Salsa する?

Salsaの力を信じてます。
ココロの核にしみ込んで、カラダの芯が躍動します。

カトリーヌ・ドヌーブ 映画「ルージュの手紙」と暴走する?樹木希林さん&「ミス・ブルターニュの恋」

2018-10-29 18:16:29 | 映画

カトリーヌ・ドヌーブの最高傑作は、「シェルブールの雨傘」だ。
21歳のドヌーブは、ただただ見惚れるほどの見事な美しさ。
欠点のないお人形的な美は、
逆に、美しい女の持つ独特な強さ、そして浅はかな女の思惑を引き立たせていた。

それなのに、女優としては大根的なイメージを拭えなかった。

そして54年たった今、ドヌーブは現役バリバリの大女優に。
70代の彼女の映画は、どの女優にもない孤高感と熟れてる感じ。。
そして最近の彼女の映画を観てからは、
ワタシの生活に、ドヌーブ現象がジワジワ浸食している真最中でもある。
75歳にして、圧巻の花を咲かせている女優だと思う。


◆映画「ルージュの手紙」◆

失踪した元継母ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーブ)と義理の娘クレール(カトリーヌ・フロ)が
30年ぶりに再会するところから始まる。
ベアトリスは脳腫瘍を抱え、
最期の時間を人生で一番愛したクレールの父親と一緒に居たいと願った。
だが、ベアトリスが失踪した直後、クレールの父親は悲嘆にくれ自死。

ベアトリスは義理の娘クレールに詫びるも、二人の性格は水と油。
そして、クレールは関わりたくないと思いながら、
徐々に継母ベアトリスに振り回され、ほおっておけず共に生活するようになる。

文字に書くと、あるかもねぇ…みたいなストーリー。
で、、
ドヌーブは、どちらかと云うと喜怒哀楽の豊かな表情ではない女優。
いつも冷静沈着で、煙草を吸う仕草や目線、歩き方で<心の振れ>を表現するタイプ。
平板なストーリーは、ドヌーブの言葉じゃなく、空気感が全てを動かしていた。

クソ真面目なクレールが、
猫のように気まぐれで、何を考えてるか分からない、
勝手気ままだが、女気は強く、常に孤高なベアトリスに魅かれていく。

そうこう観ていくうちに、最後のシナリオが分かってくる。
この映画の凄さは、分かってても驚いてしまうラストシーンの不可解さにある。
ドヌーブの全身から発するモノが、このストーリーを深く静かに終わらせている。

でね、
ワタシがドヌーブの凄味を感じたシーンに、同じように共感した大物女優がいらした。
樹木希林さんだ。
ベアトリスは流れ者のような自由な生活をし、食べるモノは好きなモノしか食べない。
身体を気遣う生活とは無縁、、
そして余命を宣告されても、ベアトリスは全く意に介しなかった。
ベアトリスの人生そのものが、豊満な肉体に表れていたと思う。。
ドヌーブじゃなきゃ、絶対出来ない映画だと確信して言える。

そういう分かりづらい部分を、ズバッと切り込んでいったのが樹木希林さんだった。
正直、、
この動画はビックリした。
だが、希林さんの言わんとする芯の部分は、正にその言葉通り。
チョットあがってるのか?それとも樹木希林流の言葉なのか?
ドヌーブ様と樹木希林の対談は、世界のドヌーブ様を困惑させ、
希林さん大暴走で終わった。

とてもとても面白く、希林さんのベアトリス論と共感出来たことが、
たまらなく嬉しかった‥‥
↓目が泳ぐドヌーブ様とぶっちぎりの希林さんが噛み合わない7分間をどうぞ🎵
カトリーヌ・ドヌーブさんと樹木希林さんの対談

◆映画「ミス・ブルターニュの恋」◆

この映画は残念ながら、日本では公開されなかった。
が、今年やっとネットで観ることが出来た映画。


女盛りを過ぎたレストランのオーナーが、ドヌーブ。
不倫関係の恋人に若い愛人が出来、捨てられ、レストランは経営不振で倒産寸前。
年老いた母の面倒も看なければいけない。

