親友の自殺
2007年10月10日(水)
ちょうど1か月前になるが、9月10日から16日は、「自殺予防週間」だった。
内閣府自殺対策推進室の広報によると、「自殺や精神疾患についての正しい知識と普及を図り、これらに対する偏見をなくすとともに、国民に、一人ひとりが自殺予防の主役であることを示し、自殺を考えている人を一人でも救い、我が国を「生きやすい社会」に変えていく気運の醸成を図りたいと考えております。」ということだ。
私には、親友を自殺で失うという苦い経験がある。
2002年3月8日、彼の奥様から電話があった。「主人が死んだので、明日葬儀がある。」ということだった。その時は死因についての詳しい説明はなかった。
翌日の9日、葬儀会場に行き、奥様から衝撃の事実を聞かされた。マンションから飛び降りたというのだ。その瞬間私は心の中で、「おまえ、なぜそんなことをしたのだ!なぜ、僕に言ってくれなかったのだ!」と叫び、泣き崩れた。
彼とは中学校1年のとき登山クラブで知り合い、それ以来ずっと親しくしていた。
彼は父親が医者だったこともあり、医学部を目指していたが、医学部には行けず、獣医科大学に行くことになった。そのころから、彼の苦悩が始まったのだろう。
二十歳前にアルコール中毒になるやら、職場も転々とするやらし、死直前には精神疾患のデイケアも受けていた。
実は、自殺する2週間位前に、彼から電話があったのだ。何を話したかも忘れたくらい大した話をしたわけではなかった。
しかし私は、その話しぶりに何か「違和感」を感じた。その時はそんなに気に留めなかったが、彼は私に「別れのあいさつ」をするつもりだったのではなかろうか。
先の内閣府の広報にあるように、「自殺や精神疾患についての正しい知識」を私が身に付けていたなら、その時の電話の僅かな兆候も見逃さずに、私が何らかの対応ができていたかも知れなかったのだ。私の無知と不明を悔いるばかりである。
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