朝、出勤前にコーヒーを2杯は飲みます。ここのところの寒さもあって、自転車で通勤途中にどうしても我慢できなくなる時があります。写真は今朝寄った、飯倉片町交差点近くにあるトイレ。「公衆便所」という表記を久々に見たような気がしました。しかもここには男女の区切りも表記もないのでおそらく「男女兼用」。女性にしてみたら絶対使いたくないでしょうね。それにしても港区にこんな「昭和」な所が残っているなんて驚きです。
ずっと前に通訳ガイドの仕事をやっていた時に知ったトイレにまつわる話を書いたことがあります。
↓その時の記事
記事に英語ではトイレやトイレでする行為、その他名称に関する表現、言葉は直接的すぎるものは避け、婉曲的なものが多いと書きました。日本語でも「化粧室」や「お手洗い」などがコレに当てはまります。
ところが「便所」という表現は超「ド直球」。なにせ「便をする(出す)所」ですからね。
因みに便に相当する英語は"feces"か"stools"が適当ですかね。
The term “feces” is the most polite way to say poop. Doctors tend to use “stools” as a medical term.
"poop"は日本語だともう少しかわいい(?)呼び方、あの単語に相当します。昔、アメリカ人の友達が「カッカ(kaka/kakka)」と呼んでいたのを思い出しました。調べたら英語ではなく他の言語圏でよく使われる単語なんだそうです。そのアメリカ人が日常的に使っていた位なので英語圏でも知られている言葉なのでしょう。
ちなみに便所を無理やり英語にするなら
"Feces Room"
が適当かな?
昔書いたかもしれませんが、通訳案内士時代、バスの道中でトイレ絡みの緊急事態に何度も遭遇したことがありました。特に富士箱根観光はバスの乗車時間が長い上、朝早い出発のため、お客さんがどうしても我慢できない状況に陥ることは個人的にも本当に理解できます。
45人か49人乗りの大型バスでほぼ満席で出発して、ガイドの私がマイクで熱く観光案内や日本文化の説明をしている最中に「トイレに行きたい!」と訴えるのは考えただけでも勇気がいることです。そして思うにその時点でそのお客さんはもう「我慢の限界」にきているはずなんですよ。
そんな時、ガイドにできることは、すぐにお客さんの元へ駆け寄り、周りにあまり悟られないよう小声で何が起こったのか尋ねます。そしてそれが「トイレ」だった場合、「何とかすぐに止まれるよう運転手に頼む」と伝えます。例え次の出口やRest Areaが遥か先でも精神的な安心感にはつながるはずです。
あと私の場合、相手が男性なら緊急具合と排出対象が「大」か「小」かを聞きます。こんな時に便利な言葉があって
"No.1 or 2? (number one or two?)"
と、ほとんど声に出さず口を形つくり、指でジェスチャーしたり、耳元で囁くように聞きます(因みにNo.1が「小」。No.2が「大」)。
しかしガイドと運転手さんの奮闘むなしく(一番奮闘しているのはお客さん本人なのは言うまでもありません)、間に合わなかった時も数回ありました(記憶に間違いなければNo.1が一回、No.2が二回。吐いてしまったことは数知れず)。
こんな時にいかに冷静に、そして本人の尊厳を保ちつつ、さらに他のお客さんに不快な思いをさせない行動、立ち振る舞いがガイドとして求められます。通訳案内士にとってはどんなに上手な英語で事象を説明できることより重要なことだと私は信じています。
来週金曜日(2月4日)が2021年度の全国通訳案内士二次試験の合格発表ですね!受験生の方の合格をお祈りしています。そして春は無理でも今年こそは仕事ができるようになることを一緒に祈りましょう!