公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

くもん教室はボランティア?

2007-09-17 | くもん教室の経理
ある読者から
「なんか、タダ働きが多くて・・・」という声が。
ま、「先生のお教室へ生徒を集める為ですから・・・」という事務局の主張はごもっとも。
でもねぇ・・・・

最近、
「ボランティアで乳児さんに読み聞かせや歌やお母さんへの
情報提供の会を3回やってください」と言われマニュアルまで渡されました。
今までにも
事務局には「きてみてあそぼ(無料)」や「英語1日教室(無料)」
「モニター生」などのテーマにかなり振り回されました。
「今まで無料でやっていたものに加えてボランティアの会を増やすわけ?」という
先生もいました。


以前、局員に聞いてみたことがあります。
各時期の無料体験について。
「無料体験って、手間ヒマは各教室の持ち出しだよね、
やりたくないってこともあると思うんだけど?」
「テレビでもコマーシャルをしますし、先生のお教室だけが
体験学習はできません、なんてことはダメですよ。
問い合わせがあったら、必ず二週間の無料体験をお勧めしてください」
私は、くもんの期間に関わらず、いつでも入会希望者には無料体験をお勧めしてきたので(ほんとはいけないのだと言う局員もいましたが)
体験してから納得ずくで入会してもらわないと、あとでトラブルのもとということもあり
新入会生を募集しないことには、教室自体が立ち行かないことになりますから・・・
でも、局員に押し付けられると不愉快で
自教室のためとかきれいごとを言っているけど
事務局に貢献する為ジャンネェ・・・・という思いをいつも抱えていました。

研究会にも言い分は当然あるわけで
今回の「ちえぶくろ」とか言うのにも、マニュアルを作ったり
たぶん教材・教具の提供をしたりと、
40パーセントのロイヤルティに見合うサービスは提供している・・・・のでしょうね、たぶん・・・・
だけど、
こういうボランティア活動まで強要されたら、たまったものではなかろう、
とは思います。
私も、教室の宣伝も兼ねたボランティアを何年も続けていますけれど
あくまで、自分にできることで、やりたいことだから。

くもんに貢ぐロイヤルティをふやすために、なんて、まっぴらです。
もちろん、生徒が増えれば自教室も潤うはずなのですが
これについては、試算してみたことがあり
30教科増やすと、研究会の収入はストレートに¥75.600増えるけれど
教室の経理は
人件費は勿論、もしかしたらテーブルその他の購入も必要になって
手取りはたいして増えない・・・・
どう計算しても¥75.600の増収にはならないのです。
ましてそのために新聞折込その他の経費をかけていたら
赤字になることさえありえます。
それでも、増えればまだましで、経費をかけ、時間を費やし、
増員できなければ、教室の経理は、まるまる赤字・・・・
赤字とまで行かなくても、指導者の労働対価は僅少です。
当初はそれでも、
さきゆき生徒が増えれば回収できると思ったのですが
なんのことはない、教室の伸びが順調だと
研究会は近くに新たな教室を開設したりするのです。
結果、それまでの労働対価や経費関係の回収は困難になり・・・・
このままでは、消費税のこともあり
くもんを続けていくのは無意味だと判断せざるを得ないことになりました。

ただ、現在はその頃のノウハウや購入品を生かして
ロイヤルティでなく、教材購入費のみの自教室をやれていますので
まるきりムダだったとはいえませんけれど。
でも、やっぱり一番大きいのは
それぞれの生徒のニーズに応じて、やりたいことができるっていうことです。
アタマの回転が速く、国公立大学を目指すような生徒にはそれなりの問題集を、
学校の授業についていけないような子には、学年の下から積み上げる方式で育て
学年を超えたら教科書相当レベルを繰り返し・・・・
誰にどの会社のどの教材をどういう順序で学習させるかは私が決めますが
その通りに教材をセットしていくのはアシスタントの仕事です。
なんとおりものテキストをきちんと用意していくのは
公文の教材セットに比べて何倍もの手間がかかります。
私がやりたいことをやる為に
サポートしてくれる有能なアシスタント達がいなければ
独立は無理だったでしょう。
ボランティア精神だけでは、アシスタントの教育までは、なかなか、ね。
とは言いながら、
実のところ、アシスタントの時給は、高給を払ってはいません。
なにせ、
私の労働対価が決して高くは無いことを、みな、承知していますから。
彼女たちこそ、ボランティア精神を多分に備えているのかも。




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