人生下り坂の底辺に来てしまった女。
女は昔、ミス・ブルターニュに選ばれた美女。

レストランの営業中に、フラリと飛び出してしまう所から物語が始まる。

行きずりの若い男と、一夜を共にし、
男が
「あんた 昔は相当綺麗だったんだろうなぁ・・・
もうちょっと痩せたほうがイイよ」と。。

女は目的もなく車を走らせ、煙草を吸い続ける。
そんな中で、一人のいけ好かない男と出合うのだが、それが運命の出会いだった。

ドヌーブの映画は、女の哀しさや強さが多く、ハッピーなものがない。
が、
「ミス・ブルターニュの恋」は、珍しく
生きてりゃ、イイこともあるさ!!!だった。

天下のドヌーブを散々いたぶり続けた映画だったが、〆はハッピーという意外な展開。

観てて感じたのは、
「ミス・ブルターニュの恋」はドヌーブじゃなきゃ出来ない映画だということ。

新作映画の度に、ドヌーブは太っていくが、オバサン臭くなく、カサブランカのように艶やか。
内なるモノをいつも磨き続けてる人とは、浮世離れした佇まいなんだなぁ。。と。

来年、
あの、あの!是枝裕和監督の映画が公開される。
その主演はカトリーヌ・ドヌーブ。
「ルージュの手紙」を超えるかが、楽しみなのよ~

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ドラマ「グレイス&フランキー」 薔薇の日々を抱えるジェーン・フォンダさま

2018-10-16 15:23:06 | 映画


今年の8月下旬、自宅療養の身となり一番辛かったのは、
集中する力がないことだった。
面白い!とかソソラレルとか、バカバカしい笑いがないのは、
身体にとって痛恨の極みだった。

ベットで本を読むのも良いが、体力が落ちる。
なんとか起きる生活を試みようと、とにかく集中出来ることを始めた。
それが奇想天外のバカバカしい「ドラマ」。

あらすじを読むと、あらま!?
アメリカだから出来るドラマ「グレイス&フランキー」だった。

◆華麗なるジェーン・フォンダ◆

グレイス(ジェーン・フォンダ)とフランキーの夫二人は、弁護士事務所の共同経営者。
夫たちは20年間、妻を騙しながら愛し合う恋人同士だった。
彼らは結婚を望み、長年連れ添った70歳の妻たちと離婚。
あまりにもスキャンダラスな事実は地域の晒し者になるため、
妻たちは人目を避け、別荘のボートハウスで共同生活を始める。
水と油だった元妻二人が、徐々に哀しみや老い、そして希望を共感していく。

ビジネスウーマンのグレイスの商才と型にハマらない芸術家のフランキーは、
中高年女性のための凄いバイブレーターを作り出す。
だが予想以上に、老若問わず人気の商品となる。
そしてグレイスとフランキーは、自分の運命を切り開く出会いに巡り合う。

このドラマはコメディタッチだが、
ゲイとか高齢者の性に対し、
オープンで成熟されたアメリカ社会を描いていて、不快感ゼロ。

成熟した考え方という点では、日本はとても生きづらい、、と思えたドラマだった。


左/大女優ジョーンフォンダさま80歳。

ジェーンはもうすぐ81歳になるが、
すっぴんを公開したりと、老いにこだわってないことが驚きだった。
彼女の老いに対しての潔さは、美しいメイクとオシャレに表れている。

驚異のスタイルと美貌、ジェーンの華麗な佇まいは、アメリカでも注目の的。
常にピンヒールを履き、やれることは一人でやる体力も凄い。
世界のカメラマンたちも思わずシャッターを切るほどだ!

