福岡県前原市 大悲王院 千手観音立像
NHKテレビ「こころの時代」(唯識の科学性)再放送を見る。仏教学者立教大学名誉教授横山紘一氏と、物理学者大栗博司氏との対談がおもしろかった。
仏教的には宇宙のすべてを「こころ」として捉え、カタチは無いという。しかし、科学者は宇宙のすべてを「物質」として捉え実験や数学で解明しようとしているから、カタチがないというのは理解できないという。精神と物質は全く別物で比較のしようがないのかもしれない。
仏教の根本思想と言われる「唯識」。この世のあらゆる存在は、すべて自分の心が作り出したものと捉え、心のありようを変える実践を説くが、私のような凡人には分かりにくいことが多い。
有るモノを無いモノと見る仏教は、執着心を無くすなどという解釈がなされている。我々はモノに囲まれた生活をしており、モノがあるおかげで生きていられる。とくに古代インドにおける宇宙の構成要因である地、水、火、風、空は、人間にとっても不可欠なモノである。
22年前、1年にわたってNHK教育テレビで放送された「こころの時代」を本にした「仏典のことば」上下巻を書棚から引き出す。唯識について纏めた項目はなかったが、仏教はとにかく難しい。
難しい話は専門家にお任せするとして、仏教は慈悲の宗教であるとも言われる。その慈悲を表しているのが仏像で、私の場合は、宗教云々より仏像の姿、眼差しから受ける感動を、「み仏の慈しみと悲しみと」というタイトルで写真と言葉で残したいと、それが私のライフワークになっている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます