日本はどうすればいいのだろう?
などと思った。
民主党はもちろんだが、
誰も明確な処方箋を出せていない。
原因はかなりはっきりしていて、
製造業中心のいままでの産業が衰退・空洞化して、
それに代わる新しい産業が生まれていないことだ。
その背景には、古い雇用慣行による
人件費高騰(既得権維持)もある。
内需を増やせと言われても、
新産業が立ち上がらないことには
所得もジリ貧で、内需が増えるわけもない。
日銀がいくらがんばってお金をばら撒いても、
現在の金利状態でデフレなのだから、
これ以上はどうしようもないと思う。
無理にインフレを起こすほうが問題だろう。
というわけで、根本的な問題は
イノベーション不足ということなので、
かなり深刻だ。
市場経済派は、規制緩和、既得権破壊をして、
社会全体でのイノベーションへの意欲を促進し、
新規産業を生み出すべき、という。
これは原理的には正しいと思うし、
小泉-竹中がやろうとしたことだと思うが、
少なくとも当初は既得権層のかなりの痛みを伴う。
新規参入層のリスクを取った人も、
その中で成功できるのは一部だけだ。
お手本となるような成功事例も少なく、
少し目立つと叩かれて
死屍累々ではやる気も出ない。
そもそも教育が旧態依然で、
最近はほんの少しましなところも出始めているが、
全体としては、ベンチャーを立てる
というようなことに全く対応できていない。
というわけで、
小泉改革も結局頓挫して、
今では逆戻りすらしている。
そもそも、新規産業と一口に言うが、
どのあたりを狙うべきなのすら
全くはっきりしていないと思う。
ITサービス関連はWebからクラウドへと発展して
とりあえず Google, IBM 等の
アメリカ勢が勝ってしまった感じがする。
モバイル周辺は少し可能性があるかと思ったが、
結局は iPhone, Android, MS Phone の三つ巴で
終わりそうな雰囲気だ。
サービス産業とも言われているが、
国内で高級サービスを受ける人が少ないのに、
盛り上がるのだろうか?
観光立国も言われているが、
日本の観光資源は、世界的に見て
それほど魅力的には思えない。
(レストランは別として)
金融サービス?
ITの新サービス?
Web3.0?
新素材?
バイオ・医療?
環境?
介護?
どれも、繊維・自動車・半導体のような
単純な話にはなりそうにない。
自動車や半導体も、
最初はアメリカで生まれて、
真似からはじまったのだが、
ITや金融のサービスに関しては
変化のスピードが速すぎて
真似もできていないのが痛い。
本当は、高齢化しているのだから、
世界の発展地域に投資するのをメインな産業に
できればよいのだろうが、
バブルの頃に世界投資で失敗しているし、
老後が不安なこともあり、
投資マインドは低い。
基本的には、世界中に投資マネーは
だぶついていると思うので、
そこでまともに生き残るのも大変そうだ。
これからの20年くらいの間
日本はどうやって食べてゆくべきか?
誰か教えてほしい。
おそらく
「これで10年は日本のかなりの部分が食って行ける」
というようなメインで大組織的なものができるというよりは、
いろいろなところで小さなものがぽこぽこと出る、
という状態になるしかないのだろう。
安定性はないが、逆に言えば、
囲い込まれず、それぞれの特性を
活かせる可能性はある。
過去の安定成長時代の記憶と慣性がまだまだあって、
社会全体としてそういう意識の変革ができていないところが
最大の問題なのかもしれない。
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