6. 認知症から脳を守る
「歳をとるにつれ、脳は収縮します。それが少し怖いと思ったら、ウォーキングでその進行を遅らせることができますよ」とバー氏。
「2020年に行われたフロンティア研究では、肥満や過体重の人がウォーキングをしたところ、記憶と情報処理を司る脳の領域(前頭前野と海馬)がそれぞれ大きくなることが示されました。また、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究では、運動が海馬の体積を2%増加させ、加齢による海馬の体積の減少を1〜2年分取り戻せることが示唆されています」
「後ろ向きウォーキングをエクササイズのルーティンに組み込むと、新しいチャレンジに加え、身体的にも精神的にも多くの利点を得られます」とマクナマラ博士。「普段のルーティンに変化を取り入れ、体と心を活動的に維持するための最適な選択肢となりますよ」
「前進歩行と後退歩行の主な違いは、使う筋肉と認知的要求のレベルが異なることです」とマクナマラは説明。「前進歩行では、主に大腿四頭筋や股関節屈筋など体の前方の筋肉を使い、後退歩行では、主に大殿筋やハムストリングスなど体の後方の筋肉を使います」
他の言葉で言い換えるなら、パーソナルトレーナーを付けたり豪華なジムの器具を利用せずとも、後ろ向きに歩くだけで新しい体の動かし方を実践できるということ。また、トレーニングに多様性を加えるとさまざまな筋肉を使うことができるため、トレーニングをするたびに同じ筋肉を使いすぎて怪我をするリスクも防げる。
体重を減らしたい人にとっては、後ろ向きウォーキングは特に有効。研究によると、前方に歩くより後方に歩いたほうが最大で30%もエネルギーを多く消費できる。なぜなら、後ろ向き歩行のほうが労力とエネルギーを使うため、体脂肪率を減らし、心血管の健康を向上するのにも役立つそう。
そして後ろ向きに歩くことの最大のメリットは、誰もがすぐに始められるから、成果も早く得られやすいこと。
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