「ナイトスクール」
ある朝の休み時間。
「ねぇ八代、あの噂、知ってる?」
「噂?」
「この学校にも七不思議があったんだって」
「七不思議って、あの怪談の?」
「そうそう。」
「へ~。どんなの?」
「まだ一つしか知られてないんだけどね、『夜のプールに現れる女の子』だって」
「・・・なんかしょぼくない?」
「ま、こんなのは暇な男子が考えたんでしょうね。」
「休み時間とかに考えてそうだね」
「ね、確かめてみない?」
「え、いやよ。怖いじゃない。」
「え~、ノリ悪いわねぇ」
「夜の学校なんかに来れますかっての。」
「で、」
「なんで課題を忘れるのかな、アタシは・・・」
期限は明日まで。出せなければ私は留年の可能性が上がってしまう位置にいた。
「あ~もう、ついてない。」
「サッサと帰ろ・・・」
「うう、怖いなぁ・・・」
・・・・・・・・・・・
「あ、あった。」
「さ、帰ろ。」
「あれ・・・」
この学校はプールが真横にある。
私はそのプールの明かりがついているのに気がついた。
「うわ・・・」
もちろん思い出されるのはあの怪談
「・・・行ってみようかな」
「うん、女の子がいるってだけだし。大丈夫かも。」
「明日の話のネタになるでしょ。」
私はそう勇気づけてプールへ向かった
プールのドアの前、
「・・・」
「何か聞こえる・・・」
ドアの奥から何か小さな声。
私はドアノブに手をかけ、そっと中の様子を窺ってみた
すると、中には何人かの女の子たちが話していた。
小学生だろうか。古着のような服を身にまとっていた。
「本当にいる・・・」
そうつぶやいた瞬間、
バッ
と女の子たちが振り向いた。
「!!」
あわてて顔を隠した。
けれど、やっぱり見つかったらしく、一人が近づいてくる足音が聞こえた。
私は恐怖で動けなかった
「おねーちゃん、何してんの?」
気がつくと女の子が前にいた。
まるで明治時代のような服を着て、不思議そうにこちらを見ていた。
「何って・・・あなたたちこそ。」
「私たちは遊んでるだけだよ。」
「・・・お母さんは?」
「おかーさんを待って遊んでるの。」
(お母さんを待ってる?こんなところで?)
そう聞こうとした時、女の子が言った。
「ね、一緒に遊ぼう」
人懐っこい笑みで笑いながら。
しかし、その手は私の腕をがっちりとつかんでいた。
「・・・お母さんが来るまでね。」
中に入るとさらに2人の子がいた。
さっきの女の子が言った。
「左が弥生ちゃんで右が美鈴ちゃん。で、私は桜って言うの」
「あ、私は八代よ。」
そういうと二人がぺこりと頭を下げた。
「皆は姉妹なの?」
「そうだよ。仲良しなんだよ。」
と、桜ちゃんが答えた。
どうやらこの子は明るい子らしい。
「で、何して遊ぶ?」
と、私が聞くと
「かごめかごめ!」
と、桜ちゃんが言った。
「かごめかごめかぁ。懐かしいね。」
「じゃあ、おねーちゃんが真ん中ね!」
桜ちゃんに言われるまま、私はしゃがんで目をつぶった。
真っ暗な中、私は考えていた。
「かーごめ、かごめ」
なぜこの子たちはここにいるのだろうか。
なぜ親はこんなところで待たせているのだろうか。
「かーごの中の鳥は」
そして、あの七不思議
『夜のプールに現れる女の子』
この子たちの事だろうか
「いーついーつ見ーやーる」
だとしたらこの子たちは何?
「つるとカメがすーべった。」
あ、そろそろ終わる。
私は桜ちゃんの声に集中しようとした。
「後ろの正面だあれ?」
足音がとまり、桜ちゃんの声が真ん前に聞こえた。
そして、後ろから背中をたたかれた
「え?」
その瞬間、私はありえないことに気がついた
私を囲んでいるのは3人。
3人が手をつないだら必然的に正三角形になる。
じゃあ、
なぜ前から声が聞こえて後ろから叩かれるの?
その時、後ろから声が聞こえた。
「ウシロノショウメン、ダアレ?」
急に何かに抱きつかれたような感触。
私は、そのまま・・・
昔々、三人の姉妹がいました。
その子たちはとても仲が良く、いつも一緒でした。
でも、ある時、その子たちのお家はとても大きな飢饉のせいで借金を抱えてしまいました。
ある日、ある湖のほとりでお母さんが言います。
「そのうち戻るから、しばらく待ってて。」
そう言い残し、どこかに行ってしまいました。
姉妹はお母さんが来るのをずっと待っていました。
しばらくして、おなかが減って動けなくなり、湖のほとりでしゃがんでいると、
一番上の女の子が歌いだしました。
かごめかごめ
籠の中の鳥は
いついつ見やる
鶴と亀が滑った
後ろの正面だあれ?
