鎌倉 浄光明寺 阿弥陀三尊像
『父の詫び状』は作家向田邦子が1978年(昭和53年)に発表した 随筆集。1986年(昭和61年)にドラマ化され、今でも記憶に残る作品。ドラマの主人公(杉浦直樹)と高校生の娘(長谷川真弓)の演技がとても印象的でよかった。
ドラマの父親は昭和の頑固おやじ丸出しで、同居するその母親、妻と子が振り回されるドタバタ劇ではあるものの、父親の心情を察する娘の気持ちの変化をよく捉えたドラマである。
私としては、タイトル『父の詫び状』がとても気に入っている。なぜかと言うと、好き勝手生きてきた自分に反抗することなく生きてきた二人の息子と、育ての親とも言える亡き母に対して詫びたい気持ちが多分にあり、いつか詫び状を書きたいと思っているからである。
このブログでも詫びたい気持ちを時々書き込んだことがあるが、ドラマの父親のように怒ってばかりということはなかったし、息子にしてみれば頼りない父親に見えたかもしれない。しかし、長年別居状態にあった母親とは、孫の世話を一所懸命してくれたのによく衝突した。ドラマで主人公が母親に厳しかったのと変わらない場面もあった。
親父の生き様を息子たちにあまり語ることなく、このまま死んでいってはいけないと思うようになってきた。「ハチの家文学館」の各カテゴリーに、昔の手紙やノートの切れ端などから少年時代からのことを時々書き綴ってきた。特に亡き妻の話になると涙が出てしまうので手紙に書いて残そうと思う。いまのカミサンのことは、息子たち家族の誰もがよくわかってくれているが、父親としてきちんと感謝の気持ちを伝えなければとも思っている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます