
韓国30代男女に「おひとり様」が激増する理由
「1人焼き肉」店やコンビニ弁当など商機拡大
ソウル近郊にできた「1人焼き肉」店は、1人世帯をターゲットにしている(撮影:筆者)
学習机のようなテーブルが同じ方向にずらりと並んでいる。テーブルの上には小さなコンロがひとつ‥。入り口の「On my own」の文字が目を引くこの店は、ひとり焼き肉を楽しむ、「おひとり様」向け焼き肉店だ。
韓国といえば、食事は皆でわいわいと賑やかに楽しむことが一般的、だった。数年前までも1人で食べている人は「友だちがいないんじゃない?」「非社交的で少しかわいそうな人だね」という視線がつきまとった。実際に筆者が1人で食事をするというと「1人でしかも女性が‥」と目を丸くする人や、かわいそうにという憐憫の表情を浮かべられた。
オープンしたての「1人焼き肉」店も大盛況
それが、この2、3年の間に1人で食事をすることを好む「ホンバプ族(ホン=ひとり、パブ=ご飯)」が急増。1人で食事をする人へ向ける視線もがらりと変わったのだ。
そんな流れに商機を見た社長のハン・ジンスさん(35)がひと月前にオープンした店が「独孤ジン」だ。店名の「ジン」は自身の名前から取ったという。
「以前は弁当屋を営んでいましたが、ホンバプ族が増えていることを目の当たりにして、なかなか1人では入りづらい焼き肉が楽しめる店を開店しようと思ったんです」(ハンさん)