常々思うのは、
お洒落には、自分自身を救済する強い力がある。

歳を重ね、苦心してメイクし、着飾ると云うことは、

勇気を出すエネルギーになったり、

ナニカを生み出すための想像力を触発したり、

生きている証じゃないかと思う。


「グレイス&フランキー」はまだ続行中。
シーズン4に入り、ワタシの不安定な脳みそに十分な刺激と集中力を齎した。。
立ってるのがままならない時、
沢山の苦笑とおかしみ、バカバカしさの中にある真実は、
折れた気持ちをそそらせてくれ、脳内リハビリになった。

そして昨日
<Salsaする?>の原点になった親友が、電車を乗り継ぎ、急遽会いに来てくれた。
「自宅療養中とは思えないほど 元気そう!!
 今度は一緒に散歩しよう🎵」と、彼女がノタマッタ。
この二カ月の「グレイス&フランキー」作戦は、
脚本・台詞全てセンス良しで大正解だった。

アラン・ドロンやロバート・レッドフォードの引退が続く中、
ジェーン・フォンダが今なお薔薇の日々を続行中デス。



**返信デス**

癒し猫さんへ

 (*‘ω‘ *)
 言葉を戴くだけで、勇気になりした。。
 
 ありがとう!!感謝デス♡
  

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ソマリアの応仁の乱 三幕目/米映画「ブラックホークダウン」

2018-06-23 10:21:13 | 映画

帯表紙はアメリカの武装ヘリ<ブラックホークダウン>を、
ソマリア民兵がロケットランチャーで撃墜させるシーン。

南部ソマリアの実態を描いた映画の三幕目は「ブラックホークダウン」。
ソマリアの闇の世界が映し出されている映画は、世界でたったの三本。

なぜか?
ソマリアに入り、外国人が取材することは不可能。
世界中のメディアも、現地のカメラマンに委託せざる得ない状況。
と、
本当のソマリアの内情を知らないので作れない、、という背景がある。

ソマリアを描いた映画は、どれも陰惨で、しかも真っ黒な怖さがある。
その中でも、さっぱり訳が分からなかったのが「ブラックホークダウン」だった。
**クリックで予告編が観れます。どうぞ🎵**


ちんぷんかんぷんの映画は、こんな感じだった。

南部ソマリアの氏族同志の権力争いから、市民の大量虐殺と略奪、レイプが横行。
二年経っても、その状況はますます酷くなるばかり。

1993年
世界の警察を自負するアメリカが、ソマリアへ乗り込んできた。

アメリカ最強の地上部隊が、
武装ヘリブラックホークで首都モガディショに突入。
極秘に開かれる話し合いの場所で、
和平に応じないボスのアイディードを捕獲する、、という内容。
この任務は最強地上部隊にとっては、一時間で処理されるはずだった。

だが
蓋を開けてみると、何千人の民兵が待ち伏せしていた。
アメリカ軍は袋のネズミ状態に追い込まれボロボロに。
正義を背負った優秀なパイロットやエリート兵士100人のうち19人が死亡。
ソマリア人民兵は1000人以上死亡。
観終わって、コレは正義なのか、、全く分からなくなるほどの凄惨さだった。

結局、アメリカは撤退し、以後ソマリアには介入しなくなった。
意味も分からず、チャンチャンで終わったはずが、、
またもや、デンジャラス作家高野秀行氏「謎の独立国家ソマリランド」で
映画に描かれなかった裏事情とその後を知った。


◇ブラックホークダウンのもっと数奇な裏の真実、、◇

日本の戦争マニアの間でも
<ブラックホークダウンごっこ>なるモノがあるほど、人気の映画だと知った。

旧ソマリアの首都モガディショで起きたアメリカ軍の大惨事が、
延々と繰り広げられる。

内戦の前は、
アフリカのローマと云われるほど豊かな文化と白く美しい建造物で埋め尽くされていた。
資源も豊富で、
イタリアの支配下の影響を強く受けた美しい首都が、モガディショだった。
それが今もエンドレスな内戦で、次々と政権らしいものが変わると、
白く美しい建造物は、銃弾の穴で見る影もなくボロボロ。

