私は「日本が法治国家である」ことを信じています。福津市が、日本の一地方都市であるならば、福津市役所の一部門であるうみがめ課にも、法治主義の原則が貫いていて、福津市役所の行政は法にしたがって、仕事をしなければならないと考えています。しかしながら、福津市役所うみがめ課の仕事は法でなく、マニュアルに基づいて運営されています。その証拠は、うみがめ課から今回提出されています弁明書にあります。弁明書には「手引き」と称する運用マニュアルや行政実例というマニュアルからしか、その弁明の根拠を示していないことから判ります。
私はマニュアルが、福津市役所に十分な行政能力がない場合、ある程度の事務処理の質を維持するには有意義であることは認めます。しかし常識的には、マニュアルは参考にとどめ、関係法令そのものの条文に基づき、自分の判断と責任でその内容を解釈しながら、具体的な事案を処理すべきではないでしょうか。また、マニュアルの内容のみを根拠として、法的な正当性を市民に主張することはできないと考えます。法律に基づくものでなければ、地方自治法第14条第2項の定めのとおり、市民の権利の制限や義務を負わせることはできないと考えます。
マニュアル行政の弊害は、マニュアルのみを使用した福津市役所の職員が、その内容を正しいと信じきって、自分の間違いに気付くことなく「福津市役所の解釈はこうです」と主張し、その間違いを正さないことにあります。また、そのマニュアル内容には行政実務に都合の良い過去の事例を残していますので、法律が変わっても、社会情勢が変わっても昔のままの解釈で変わらないということです。60年も前の行政実例を弁明の根拠としていることからも判ります。
うみがめ課のマニュアル行政の具体的な実例とその招いた結果をお話しいたします。うみがめ課は、資源ゴミの分別収集を分別と収集に分離し、収集は「分別収集ごみであれば、分別収集場所に保管されたごみを収集運搬委託業者が収集車に積み込むこと」と解釈しています。この「収集」の解釈について、最近私達の仲間がその法的根拠を質問したところ、「法律及び公的文書には具体的な表記がありません。」とうみがめ課自身も法によらないことを文書で認めています。一方、平成12年4月に施行された容器包装リサイクル法には「市町村は容器包装廃棄物の分別収集をしなければならない。」と明記されています。しかし、福津市役所うみがめ課はその分別収集の解釈を変えることはありません。そして、うみがめ課は分別収集の分別を自分達の責任範囲ではないとし、分別を自治会に依頼し、自治会が自主的に分別収集を実施していると主張して、マニュアル行政を続けてきました。
自治会を指導・コントロールすることなく「お願い」に終始してきた結果、”福津市内46%の自治会が自治会未入会者の資源ゴミの受入れ拒否している事態”を招いたのです。地方自治法第10条第2項「行政サービスを平等に受ける住民の権利」を自治会から侵害されている福津市民は極めて大雑把ですが、全世帯数の約10%(約2,700世帯)がいて、生活の質を劣化させられていると推定しています。
本来、福津市役所の役割である分別収集に自治会をからめることによって、福津市は
問題をさらに複雑にしているのです。今回の福津市情報公開条例第12条第2号による非
公開決定処分も、うみがめ課のマニュアル行政が招いた結果と考えています。