朝日記200308 自分史を上梓した明治学院中学校級友・FK君への手紙
傘寿をすぎるとさすがに自分のまとめが気になるころである。今回表題のように古い友人から
自分史が贈られてきた。 同年代の時代証言つまりクロニクラーとしてもみると共感するものがある。礼状を兼ねて感想を書いたのでこの朝日記に掲載するものである。なお、彼の付箋には つぎのことばが添えられてあった、「ネットであなたの「自分史」は私のモチベーションを高めてくれました。ありがとうございました。」
ご参考まで、末尾に 目次を添える。
なお、今日の絵は、「春」。彼の手紙に添えた。
徒然こと 自分史を上梓した明治学院中学校級友・FK君への手紙
FK様
このたびは、「横糸のわざ 信仰と社会のはざまで」を上梓なされお祝い申し上げます。
また、貴書を贈呈くださり、ありがとうございました。
MGM28(中学同期会)として貴兄と同世代を生きてきたものとして、ひとつひとつが自分のときのながれに投影していて、興味深いものであり、文章のながれに身をゆだねさせていただきました。 すぐにお礼をおもいながら、失礼いたしました。
貴兄の名前の由来、そして夫人の御病気のことについてまず、目を止めました。
特に、夫人のご容態快復の由、安堵いたしました。 よろしくお伝えください。
ご立派なキリスト者のご両親のもとに生を受け、その精神のながれのなかで、みずからのキリスト者としての人生をほぼ!貫徹されることになる。筆力の そのひとつひとつが、読者をして、ひき込む魅力をあたえるものであります。
幼少のころから、多分、教会週報などに馴染まれたことでしょう。ひとの集団の粛々にして、よどみない流れを支えることの大切さを学ばれ、それがその後の思考や行動への素養として形成されたのだろうなと思いました。
時代背景や、そのときどきのできごとなど、時空間とそこでのひととの交流が精確で記録性が高いことをそれとなく知ります。そしてさすがであるなあと感心しました。その場での活き活きとした会話を耳にするおもいでした。
*ふたつの疎開のこと
天竜川磐田郡二俣の写真を入れたのはよかったですね。じいっとながめました。そこでの孤独な貴君が、ひさびさに母上との再会する場面はいきいきとした描写です。多分、一生を決めた瞬間のひとつであったであろうとおもいました。
また、花巻への疎開、萬鉄五郎の地 晴山の地のこと 大変でしたね。(そういえばNHKのぶらタモリで、最近、浜松と花巻のなりたちを撮していましたね。)
*空襲下での大八車のこと
地方に近い身寄りがなく、川崎生まれの荒井くんたちも、母と子で四人、鹿島や三浦三崎などを転々としました。 実家の家がB29で焼かれるにいたり、母は、夫と一緒に死ぬのだと川崎にまいもどったことを思い出します。とても勉強どころではなかったですね。
*明治学院中学校のこと
大堀先生は2年C組だったか、そのときの担任です。ご本のあのクラスの写真もよいですね。りっぱな写真屋で、時を経ても色あせしていない。
そう、小川道雄君はたしか1Bで同級であったとおもいます。目がぎょろっとして、特徴的でした。宗教部でも一緒で父上が渋谷の教会の牧師をされていたと記憶しています。ちがうかな? 佐藤泰生先生にたしか、割礼とはなにかを質問されたことを記憶しています。伊藤公一君は1Bと3Dで一緒で、結局生涯の友になっています。 高橋和義君は、3Dで鳥越忠君とも近い存在でした。近くに住んでいることもあり、切れぬ仲ですね。
*貴君の第一銀行時代のことと勤務地での教会とのつながり、クロニクルとして自分のそれと対応させて よくぞやってきたなと、ともどもの思いを交流させていただきました。
1977年にお嬢様を亡くされたこと、大変でしたね。あらためてご冥福を祈るものであります。
*縦と横とは、いみじくも表現されていますね。それぞれの軸になにを選ぶかでそのひと、そのひとの人生となります。 敢えて、人前に目立つことをもとめず、信仰へのたゆみない奉仕と職業人としてたしかな仕事ぶりで、その綾として自身の生きるものの確かさを織りなしてこられたのですね。
*この本のなかでの読者にとって最大のピークは、隅谷三喜男先生との接点であったとおもいます。 貴君が、キリスト者としてのこの巨人をきちんと寄り添って助け、著書を通じて、世にご紹介されたことはおおきなご功績です。先生も感謝されておられるでしょう。
2010年9月でしたか、「キリスト者として生きる」パネルに代田教会に高橋君と出席したことを覚えています。
隅谷先生が満州・昭和製鋼所にて、五味川純平との接触、先生をして小説「人間の条件」の「梶は一%の事実、九九%の理想」と語られたこと。その「梶」を仲代達矢をしてその後の人間を変えてしまうような映画演技に至らしめたことをあらためて、Wikipediaで、きょう当たらせていただきました。
*荒井君の縦糸は、自分で、横糸も自分ということで、なんの素っ気もないのです。父親が、当時、富士電機の労働組合と電気労連の立ち上げきのリーダーであったこと、彼は、多感な息子の育成課程で、社会闘争の環境からの影響にカウンターをとらせることを願ったようです。そして、明治学院でキリスト教に触れさせようとしたようでありました。
教会に通い、宗教部のキャップテンになって、理解未達にしても、聖書や哲学の本をよく読みました。牧師になることをひそかに想像したこともありました。 ところで明治学院の中学の社会科の授業は、大学の先生(高田章先生を覚えています)が教えてくれていたこともあり、そのなかでルネサンスの全人間像に強くひかれたことを記憶しています。敬虔なる信仰と明晰なる理性知といったものの追求する姿にあこがれ、立ち向かうことに思いを馳せました。そういう縦糸と横糸であったかなと自らを振り返ります。そこまで抽象化すれば貴君と像がかさなり、勝手に貴君への思いを馳せたりします。
*FK君、多分、隅谷系のご著書で、もしかしたら先生との交流で緊迫した質疑や議論のやりとりがあったやに想像しますが、いかがでしょうか。そんななかに、貴君のより深い精神や知の葛藤や展開があったのではないかおおもったりします。
その辺を、別な場でもよいですからご披露されることを期待します。それは、貴兄と敬愛する小川牧師、そして なによりも牧師としての父上との精神的包括もしくは相互展開に至るやにおもいますが、。そのような身勝手な思いを抱かせました。
*あまりまとまりのない、また的外れなコメントで、失礼もうしあげましたが、御赦しください。
*コロナウィルスで、いまや国中がモラトリアム状態ですね。国難でもあります。あらためて偉大なる創造主に 平和を祈るおもいであります。
どうか、ご夫妻ご一族に平安がありますよう願い、筆を擱きます。
2020/03/07 MGM28 貴君の友人 荒井康全
2020年1月27日発行 非売品
著者兼発行者 福田佳也
目次;
(手紙にそえた絵 春)
ご無沙汰して居ります。貴君の自分史に私の自分史『横糸のわざ』をお取り上げ下さいまして、有難う御座いました。
昨日は、コロナ・ウイールスのため、躊躇いつつ千歳教会で礼拝を守りました。出席者は少なく、ほぼ全員がマスクをしていました。
昨年の6月以来、あなたの自分史が届かなかったので、案じて居りおりました。今朝ブログを拝見して驚きました。『横糸のわざ』を3回も読んでいただいて、恐縮、感謝します。同年生まれでなくては分からないニュアンスを感じました。熟読の後のコメントは的確で怖い位です。小川道雄君、伊藤公一君からコメントを頂きました。高橋和義君からは数度電話を頂きました。奥様を亡くされて、「やるきゃない!」と生活に励んでいるようで、こちらが却って、パワーを貰っているようです。コロナウイースが消息したら、「MGM28を…」と、言っていました。取り急ぎお礼まで。コロナ・ウイールスにはくれぐれもお気をつけ下さい。後期高齢者ですから。福田佳也
荒井⇒FK氏
福田佳也さん
こんにちは。早速のおことばありがとう。
朝日記の方に勝手に掲載してしまいましたが、御許しをいただいとして
そのまま掲載します。
MGMをまたやりましょう。
和義くんをはげましてあげてください。
コロナウィルスは国難ですね。まずは、これを身の回りで
克服せんとすですね。御大事に。
荒井康全
FK君えのメール中学の時の友達は良いものでね、私も今は二人になってしまった。せいぜい残り時間を大切にしたい思いです。
先日は、自分史のことを朝日記に掲載してくれて、コメントを有難うございました。返事を差し上げようと思いつつ、新コロナ・ウイールス
の情報に追い回され遅くなりました。今日は代田教会では礼拝はいたしますが、昨日、公共交通機関利用者は出席を控えるようとの連絡があり、今日は、自粛しております。お蔭で?貴方に、メールをすることができました。近隣の千歳教会は礼拝を休止しました。礼拝休止は戦後初めてのことでしょう。
貴方にモチベーションを頂き、自分史を刊行して、一番感じたのは、私は日曜学校、小・中・高・大で隅谷先生を始め良き教師、良き友人(無論、荒井さんもその一人)、更に良き職場、先輩・同僚などに出会い、如何に恵まれていたか、に尽きると思います。疎開経験、それに重ねて数度の転校などありましたが、今では、あの時代ではいたしかたなかった、と言えます。80年、信仰と社会のはざまで生きてきて、恵まれたていた、としか、言いようがありません。戦後の悲惨な生活はありましたが、経済成長の恩恵を受け、今は経済は4流国となってしまいましたが、まだ、日本には人間の知的資源、高度の意欲があります。
貴方が宗教部のキャプテンになって、牧師になることをひそかに想像したことなどまったく知りませんでした。
MGMの高橋君、小川君などから、感想を頂きました。1日も早く新コロナ・ウイールスが終息し、お目にかかれるようにと願っています。
これから、 YouTubeで代田教会の礼拝が始まるので、これで、失礼いたします。有難う御座いました。春の大雪になっています。我々高齢者は自他共に健康に注意しましょう。FK
雪の朝、東京では多分 この冬期最初で最後の雪かもしれません。
コロナウィルスが暴走しそうなクリティカルな状況ですが、
こんなときは、この雪は貴重な自分のときを与えてくれています。
貴兄の自分史を拝読するに及んで、自分のときどきをレビューさせて
いただきました。 勝手なことを発言するのも、貴兄のご本からの啓発ということで
感謝しております。 ご容赦ください。
朝日記の最新をふたつお送りします。
アメリカ合衆国を支えるのは、聖書であることを、国難にあるときに自分たちの指導者への
神の加護のあること みなが祈る。そういう空気が生まれていることにこの国がなお偉大であることに
感銘をおぼえました。
わが国難も すぐれて、わが国民の賢さとおもいやりによって、克服できるべく
祈るものであります。
朝日記200338 指導者とともの国難を克服するということ
朝日記200328 ドナ・アシュワースのことば ”歴史は世界が留まったときを
Keep well and safe, Yoshiya kun.
荒井