「叫び」だけを見て、
あまり好きではなかったのだが、
今回、他の作品を見て、
自分のうかつさを反省するとともに、
もっとちゃんと見たいと思った。
ムンク=「叫び」というイメージ
になってしまっているのは、
かなり不幸なことだと思う。
斉藤環さんも言っていたが、
エロスと死が高度に融合した(と言葉にするとつまらないが)「マドンナ」
遠くて近い男女の得も言われぬ関係を描いた「宇宙での出会い」
未練と諦念が高度に融合した最晩年の自画像
いずれも、自分の複雑な心を解剖して描く、
という路線に沿ったすごい作品だと思う。
正気と狂気の境界にいて、
それをきっちりと絵にしている。
目を描かない、というのが話題になっていたが、
アラタさんが言ったように、描けないのだと思う。
描いてしまえば、それによって一つの印象が決まってしまう。
しかし、ムンクの描きたかったものは、
複雑な心の状態なので、一つの決めることはできなかった
ということではないかなぁ・・・
いつか、ムンク美術館のあるオスロに行ってみたい、
と思った。
* * *
たとえば、「マドンナ」や「宇宙での出会い」を見ると、
やはり、こういうのは人間の心の底深いところに
あるものだと思うのだが、これもまた、
ある時代の産物、なのだろうか・・・
まぁ「恋愛」という言葉自体も、近代のものなので、
そういうものなのかもしれないが。
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