静岡県浜松市 摩訶耶寺 千手観音立像 国指定重文
浜松市北部三ケ日町にある摩訶耶寺の仏像を拝観したくなって、兄の車を借りて昨日行って来た。
摩訶耶寺は高野山真言宗のお寺で、726年(神亀3年)行基菩薩によって開創された、静岡県最古の名刹の一つ。ご本尊は、厄除正観世音菩薩で秘仏として祀られている。
平日の雨の中、訪れる人もなく拝観の申し出をして本堂に入らせてもらう。いつもなら一眼レフカメラをリュックに入れているが、ここは以前から撮影禁止と知っていたので、ポケットカメラで境内の石仏群だけ撮ることに決めていた。
本堂脇の宝物殿に安置されている、三体の仏像拝観が目的であったが、全国をまわって仏像写真を撮らせてもらっていることや、仏像写真展を9年前に浜松で開催したこと、今年横浜で仏像写真展を開くことなどをご住職に話したら、なんと特別に撮影していいとおっしゃる。
一瞬狐に包まれたような錯覚に陥ったが、ありがたい気持ちでいっぱいになり、手持ちのポケットカメラで撮影させていただいた。車に戻れば愛用のニコンD800があるが、雨の中少し離れた場所に車を止めてきたため、あまり長い時間ご住職に迷惑をかけてはいけないと、後日あらためて撮影の許可をもらっておいた。
本堂に続く宝物殿に国宝・重文3点(撮影禁止)
不動明王像
平安時代末期の作、国指定重要文化財(大正12年国宝指定)
阿弥陀如来像
平安時代末期の作、県指定重要文化財
千手観音像
藤原時代初期の作、国指定重要文化財(大正4年国宝指定)
本堂の天井図もすごい! 現在の本堂は江戸時代の寛永9年 (1632) に建てられたもので、入母屋造り5間4面、総ケヤキの造作で、格天井には法橋関中の筆になる極彩色の花鳥が配されている。
摩訶耶寺は庭園も有名で、鎌倉時代初期1240年頃に作庭されたものと推定されている。池の地割りや築山構造、石組が美しい。
今回の撮影でうまくプリントできれば、4月の仏像写真展に展示したいと思っている。浜松に帰省の都度、浜松近郊の寺社を訪ねているが、出かける日の朝、兄から「きょうはどこに行くんだ?」と聞かれ、摩訶耶寺をイメージして咄嗟に三ケ日と答えた。
そこでまさかの撮影許可を得られたのは、偶然とは思えない仏のご利益があったからこそである。我が家も摩訶耶寺と同じ高野山真言宗であり、30年通い続ける横浜戸塚の日限地蔵尊も、高野山真言宗である。お大師様のおかげかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます