みえっぱり。ええかっこうしい。ええじゃないか。誇り高く生きよう。
私の心の師匠のひとりである山川健一さんは、千葉の自宅を液状化で失ったといいます。避難生活を強いられていて、不便な暮しをしているけれど、皆元気にしているよ、とも。その事実を、地震発生から約一週間後に、ほんのさらっと、おまけ程度に伝えて下さりました。どうして今まで黙っていたのかといえば、それは想像ですが、間違いなくこういうことでしょう。自分の家の被害や、不便な暮らしなど、取るに足りないことであって、津波に襲われた地域にくらべれば、大したことがないということ。それと、自分の家のことよりもっともっと、読者に伝えたいことが、伝えるべきことがたくさんあったということ。
一週間が経ちました。
地震発生後、職場でいちばん最初に笑いを提供したのは、おそらく私だったと思います。非常に情けなく、恥ずかしい話なのですが、揺れが収まった後に、トイレでおしっこをしたのです。で、それが、電気が復旧するまで流れなかったのです。そのことが同僚にバレて、というか自首したのですが、それで大笑いされた、という話です(泣)なんというタイミングの悪さ。間の抜けた話。我ながら凄いと思います。さすがまぬけ。
地震が起きた時、我がチームのスタッフは入浴介助中でした。私は食堂にいて、お風呂場への誘導を担当していました。特別養護老人ホームというのは、とにかくいつも忙しくしている所なのですが、この時間帯って、そんな特養の中でも、特別に忙しいのです。ただでさえ目一杯で焦っている時間帯(おしっこをしている暇はないんだ!)に、あの揺れだったので、私は鬼と化していました。地震が恐いとか、そういう余裕すらなかったです。だって、自立可能な認知症の入居者の方がいるんですもん。どういう状態だったのか想像してみて下さい。私はとにかく一生懸命説得していました。「出歩かないで下さい!窓際は危険です!落ち着いて下さい!」みたいな。そういうお前こそ落ち着けっての。ねぇ。
一週間が経ちました。
以来、どういうわけか、関係ないはずなのに、急変される方が多い。お亡くなりになる方もいらっしゃる。不思議です。昨日は、一週間ぶりの入浴介助でした。つまり、入居者の方々は、あの時以来の入浴だったということです。余震の心配もあったし、計画停電の絡みもありました。昨日にしても、2チーム合同の入浴、つまり、シャワー浴だけでした。午後の計画停電の中止さえわかってさえいれば、普段通りの入浴ができたのに・・・。でもまあ、仕方がない。皆が不便な思いをしています。例えば、わかりやすい例で、厨房の方。朝食の用意があるので、出勤時間がいちばん早いのですが、そもそも出勤すること自体が今は大変じゃないですか。電車はとまっている。ガソリンは買えない。それから、食材の調達。例えば、牛乳はもう手に入りませんよね。メニューの変更を強いられます。だた変えればいいというものではありません。カロリー計算などをしなくてはいけないからです。それから、計画停電による調理時間の変更。ガスは使えますが、ミキサー、保温ジャーなど電気機器は使えません。自分の食事ならまだしも、人様の食事なのです。手抜きなどできません。それに、もし食事の用意が遅くなれば、われわれケアワーカーの仕事にも響いてきます。次の計画停電の時間も刻々と迫ってきます。時間的なプレッシャーも相当あるはずです。
われわれにとっては、夜間帯の計画停電の対応が想像以上でした。排泄介助が出来ないとか、転倒しそうで危ないという問題だけでなく、心のケアというのかな。一口に介護といっても、自立できる方と、自立できない方のケアって、違います。意思の疎通が可能な方と、難しい方のケアも異なります。そういう意味で、真っ暗な中での、認知症を患っている方へのケアとか、きっとどこの施設の方も苦労されていると思います。入居者の方々も、いつもと全く異なる雰囲気に、不安だったことと思います。一方で、なにせ戦争、空襲を経験してきている方たちだからなのか、案外動じない方もいらっしゃったように思います。
昨日は大船渡出身の元同僚が職場に来ていました。何を話したらいいものか、全くわかりませんでした。本当に情けない。いつも偉そうなことを言っているくせに、肝心な時になると、何も話せません。関東圏内の自分の身近な方でも、大変な苦労をされている方がたくさんいらっしゃいます。特に茨城。水道の復旧のメドが立っていない上に、例のペットボトル買占めが重なったりして、かなりひどい状態のようです。茨城の被災の様子はあまり報道されていないように思いますが、道路の状態が悪いこともあって、とくかくライフラインがひどいようです。お金はあっても物が買えない状態。届かない状態。
なんとか力になりたいと思っても、今はとにかく、自分の仕事に打ち込むしかない。いきなり現地に行っても、移動手段や食料を自分で確保、調達できないと、足手まといになるだけのようです。今はとにかく、「雨にも負けず」の精神で、家で大人しくしているしかないのかな。それにしても、被災地の方にせめて<一日に玄米四合と味噌と少しの野菜>が届きますように!がんばれヘリコプター!ぼくのプロペラ!
全世界が日本に注目をしています。見えをはる必要はないでしょう。いいかっこうしいをする必要もないでしょう。なぜなら我々は「名こそ惜しけれ」の関東人なのです。日本人なのです。ええじゃないか。誇り高く生きよう!
追記
コレクターズのアルバム「Free」のエンジニアって、あのケニー・ジョーンズなのでしょうか。つまり、フェイシズのドラマーのケニー・ジョーンズなのでしょうか。今までずっとそんなわけがないと思っていたのですが、「ザ・コレクターズ大頭鑑」にはそう書いてあります。にわかには信じがたいのですが、もし本当にそうだとすると、私の「Free」が好きな理由が氷解します。
私の心の師匠のひとりである山川健一さんは、千葉の自宅を液状化で失ったといいます。避難生活を強いられていて、不便な暮しをしているけれど、皆元気にしているよ、とも。その事実を、地震発生から約一週間後に、ほんのさらっと、おまけ程度に伝えて下さりました。どうして今まで黙っていたのかといえば、それは想像ですが、間違いなくこういうことでしょう。自分の家の被害や、不便な暮らしなど、取るに足りないことであって、津波に襲われた地域にくらべれば、大したことがないということ。それと、自分の家のことよりもっともっと、読者に伝えたいことが、伝えるべきことがたくさんあったということ。
一週間が経ちました。
地震発生後、職場でいちばん最初に笑いを提供したのは、おそらく私だったと思います。非常に情けなく、恥ずかしい話なのですが、揺れが収まった後に、トイレでおしっこをしたのです。で、それが、電気が復旧するまで流れなかったのです。そのことが同僚にバレて、というか自首したのですが、それで大笑いされた、という話です(泣)なんというタイミングの悪さ。間の抜けた話。我ながら凄いと思います。さすがまぬけ。
地震が起きた時、我がチームのスタッフは入浴介助中でした。私は食堂にいて、お風呂場への誘導を担当していました。特別養護老人ホームというのは、とにかくいつも忙しくしている所なのですが、この時間帯って、そんな特養の中でも、特別に忙しいのです。ただでさえ目一杯で焦っている時間帯(おしっこをしている暇はないんだ!)に、あの揺れだったので、私は鬼と化していました。地震が恐いとか、そういう余裕すらなかったです。だって、自立可能な認知症の入居者の方がいるんですもん。どういう状態だったのか想像してみて下さい。私はとにかく一生懸命説得していました。「出歩かないで下さい!窓際は危険です!落ち着いて下さい!」みたいな。そういうお前こそ落ち着けっての。ねぇ。
一週間が経ちました。
以来、どういうわけか、関係ないはずなのに、急変される方が多い。お亡くなりになる方もいらっしゃる。不思議です。昨日は、一週間ぶりの入浴介助でした。つまり、入居者の方々は、あの時以来の入浴だったということです。余震の心配もあったし、計画停電の絡みもありました。昨日にしても、2チーム合同の入浴、つまり、シャワー浴だけでした。午後の計画停電の中止さえわかってさえいれば、普段通りの入浴ができたのに・・・。でもまあ、仕方がない。皆が不便な思いをしています。例えば、わかりやすい例で、厨房の方。朝食の用意があるので、出勤時間がいちばん早いのですが、そもそも出勤すること自体が今は大変じゃないですか。電車はとまっている。ガソリンは買えない。それから、食材の調達。例えば、牛乳はもう手に入りませんよね。メニューの変更を強いられます。だた変えればいいというものではありません。カロリー計算などをしなくてはいけないからです。それから、計画停電による調理時間の変更。ガスは使えますが、ミキサー、保温ジャーなど電気機器は使えません。自分の食事ならまだしも、人様の食事なのです。手抜きなどできません。それに、もし食事の用意が遅くなれば、われわれケアワーカーの仕事にも響いてきます。次の計画停電の時間も刻々と迫ってきます。時間的なプレッシャーも相当あるはずです。
われわれにとっては、夜間帯の計画停電の対応が想像以上でした。排泄介助が出来ないとか、転倒しそうで危ないという問題だけでなく、心のケアというのかな。一口に介護といっても、自立できる方と、自立できない方のケアって、違います。意思の疎通が可能な方と、難しい方のケアも異なります。そういう意味で、真っ暗な中での、認知症を患っている方へのケアとか、きっとどこの施設の方も苦労されていると思います。入居者の方々も、いつもと全く異なる雰囲気に、不安だったことと思います。一方で、なにせ戦争、空襲を経験してきている方たちだからなのか、案外動じない方もいらっしゃったように思います。
昨日は大船渡出身の元同僚が職場に来ていました。何を話したらいいものか、全くわかりませんでした。本当に情けない。いつも偉そうなことを言っているくせに、肝心な時になると、何も話せません。関東圏内の自分の身近な方でも、大変な苦労をされている方がたくさんいらっしゃいます。特に茨城。水道の復旧のメドが立っていない上に、例のペットボトル買占めが重なったりして、かなりひどい状態のようです。茨城の被災の様子はあまり報道されていないように思いますが、道路の状態が悪いこともあって、とくかくライフラインがひどいようです。お金はあっても物が買えない状態。届かない状態。
なんとか力になりたいと思っても、今はとにかく、自分の仕事に打ち込むしかない。いきなり現地に行っても、移動手段や食料を自分で確保、調達できないと、足手まといになるだけのようです。今はとにかく、「雨にも負けず」の精神で、家で大人しくしているしかないのかな。それにしても、被災地の方にせめて<一日に玄米四合と味噌と少しの野菜>が届きますように!がんばれヘリコプター!ぼくのプロペラ!
全世界が日本に注目をしています。見えをはる必要はないでしょう。いいかっこうしいをする必要もないでしょう。なぜなら我々は「名こそ惜しけれ」の関東人なのです。日本人なのです。ええじゃないか。誇り高く生きよう!
追記
コレクターズのアルバム「Free」のエンジニアって、あのケニー・ジョーンズなのでしょうか。つまり、フェイシズのドラマーのケニー・ジョーンズなのでしょうか。今までずっとそんなわけがないと思っていたのですが、「ザ・コレクターズ大頭鑑」にはそう書いてあります。にわかには信じがたいのですが、もし本当にそうだとすると、私の「Free」が好きな理由が氷解します。
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