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サラバ!(中) / 西 加奈子 

2024年05月28日 | 読んだ小説
                    

☆☆
エジプトから帰国して両親は離婚し母子3人になった家族は、母方の祖母や叔母の近くに住んでいた。
しかし、別れた夫に生活費を出してもらって食わせてもらっているだけの母は、いろんな男と恋愛をする
ようになり、姉は中学校へも行かなくなり高校進学もしないで変な宗教の教祖様的存在に祭り上げられ、
歩は、ヤコブの事もサラバもほとんど忘れ、イケメンだから多くの女生徒らにモテながら、サッカー部に
所属していたから学校内カーストでも上位にいた中学生活を満喫していた。

歩の高校時代も、それは大きく変わる事はなかったが、あの阪神淡路大震災が起き、歩は家族から逃れる
ように東京の大学へ行き、更にぬるま湯のような学生生活を送り、姉は宗教から離れ父親の海外転勤に
いっしょに付いてドバイへ行ってしまう。 こうして歩の家族は次第にバラバラになっていった。

いつまで経っても自分勝手で自己中な母、いつまで経っても自己顕示欲が異常に強くて常に人から注目を
浴びて何かに祭り上げられたいイカレた姉、優し過ぎる事が絶対的に罪な父。 そんな家族の中で歩は、
中庸な性格で優柔不断だが一番まともで普通な性格かもしれない。 でも、それだけに芯がなくてあまり
魅力的な人物ではないのだが。 そんな変な家族でも、バラバラになっていく様は寂しくもあった。

終始ゆるーい中高大学生時代や、就職活動もせずに何となく始めたライターの仕事が容易く成功していく
のを描いた中巻は、歩にも歩の家族にも特に何の共感も得られないし、正直そんなに面白くない。


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