ハイエクの基本的な考え方や
その周辺の思想、時代背景、
などについて、面白く読めた。
ただ、ハイエク自身が、
ある意味一貫していなくて、
徐々に考えを変えているせいか、
説明には苦労している感じがする。
余談的なエピソードもかなり多くて、
ちょっと雑駁な感じもした。
個人的に印象的だったのは、
「市場は巨大な分散情報処理装置だ」
という見方。
なるほど・・・
確かに、参加者全員で、
この値段なら買いか?と判断しながら
膨大な物やサービスの「最適価格」を
決めているわけだ。
社会主義経済が資本主義に負けたのは、
その情報処理を中央集権的に行おうとしたためだ、
というのもわかりやすい。
資本主義は、人間の、
より良い生活への欲望を燃料として、
資本-商品-資本のサイクルを回して拡大再生産し、
生産性を上げることで資本を増殖させてゆく。
資本がその力を効率よく発揮するためには、
適切な配分が欠かせない。
その計算をするための情報処理装置として、
自由な市場が使われているのだ。
しかし・・・
資本主義が社会主義に勝って、
資本の自己増殖が完全な善となり、
欧米で金融市場が自由になった結果、
今や、金融資本は超巨大化してしまい、
実体経済を不安定化するようになっている。
小幡さんの言うように、
この「キャンサーキャピタリズム」
は発展段階なのか?
いずれ人類は、問題を克服して、
新しい情報処理メカニズムを打ちたて、
次のステージに上がってゆくのか?
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