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横浜市中区寿町にも近い「濡れ地蔵」
4日朝、横浜市中区寿町の簡易宿泊所で起きた火災で2人が死亡、8人が重軽傷を負った。ここは私が6年間調停委員を務めていた家庭裁判所と同じ町で、当時から関心を持っていた所である。ここに住む人がよく利用する「さなぎの食堂」にも何度か行ったことがある。
この地区は60歳以上が7割近くに達し、障害がある人も少なくない。簡易宿泊所を住居として暮らす人が殆どで、ある意味超高齢化社会の縮図とも言える町である。何年か前に川崎の簡易宿泊所でも火災による死傷者が出たことを思い出す。
新聞の記事によれば、横浜市生活支援課寿地区対策担当の話で、簡易宿泊所の宿泊者数は2017年11月1日現在で5728人。このうち60歳以上は3894人(67・9%)、身体障害者数は387人(6・7%)を占める。宿泊者の大半が単身高齢の男性で、8割以上が生活保護を受給するなど「福祉の街」となっている。
以前にもこの寿町の実情に触れたブログ投稿をしたことがあるが、高度成長期の1960年代、日雇い労働者を一時的に受け入れるためにこの地区に簡易宿泊所が相次いで建設された。今はその労働者も高齢化して、生活保護を受けながら寿地区の簡易宿泊所に住み続ける人も多いという。
今回の火災は、数年前に建替えられたバリアフリーの10階建てビルだったが、車椅子の人や障がい者もいて、緊急時に避難誘導が困難な場合もある。今回の場合は火災報知器の音とともに、「5階が火事です」の放送がなされたものの、10人の死傷者が出てしまった。
自分と同じ高齢者問題については、様々な視点でブログにも書いてきたが、こういう悲惨な災害や事件の報道を見聞きするたびに気持ちが暗くなる。貧困問題、病気のことなど枚挙にいとまがない。
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