通訳案内士のブログ

インド人考

先日学んだ(暗記した)英単語
”haggle”

意味は
“to calmly argue with someone over the price of something”
(物の値段について誰かと「穏やかに」揉める)
で、synonym(同義語)に”bargain”がありました。



“bargain”は日本語でも「バーゲン」として定着して馴染み深い言葉。日本語では名詞として使われる一方、英語では動詞でも使われます。



今回”bargain”という単語に久しぶりに接し、通訳ガイドをやっていた頃の事を思い出しました。

“Can I bargain here?”
“What if I bargain for them?”
“Is it rude if I bargain?”
など

浅草寺の仲見世通りをお客さんと歩いていると、こんなことを良く聞かれました。本当によく聞かれました。2回に一回は聞かれた感覚。




いつぞやの仲見世通り



お買い物好きなフィリピン人やフィリピン系アメリカ人のお客さんが多かったですかね、こういったことを聞いてきたのは。傾向として英語圏の白人の方はあまり仲見世のような土産屋での買い物には興味はないようでした(出張で日本を訪れている人で週末にツアーに参加するような方の中にはご家族用にお土産を買われる人は結構いました)。



値段交渉で有名なインド人のお客さんからは意外にもそんな質問は出てこなかったと記憶しています。
(以下は半分ネタに聞こえるかも知れませんがほぼ事実)
彼らはそんなことを確かめなくてもどこでも値切るのでそもそも聞いてこない
多分、銀座の三越へ行っても取り敢えず値切るはず。
私自身も当日払いのツアー代金を値切ってきた人に何度も何度も遭遇しました。




何年か前の某旅行団体のセミナーに参加した時に配布された資料。大袈裟でなく、インドの方をお客様として、また、ビジネスの相手として接しなければならない時、最初は誰もが「圧倒」されると思います。

●日本人が考える「ここまでしたのだから当然〇〇だろう」というロジックは通用しない
●インド人は自分の要求を叶えるためには、たやすく諦めない。
●時間をかけることは厭わず、多方面から説得にかかる。

この3点は特に重要な点だと、自身の経験と照らし合わせ今でも心に刻んでいます。



同僚の通訳案内士の中にはインドの方にとても苦手意識を持っている人が多いですが、そういうものなんだと理解した上で、(気長に)接していくと、彼らの良い所ばかりが浮かび上がってきます。そして実は日本人にとって、とても付き合いやすい人達だということが分かってくるのです(私は新人の頃、インドの方が嫌で嫌で堪らない時期がありましたが、いつの間にかとても親しみが持てるようになった)。



追記
過去ブログの倉庫を探したら同じようなインド人のお客さんについて書いた記事が出てきました




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