伝え聞く「学生運動」

「タイトル： Street Fighting Man が聴こえる、ペンネーム： 後楽園の Ｇ．Ｆ．Ｒ．エンディングの「パフ」を聞くと、団塊の世代を思う。　

　あなた達の事は責めたい気持ちもある。伝え聞く「学生運動」とはなんだったんですか。社会正義を求めての振る舞いではなかったのですか？　それぞれがこの強大な体制のもとで社会人として、言わば潜伏生活をしてるんじゃあなかったんですか？共産主義じゃなくて民主主義の為に、動きましょう。今度は、あくまで非暴力で。」（ＴＢＳ時事放談サロンの投稿より）

　いやはや、団塊の世代を責めておられる。ある人に聞くと、大学の学生食堂の改善運動からデモに参加したという。大きくは、日米安全保障条約の改定の1960年、及び1970年の2度にわたる、安保条約に反対する労働者・学生・市民が参加した史上で空前の規模の反戦・平和運動が背景にあったと思う。その際に、大学内の学生から見た矛盾への抗議も出てきたし、成田空港建設の農民からの強制土地収用なんかにも、学生が連帯して国家権力＝機動隊と戦っていた。

　頂点は、長崎県の佐世保港に原子力航空母艦エンタープライズが入港した時、それを阻止しようとして全国から学生が角材を持って集結した時と、学内の民主化の名のもとに、全国のたくさんの大学を学生が、机や椅子を積み上げて学舎を授業できないように封鎖して篭城し、大学側は機動隊をいれて催涙弾も使っての強制解除した時だろう。1970年を過ぎると革新勢力の安保闘争が公害闘争へと転換され、学生運動も徐々に収束していったようだ。

　今テレビでは、年金や大臣失言問題ばかりやっているが、当時は本当に「学生運動」ばかりテレビでも巷でもやっていた。片や世界同時暴力革命なんて言葉も飛び交ってはいたが、時代の大きな転換点へ警鐘を鳴らしていたのも事実だとは思う。日曜日に、当時ギターをかかえてプロテストソングばかり歌って、この運動の真っ只中にいた人との話しに花が咲いた。ピーター・ポール・アンドマリー、ジョンバエズ、ボブ・ディランの歌、ハーモニカの話題も。フォークソング＝世直し歌だったんだ。「フォークゲリラ」なんて言葉もあった。街頭でのフォークソング集会がデモだったんだ。

　時事放談サロンの投稿者の人がイメージするものともちょっと違うかな。勿論、今のストリート・シンガーとも違う、いや、ストリート・シンガーの方がはるかに歌がうまい。