トニー・レオンって。ギャンブラーをこんなにわかりやすくベタに演じているのに、この映画のラストは品がある。
お母さんに会えなかったヨディのレスリー・チャン
「どんな関係だ」と言われて切り替えせなかったスーリーチェンのマギー・チャン
このまま終わったら、かわいそうすぎる。天井に頭をぶつけそうな、あれ、船室かな、お部屋で身だしなみをととのえて、札束を胸ポケットに押し込んで、ポケットチーフをゆっくりさしこむトニー・レオンの動きはとてもやさしい。 この監督さんは、ほんとに男性のよさをひきだすのがうまいんですよね。
この唐突なラストに救いがある。
それはトニー・レオンが持っているまじめさとか、やさしさなんだろうか。
「楽園の瑕」とこの映画「欲望の翼」をわたしに教えてくれたお友だちが、昔、なぜかここでトニー・レオンが…と話していたのをおぼえています。 そこに救いがある。
続編がぽしゃったとかエビソードはきいたことあるけど、すばらしい編集だなと思います。
でも、なんといってもヨディのレスリー・チャンがいい。
トム・クルーズが【その目つき】でにやりと笑うときのような、自己中な微笑みがうまいなあと思う。
やはり監督がレスリーの本質のよさを引き出しているのかな。