トマトの呟き!!

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大阪知事発言の波紋

2020年08月08日 | 日記
大阪知事発言からうがい薬が無くなっています。
歯科医師のブログからの抜粋です。
イソジンの使用
お知らせ 2020年08月05日 
大阪府知事が「ポビドンヨードうがい薬でうがいを続けると新型コロナウイルス感染症対策に有効な可能性が・・・」といった旨の発表をされたとのことで、巷からポビドンヨード含有のうがい薬が一気に無くなっている様です。
 
しかし、私は、歯科医療従事者としてこの見解は誤ったものである可能性が高く、当面は信じて実行して欲しくはないと考えています。
 
たしかに、ポビドンヨードうがい薬を適正な濃度にして60秒以上うがいすることにより、しばらくの間、「お口の中の」ウイルス(新型コロナウイルスも含む)の活性が失われることは以前よりわかっていることです。
ここで勘違いしてはならないのは、「お口の中のウイルス活性が失われる(ウイルスが死ぬ)=全身のウイルスが減る・死ぬ・感染症が改善する」ではない!ということ。
あくまでもポビドンヨードうがい薬により、お口の中のウイルスが、新型コロナウイルスも含み活性を失う。全身には関係しない。
 
当院でも、治療前には皆さまにポビドンヨード含有のうがい薬にて60秒以上のうがいを必ずしていただいていますが、これは、万一、受診された患者さまが新型コロナウイルスなどの感染をされている場合でも、当日の歯科治療中にお口の中の細菌やウイルスが飛沫として空中に浮遊したり、周囲に付着したとしても、診療室や待合室に滞在する全ての人の感染リスクが上がらない様にするためです。
『一時的にお口の中の新型コロナウイルスなどの活性を失わせる』ことをしているのです。
もし、このときに、唾液検査した場合、その患者様が感染者だったとしても新型コロナウイルス感染陽性という結果は出ない可能性が非常に高いです。
これは、感染者のコロナ感染症がポビドンヨードうがい薬で「治った」わけでは決してありません。
また、血中に廻っているウイルスが減少しているということでもありません。
 
このことから考えると、今回の大阪での発表の様に、ポビドンヨードうがい薬を一日4回使用して数日継続した感染者の唾液中のウイルスは検査に陽性という結果を示す可能性は非常に低いことは容易に想像できます。
これが、大阪府知事が会見の「ポビドンヨードうがい薬でコロナが抑えられる可能性が」という短絡的に思われる発言の元となったと思いますが、『ポビドンヨードうがい薬継続使用により口腔内の新型コロナウイルス検査の結果が陰性になる』のは『真実』である可能性が高いものながら、これは『ポビドンヨードうがい薬が新型コロナウイルス感染者の治療に有効』という結論には全く結び付くものではありません。
 
一日に何回もポビドンヨードうがい薬を使用することを継続すると、お口の中にいるべき細菌も絶滅に近い状態になりかねず、口内フローラ(お口の中の細菌が作る環境)も滅茶苦茶になってしまう可能性もあります。
口内環境が大きく崩れると感染症などのリスクも上がります。
また、京都大学保健管理センター(現・健康科学センター)の川村孝教授の研究グループが行った調査において、ポビドンヨードによる頻繁なうがいは高い殺菌効果と引き換えにノドの粘膜の細胞も傷つけてしまい、その結果、かえってインフルエンザを含む風邪をひきやすくなってしまうらしいという結果が判明しています。
ポビドンヨードうがい薬を常用し、一日に何回も使用することはお勧めできません。
まちがっても、ポビドンヨードうがい薬を飲んだりは絶対にしないでくださいね!
 
それでもポビドンヨードうがい薬を使用したいという方は、外出から帰った際の手洗いのときにのみ、ポビドンヨードうがい薬を使用してうがいをしてください。
 
それ以外のお口のケア(歯磨きのときなど)には、今まで通りのお掃除・マッサージ、普通の水やぬるま湯などによるうがいをするのが良いと考えます。
また、妊婦さんがポビドンヨードうがい薬を常用すると、過剰に吸収されたヨード(ヨウ素)が うがいをした本人の甲状腺に問題を引き起こす可能性があるだけでなく、胎児にも移行し、胎児の甲状腺にも悪影響を及ぼす可能性も考えられますので、ポビドンヨードうがい薬を常用し、一日に何回も使用することは絶対に避けていただきたくお願い致します。


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