映画は内戦が始まって二年。
アメリカ軍がなんとか収めようと入ったが、
実は、極秘ミッションはアイディード側には駄々洩れだった。

多分
アメリカには人種の違いは理解出来ても、氏族という濃い血縁関係の絆は想定外。
ソマリアの氏族は、
冠婚葬祭・損害賠償・就職・海賊などの利益の分配など氏族内で全て行う。

アメリカ軍に雇われたソマリ人の内偵者たちから、
アイディード側に情報は逐一流れていた。
その結果が
アメリカ軍のエリート地上部隊100人は、何千人もの民兵に取り囲まれ大惨事に。

高野秀行「謎の独立国家ソマリランド」の取材では、
地上部隊の通信兵にアイディードの子息が従事していた。
つまり
敵方の親分アイディードとアメリカ人として兵役についていた息子。
親子が敵味方になり、闘っていたことになる。

なぜそうなったのか、、、、

南部ソマリアのバーレ政権がアイディードを追いやった時に、
彼は家族を安全なアメリカへ移住させた。
皮肉なことに
アイディードの息子はアメリカ国民としてのびのび育ち、兵役に就いていた。

数奇な運命としか言いようがないが、真実はもっと数奇なベクトルへ進む、、

結局、アイディードはアメリカ軍に殺害されなかった。

その二年後、内戦で死亡。

アメリカ国民の息子が南部ソマリアに呼び寄せられ、
父アイディードの跡目を継ぎ内戦に加わる。

映画の外側には、こんな事実があり驚くばかりだった。


そして高野氏の取材は2012年で一旦終了。
その後も南部ソマリアに取材に行くが、殺されそうになりながら無事に帰国している。

現在、
南部ソマリアの内戦は28年目に突入。。。。
誰も止められないエンドレスな戦争が続いている。


高野氏が書いた「謎の独立国家ソマリランド」は、まさに悪女そのもの。
あまりの情報量にうんざり・・・したはずが、
映画を観る度に、砂漠のような情報量を読み返す羽目に。
まるで、悪い女の正体が分からず、振り回されっぱなしのダメ男のよう。

だが、
「デザート・フラワー」「キャプテン・フィリップス」「ブラックホークダウン」を観たら、、
頭の中のグチャグチャな配線が、
あれっ!?
コレ、、そういう事かぁーーーーー!とシュルシュルと解けていった。

その中で一番強く残ったソマリ人の言葉があった。

戦争のやり方を知らない者は、戦争の止め方も知らない。。

そうなんだ。。と深く頷いたが、それも釈然としないマヤカシだと・・・

こういう映画の意味は、
武器を持ち闘うことの闇を知ることの方が大事だと思う。。。。


ガラッと変わりますが、
ソマリアで覚醒植物カートを嬉しそうに抱えてる高野秀行氏のショットです(苦笑)
カート宴会で多くのソマリ人の本音と建前を聴いた高野氏。
あっぱれです!!!



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ソマリアの海賊、、二幕目/ 米映画「キャプテン・フィリップス」

2018-06-07 16:40:36 | 映画



世界中の内戦や戦争は、宗教や民族間の争いだったり、、
でも、、ワタシにはさっぱり分からない。
日本のように海の真ん中にポツンとあれば純血種であり、
ピリピリ感を味わう国境線もない、のほほ~んとしたプチ鎖国状態。
なんとなく観ていたソマリアが舞台の映画も、
どちらが真か、正義なのか、全く分からず終い。

それがデンジャラスCrazy作家/高野秀行氏の本にハマり、
うっかり買ったのが「謎の独立国家ソマリランド」。
何度も挫折しながら放置、、
本を読めども読めども増殖するモヤモヤが、
「オッ? これか!!」と解ったのが、実は映画だった。