三人はそのままいなくなってしまいました。
その地面にはその唄だけがありました。
ある朝の休み時間。
「ねぇ八代、あの噂、知ってる?」
「噂?」
「この学校にも七不思議があったんだって」
「七不思議って、あの怪談の?」
「そうそう。」
「へ~。どんなの?」
「まだ一つしか知られてないんだけどね、『夜のプールに現れる女の子』だって」
「・・・なんかしょぼくない?」
「ま、こんなのは暇な男子が考えたんでしょうね。」
「休み時間とかに考えてそうだね」
「ね、確かめてみない?」
「え、いやよ。怖いじゃない。」
「え~、ノリ悪いわねぇ」
「夜の学校なんかに来れますかっての。」
「で、」
「なんで課題を忘れるのかな、アタシは・・・」
期限は明日まで。出せなければ私は留年の可能性が上がってしまう位置にいた。
「あ~もう、ついてない。」
「サッサと帰ろ・・・」
「うう、怖いなぁ・・・」
・・・・・・・・・・・
「あ、あった。」
「さ、帰ろ。」
「あれ・・・」
この学校はプールが真横にある。
私はそのプールの明かりがついているのに気がついた。
「うわ・・・」
もちろん思い出されるのはあの怪談
「・・・行ってみようかな」
「うん、女の子がいるってだけだし。大丈夫かも。」
「明日の話のネタになるでしょ。」
私はそう勇気づけてプールへ向かった
プールのドアの前、
「・・・」
「何か聞こえる・・・」
ドアの奥から何か小さな声。
私はドアノブに手をかけ、そっと中の様子を窺ってみた
すると、中には何人かの女の子たちが話していた。
小学生だろうか。古着のような服を身にまとっていた。
「本当にいる・・・」
そうつぶやいた瞬間、
バッ
と女の子たちが振り向いた。
「!!」
あわてて顔を隠した。
けれど、やっぱり見つかったらしく、一人が近づいてくる足音が聞こえた。
私は恐怖で動けなかった
「おねーちゃん、何してんの?」
気がつくと女の子が前にいた。
まるで明治時代のような服を着て、不思議そうにこちらを見ていた。
「何って・・・あなたたちこそ。」
「私たちは遊んでるだけだよ。」
「・・・お母さんは?」
「おかーさんを待って遊んでるの。」
(お母さんを待ってる?こんなところで?)
そう聞こうとした時、女の子が言った。
「ね、一緒に遊ぼう」
人懐っこい笑みで笑いながら。
しかし、その手は私の腕をがっちりとつかんでいた。
「・・・お母さんが来るまでね。」
中に入るとさらに2人の子がいた。
さっきの女の子が言った。
「左が弥生ちゃんで右が美鈴ちゃん。で、私は桜って言うの」
「あ、私は八代よ。」
そういうと二人がぺこりと頭を下げた。
「皆は姉妹なの?」
「そうだよ。仲良しなんだよ。」
と、桜ちゃんが答えた。
どうやらこの子は明るい子らしい。
「で、何して遊ぶ?」
と、私が聞くと
「かごめかごめ!」
と、桜ちゃんが言った。
「かごめかごめかぁ。懐かしいね。」
「じゃあ、おねーちゃんが真ん中ね!」
桜ちゃんに言われるまま、私はしゃがんで目をつぶった。
真っ暗な中、私は考えていた。
「かーごめ、かごめ」
なぜこの子たちはここにいるのだろうか。
なぜ親はこんなところで待たせているのだろうか。
「かーごの中の鳥は」
そして、あの七不思議
『夜のプールに現れる女の子』
この子たちの事だろうか
「いーついーつ見ーやーる」
だとしたらこの子たちは何?
「つるとカメがすーべった。」
あ、そろそろ終わる。
私は桜ちゃんの声に集中しようとした。
「後ろの正面だあれ?」
足音がとまり、桜ちゃんの声が真ん前に聞こえた。
そして、後ろから背中をたたかれた
「え?」
その瞬間、私はありえないことに気がついた
私を囲んでいるのは3人。
3人が手をつないだら必然的に正三角形になる。
じゃあ、
なぜ前から声が聞こえて後ろから叩かれるの?
その時、後ろから声が聞こえた。
「ウシロノショウメン、ダアレ?」
急に何かに抱きつかれたような感触。
私は、そのまま・・・
昔々、三人の姉妹がいました。
その子たちはとても仲が良く、いつも一緒でした。
でも、ある時、その子たちのお家はとても大きな飢饉のせいで借金を抱えてしまいました。
ある日、ある湖のほとりでお母さんが言います。
「そのうち戻るから、しばらく待ってて。」
そう言い残し、どこかに行ってしまいました。
姉妹はお母さんが来るのをずっと待っていました。
しばらくして、おなかが減って動けなくなり、湖のほとりでしゃがんでいると、
一番上の女の子が歌いだしました。
かごめかごめ
籠の中の鳥は
いついつ見やる
鶴と亀が滑った
後ろの正面だあれ?
三人はそのままいなくなってしまいました。
その地面にはその唄だけがありました。
誰だ?
だからルールも曖昧
元々かごめかごめは人さらいの唄だっていう噂を聞いて考えたものです
続編は~あるかも
ただずっとダーク系だと嫌われるかもしれない
今度は明るい話にするかも