今回は学校新設予定地に関して市長と教育委員会が対立した状況下で、令和3年3月福津市教育委員会は『福津市学校施設等整備計画』を公開しました。この『福津市学校施設等整備計画』の問題点は次の通りです。
1.この計画は、福津市教育委員会が自ら作成したものではなく、コンサルタント会社の㈱長大に3,150万円で委託した「福津市学校施設等整備計画策定業務」の報告書そのものでありました。何故ならば㈱長大の報告書を見せて欲しいと福津市教育委員会に情報公開を依頼したところ、渋々出てきたのは作成者名を㈱長大から福津市教育委員会名に変更しただけの『福津市学校施設等整備計画』でした。
2.さらに驚くことは、『福津市学校施設等整備計画』を一読すると、福津市教育委員会は「地方行政の組織及び運営に関する法律」第21条第1項で教育委員会の職務権限とされている「学校施設再配置の基本方針と施設整備の方針」や「過大規模校対策とこれからの対策」等までコンサルタント会社に作成依頼してました。あまりのお粗末さに呆れて、教育委員長に文書で「学校整備計画書は、民間のコンサルタント会社である㈱長大などに委託するのではなく、教育委員会が責任をもって事務局等の協力を得て作成するのが当然と考える」と質問をしました。教育委員長からの返事には「委託業務を実施しているが、当然ながら最終的に策定するのは市であるので、㈱長大からの成果品を基に、新設校の市の方針を反映し整えて完成させる予定です。」と有りました。ところが実際、現在まで教育委員長が回答したような検討及び修正は、行われておりません。教育委員会の職務権限の仕事を一民間会社に丸投げすることは、教育委員会制度注)の意義を見失い教育委員会の自主性・独立性を自ら放棄する自殺行為です。
3.『福津市学校施設等整備計画』では、学校新設の建設候補地は次の順番とすることが明記されています。順位1 竹尾緑地(5-4年制の小中一貫校) 順位2 中央公民館敷地(5-4年制の小中一貫校または小学校)順位3 手光の田園地帯(5-4年制の小中一貫校または小学校) そして学校建設には財政的に50億円
程度しか余裕がないため、1校しか建設できないことも記載されています。また原崎市長も市長選挙では「小・中学校の2校創るのは財政的に無理がある」と説明し再選されました。
しかし小学校の建設予定地と中学校新設が大きく方針を転換したのです。次回はどの時点で変わったのか。変わったため何が問題となるのかについて述べることにします。
注)教育委員会制度:文科省の”教育委員会制度について”より抜粋
1.教育委員会の意義
政治的中立性の確保 個人の精神的な価値の形成を目指して行われる教育においては、その内容は中立公正であることは、極めて重要です。このため教育行政の執行に当たっても、個人的な価値判断や特定の党派的影響から中立性を確保することが必要。
2.教育委員会制度の特性
首長(市長等)からの独立 行政委員会の一つとして独立した機関を置き、教育行政を担当させることにより、首長への権限集中を防止し中立的、専門的な行政運営を担保。