映画は世界中で作られているが、ソマリアに関する映画は三作品だけ。
前回の「デザート・フラワー」は南部ソマリアの実話。。
今回はど真ん中の一応<プントランド>という国の海賊の実話。

カリブ海の海賊のような、華やかで立派な船は出てこない。
しょぼいボロボロの木の葉のようなボートに、高速モーターを二台。
こんなのが要塞のようなタンカーを襲える、、とは270%思えない光景だった。

タンカーが水を放出し近寄らせないようにしても、この通り。
金属の梯子が船に架かったらアウト!!
あっという間に、僅か数人の海賊に占拠されてしまう。

アフリカの角と呼ばれるソマリアの海域は、今も世界中のタンカーが襲われている。



◇アメリカ映画「キャプテン・フィリップス」◇



アメリカの大型船の船長フィリップスは、海賊地域を護衛艦無しで航行を決断。
ソマリアの海賊の恐ろしさを知る乗組員は、
「話が違う!!!」と船長に抗議。
だが
船長は燃料と時間の節約のため、船会社の利益を優先した。

そして皮肉にも、この大きな事件の発端になった。

「キャプテン・フィリップス」は息もつかせぬほどの緊迫感。
アメリカ海軍の総力挙げての包囲網と海賊4人と人質のフィリップス艦長。
4人の海賊の内、一人は初めて海賊に加わった15歳の少年だった。

映画には
ソマリア人の気の荒さや
何度も拿捕に成功しているのに、豊かさを感じられない空気感が漂う。
そしてアメリカの大艦隊と敵対しながら、
多幸感を感じる<カート>を絶えず噛んでいる海賊。

もしソマリアへ拿捕された場合、多くの船会社や政府は多額のお金を払わざる得ない。
持久戦の末、海賊のリーダーを騙し確保、フィリップス船長以外は射殺された。

皮肉にも
フィリップス船長たちの乗る船は、海賊たちにとってはお金にならない積荷だった。
海賊が狙うのは人ではなく、積荷。。
この映画の中でも、
海賊は石油じゃないと分かっても、手ぶらで帰れない・・・と二度も襲う。

やせ細った海賊たちの中に、ソマリアの深い闇を見た気がした。
生き残った海賊のリーダーは、アメリカの刑務所で33年の刑で服役中だという。

◇プントランドが海賊国家になった理由。。◇

一方、プントランドの海賊は、
海賊の発注がかかると、海岸に集まり各々が海賊の手配師にアピール。
選ばれた数名が同じ船に、武器と食料・水・覚醒植物カートの葉っぱを持ち込む。

プントランドの海賊船にはレーダーもないため、タンカーを求めて一カ月も漂うことも。
乗組員の日給と武器調達費用・食料諸々かかるが、
タンカーを拿捕すれば少なくても数千万、または億単位の身代金が入る。
諸経費を差し引いても、
外貨ドルがプントランドに静かに、そして潤沢に流れる。

