や出来事と、文字で書かれている事は別物と感じやすいようです。
文字とは苦労して覚えなければならないもので、当人にとって意味がないかのようです。
それで、橋渡しの一歩として、「おうちでお手紙」を保護者にお願いすることがあります。
お母さんがおうちにいても
「今日のおやつはドーナツです。せんたくきの上においてあります」などのお手紙を書いておくのです。
かくれんぼの要領で探し回る子には時間制限を設けるなどして、読めるメリットを教えます。
当然徐々にレベルアップして「冷蔵庫の一番上の棚のお菓子の箱の中」とかね。
そこにも次のメモを入れておくとか、宝探しゲームは親子共に楽しめます。
勿論手書きでいいのですが、教科書体でプリントして置いたりすれば、一層「読解」につながるかもしれません。
ひらがなの読み書きに興味も関心もなかった子が、この方法で「読むことの必要性」を感じて
一ヶ月もかからずにひらがな50音を覚えました。