日々の寝言~Daily Nonsense~

ミニマックス原理の陥穽

最悪のシナリオでの被害を最小にするのが
ミニマックス原理。

確率的な考え方からすると、
確率の評価や、リスクの推定を無視した
乱暴な行動原理だが、
命の危険が迫っている状況で、
確率を考えていては生き抜けなかったのも
また真実だろう。

だから、人間の脳には、
ミニマックス的な思考が
進化論的に作り込まれているのは
間違いがないと思われる。

しかし、そこまでの問題でなくても
ミニマックス原理を適用してしまう
ことも多い。

特に、コンプライアンス関係の問題に適用されると
わずかな可能性のシナリオを防止するために
多くのリソースが投入されてしまうことにつながる。

もし●●となったときには、
会社の存続にかかわりますよね。

その確率はかなり低いと思うのですが・・・

確率が低くても、起こらないとは言えないですよね。
そのときに責任取れますか?

といった議論をよく聞く。
ある種の悪魔の論法だ。

確率が低いことを証明することもまた、
難しいので、なかなか論破できない。

それに、そういう案件の数が多いと、
個々の確率は低くても、
実際に最悪シナリオのうちの1つが
起こってしまうこともある。

だから、ミニマックスしたほうが
いいのかもしれないのだが、
それで失われるコストが
かなりのものであるのも確かだ。

悩ましいところだ。
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