No.246~249で新しい監査委員(木村道也氏)の監査結果について、批判してきましたが、過去の監査委員にはなかった次のような監査委員の観点を明示しています。『原則として教育委員会の裁量判断が尊重されなけれならない。もっとも、教育委員会の裁量権行使が、本来最も重視すべき考慮要素を軽視する、重視すべきでない考慮要素を重視するなど、合理性を欠くと認められる場合には、監査委員はこれを違法・不当原因として勧告することも許されると解すされる。』(監査結果報告書P11)この観点から、住民の監査請求を「却下」ではなく「受理」されたことは一歩前進で評価します。
しかしながら、学校新設の候補地選定において、本来最も重視すべき考慮要素である「安全・安心」な場所であるべき点において、会議の検討内容まで踏み込まず、検討されたことのみで、済ましているところに木村氏の限界を感じます。(参照No.246)また、福津市教育委員会が令和3年に㈱長大に3,150万円ものコンサルティング料支払い、作成した福津市学校施設等整備計画において、学校新設の候補地として①竹尾緑地②福津市中央公民館敷地(わかたけ広場)③手光の田園を挙げていました。ところが、突然、宮司地区に小学校新設を決定したことは、不自然で何等かの力が働いたと推量されます。請求人は、この決定に重視すべきでない考慮要素があり合理性がないと陳述しましたが無視されました。
また、監査委員は福間小学校の児童・生徒数の推計について、『福間小学校は、令和9年に児童・生徒数が1,591人になっても過大規模校なので、学校新設の必要性がある』と断じています。しかし同校や福間南小学校の児童・生徒数が令和15年には1,200人に減少する、一方で神興小学校・上西郷小学校・勝浦小学校は児童・生徒数が少なく過疎化が進んでいること、福津市の厳しい財政状況等を考えれば、小学校の新設は中止するのが当然であると考えます。