本を読んでいない今、先週から久しぶりEテレの「100分 de 名著」を観ている。有吉 佐和子 著『恍惚の人』は12年前に読んだが、この本は感動的だったね。
有吉佐和子スペシャル (2)「老い」を直視できない人々~100分 de 名著 NHKから
「老い」の問題を見すえた「恍惚の人」。職業婦人として充実した日々を送る昭子。突然義母が亡くなり、それがきっかけで義父・茂造が認知症を患う。その . . . 本文を読む
迷惑なの! と言われても。
昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。
そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。
双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。
彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(ク . . . 本文を読む
私の幼少時代の思い出は、みな伊豆の小さい土蔵に関連を持っている――。
おぬい婆さんとの、土蔵での生活。著者自身の少年時代を描いた自伝小説。
洪作少年は、五歳の時から父や母のもとを離れ、曾祖父の妾であったおぬい婆さんとふたり、土蔵で暮していた。村人たちの白眼視に耐えるおぬい婆さんは、洪作だけには異常なまでの愛情を注いだ。
――野の草の匂いと陽光のみなぎる伊豆湯ヶ島の自然のなかで、幼い魂はいかに成長 . . . 本文を読む
欠けて困るものなど、何一つありはしない。
砂穴の底に埋もれていく一軒家に故なく閉じ込められ、あらゆる方法で脱出を試みる男を描き、世界二十数カ国語に翻訳紹介された名作。
砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々 . . . 本文を読む
クモの巣の横を、またヤモリが走った。ヤモリは黒い稲妻みたいに斜めに走る。部屋のクモの巣はとり払ってはいかんよ。このあたりはヤブ蚊が多くてな、クモはヤブ蚊や虻(あぶ)や、ハエをつかまえて食ってくれる。ヤモリも虫を食う、まあ同居人みたいなものさ。恩方村の寺に住んでいたころは、天井にコウモリがぶらさがっていたよ。で条件はどうなっておるか。・・・小学館の文庫本から
上記は28歳の嵐山光三郎と編集長 . . . 本文を読む
菅総理よ、「改革」を売り物にするなかれ
「亡国の改革至上主義」
新自由主義にもとづく、国家観なき「構造改革」は日本をさらに分断させる。
人間社会には「効率」より大切なものがある 藤原正彦
作家で数学者の藤原正彦さんは、ベストセラー「国家の品格」でいっペンでファンになったが、「若き数学者のアメリカ」もとても面白かった。週刊新潮には写真入り「管見妄語」というエッセイをユーモラスに書いてあるの . . . 本文を読む
WALDO(ウォルド)は北米版のウォーリーの呼称。この風刺画には「すごく簡単」とタイトルがついている
© Chattanooga Times Free Press, Inc./Clay Bennett
Newsweek 2020年04月22日(水)19時15分 [執筆者] 岩澤里美 (スイス在住ジャーナリスト)
アルゼンチンのアートディレクター、ペドロ・メッツィーニ氏が作った
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このタイトルの新聞広告を見て昨朝すぐに、本屋に走った(笑)。 藤原正彦さんは、米国と英国の大学で教壇に立った経験をお持ちの数学者でありエッセイストとしても知られる。父・新田次郎氏は小説『八甲田山死の彷徨』などの山岳小説を拓いた小説家・気象学者でちと有名な方。
サブタイトルは『大学入試改革は産業界主導の愚民化政策である』だが、10ページにわたって述べられている記述は興味深いことばかりだが . . . 本文を読む
はじめに
私は大阪で生まれ、大阪で育ち、大阪で就職し、大阪で作家となった。・・・(略)
大阪づくし 私の産声 目次
第一章 『花のれん』、『白い巨塔』他 ー 自作を語る
第二章 あのひと やつし やなあ ー 大阪あれこれ
第三章 半年勉強、半年執筆 ー 私の小説信条
こぼんちゃん ー おわりに
第二章 の大阪女系分布図 (から)
嬢はん、御寮人はん、お家はん(抜粋)
大阪ほど女性の呼 . . . 本文を読む
世界はめまぐるしく変わり、人も国境も動き続けていく。パリでのさまざまな体験が著者を世界の国境へと駆り立てた。イスラエル、パレスチナ、バルト3国……。そこで何を見つめ、何を感じたのか。自分史と重ね合わせて綴るルポルタージュ。~朝日新聞出版
あとがき (抜粋)
プロローグに代えた「廃墟からの旅立ち」は「昭和」という一つの時代が終わったとき、『波』という雑誌に載せたものです。
それから . . . 本文を読む
商品の説明
内容紹介
定年って生前葬だな。
衝撃的なこの一文から本書は始まる。
大手銀行の出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や . . . 本文を読む
【「TRC MARC」の商品解説】兵庫県ってどんな所? 5つの国がひとつの県になったため生まれた、多面性と多様性。ひと言では表現できない兵庫県の魅力を、100の謎と共に紹介する。
【著者紹介】先崎 仁 略歴 パラオ諸島コロール島生まれ、神奈川県出身。経済誌編集部長、産能大学セミナー講師などを経て、ジャーナリスト。著書に「大阪の大疑問」など。
出版社: 神戸新聞総合出版センターから
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今年の1月24日付けの日本経済新聞で知った 鈴木るりかさん(14歳)の小説『さよなら、田中さん』を71歳の小父さんが一気に読んだね。母子家庭で母は建設現場で働く労務者、主人公の田中花実は小学6年生。文字を追っていくと筆者は間違いなくそのような家庭で育っている体験に基づく私小説に思えた。
難しい言葉もたくさん出てくるし、見事に社会を描いている。彼女の経歴や写真をみると、創作であろ . . . 本文を読む
タイトルからつい手に取った本、久しぶりにめちゃくちゃ面白くて一気に読んでしまった。と言うか、小父さんの住んでいた世界にぴったりだったのかも知れない。内館牧子(70歳)さんの本では6年前に読んだ『十二単衣を着た悪魔』 源氏物語異聞も痛快だったね。元横綱審議委員会委員で当時の行儀の悪かった横綱・朝青龍に厳しい批判をしていたが、三菱重工業に勤務して硬式野球部でマネージャーも務めたんだとか . . . 本文を読む
あらすじ
『おもかげ』
忘れなければ、生きていけなかった。
定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。
心揺さぶる、愛と真実の物語。
主人公の竹脇正一は、昭和26(1951)年生まれの65歳。商社マンとして定年を迎えたが、送別会の帰りに地下鉄の車内で倒れ、集中治療室に運びこまれた。
同期入社で今や社長となった堀田憲雄の嘆き、妻・節子や娘婿の大野武志の心配、幼なじみの大工の棟梁・永山徹の思い . . . 本文を読む