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「社長! その特許出願ちょっと待った!」。「見せない 出さない 話さない」と「身の丈に合った知財戦略」で企業を元気に!

アップル事件にみる「再出願」 個人発明家

2015-02-01 07:07:56 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

昨日、2015年1月31の記事の続きです。

「発明家が異例の勝訴 アップルに賠償命令」なる記事に書かれている「再出願」とは何のことでしょうか。

詳細はこちらです

この出願は、昨日書いたように、「分割出願」です

オリジナルの出願(原出願)の全体には、発明Aと発明B(発明Aと違う内容)が書かれていたとしましょう。

オリジナル出願の出願時には、発明Aについて特許を取ろうとしていました。このアップル事件では、特許請求の範囲に発明Aだけを書き、発明Bは書いてありませんでした。

この分割出願とは、オリジナル出願に書いてあった発明Bを特許請求の範囲に書いた別の出願にすることです。

だから、分割出願では出願日を損しません。オリジナル出願と同じ出願日の出願として審査してもらえるのです。

ここで分かってほしいのは、「後出しじゃんけん」ではない、ということ。

特許請求の範囲には書いてなかったが、オリジナル出願のどこか(明細書、図面)には書いてあった発明を取り出しただけのことなのです。

この分割出願は、記事にあるように再出願という色合いもあるが、知財になじみのない人には、「後出しじゃんけん」と思ってしまいますよね。

私の意図は新聞記事を責めようとすることにあるのではありません。

知財の基本を身に着けると、見える情報が正確なものになるとことをお伝えしたいのです。

経済用語がわかる人とよくわからない人。どちらの人が日経新聞からビジネスの役に立つ情報を手に入れるでしょうか。これと同じです。

今日もお読みいただき有難うございました。

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