海賊たちはもともと漁師。
ラクダ何十頭で物事の清算を行うソマリアでは、遊牧民はナンバー1。
ラクダを持たない漁師は、どうでもよい存在だった。

嫁も来ない、家もない、金もないのが漁師。
それに輪をかけるように、ソマリア海域に外国船が漁場としてやって来た。
漁師たちは行き場を失い、海賊になった。。という。


実は
命を賭けた海賊たちは、誰が雇い主か全く知らない。

海賊は依頼があれば、
日当・斡旋料・諸経費に、
拿捕が成功すると、
仲介者への料金
通訳代
氏族の長老や有力者に売り上げの40%が支払われる。

全てがビジネスライクに行われ、プントランドは海賊の経済効果が大きい。。
こういう背景からか、
政府が海賊を禁止することもなく、海賊は産業と化した。


海賊以外は怖くないか、、と云うと
陸は、もっと怖い。

外国人は護衛を何人もつけないと歩けない。
もし一人で居たら、5分も立っていられることはない。
外国人はむしり取られるカモ葱だからだ。

*参考文献:高野秀行「謎の独立国家ソマリランド」より*


プントランドの海賊は、実は日本だって関係している。
私たちが食べる魚や寿司のため、ソマリア海域で獲ってくる。

遠い国の乱暴な話は、私達も加担していた。。。。。


**返信デス**

のらニャーさんへ

ワリス・ディリーさんの国連での活動は、
アフリカだけではなく、他の国でも割礼禁止に。

でも一番驚かされたのは、
ワリスさんを一番非難したのはソマリアの人でした。
コメントありがとうございます<(_ _)>


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ソマリアの業、、一幕目/ 映画「デザートフラワー」

2018-05-24 11:36:11 | 映画


世界に類を見ないソマリアの内戦。

氏族間の内戦を早々に終わらせたのが、北部のソマリランド。

資源がない中央は、
漁師が多かったため海賊天国になり、プントランドと名乗った。

そして資源も土地も肥沃な南部は奪い合いとなり、
超デンジャラスな南部ソマリアに。

この三国に分断される前から、
ソマリアには従わなければならない闇があった。


その闇を世界に発信し告発したのが、
ソマリア出身の超スーパーモデル<ワリス・ディリー>だった。
モデルとして世界トップクラスにいたワリスが書いた「砂漠の女ディリー」。

ワリスの魂と人生を賭けた衝撃的な告白、、
そして
本の出版から10年後、この実話は映画になる。


◇映画「デザートフラワー」◇

この映画を観るまで、ソマリアの事はどこか遠くに置き去りにしていた。
氏族の力関係と欲が絡んだエンドレスの内乱。
圧倒的な武力で臨んだアメリカですら凄まじい反撃に撤退してしまう。
そこは
平和で安全な暮らしなどなく、
武力と力を誇示する男社会で成り立っている、、南部ソマリア。
男社会の仕組みにとって、女・子供・年寄りの命はモノ同然だともいえる。


主人公のワリスは、
首都モガディショから砂漠を抜けた荒野で暮らす遊牧民として生まれる。

旧ソマリアでは当たり前に行われていた儀式「割礼」。

幼い子供の陰部を切り取り、
医師の資格もない、そこらの婆さまが麻酔なしで行い縫合する。
凄まじい痛みと出血で、そのまま息絶える子供もいる。
切り取られた部分は、当たり前のように鳥がついばむ。
そして
縫合された部分は、結婚する相手が糸を開くまで閉じたまま。
不衛生で、病気で亡くなることも。

少女たちの結婚相手は、物品とラクダで結婚する少女を親から買う。
少女たちは、見ず知らずの相手と結婚し何番目かの妻になり、
そのまま意思も尊厳もない世界で、一生過ごすという。

もし少女が割礼をしてない場合は、もっと悲惨な現実に直面する。
少女は結婚出来ず、一生娼婦と同じ扱いを受け続ける。

13歳のワリスは婚礼前夜に砂漠に渡り切り、
祖母のいる遠い首都モガディショに逃げ込む。
強運だったのは、祖母が親元へ送り返されなかったこと。
そして
祖母のツテでイギリスのソマリア大使館のメイドとしてイギリスに。

その6年後
ソマリアの内乱が始り大使館は閉鎖、ワリスはホームレス同然の生活を送る。


ワリスの美貌は更なる強運を呼びこみ、
瞬く間にトップモデルへと駆け上がっていく。

その一方で、
ワリスの妹たちは、一人は割礼による出血多量で死亡。
もう一人はお産の時、割礼の後遺症で亡くなる。
ワリス自身も割礼の後遺症で苦しみ、精神的に男性と向き合えない状態だった。

それはトップモデルになり、人並以上の暮らしになっても同じだった。

彼女は
全世界に自分の過酷な体験と
今も尊厳のない世界で暮らす女性たちのために動き出した。

雑誌にカミングアウトし、一冊の本を書く。

彼女は国連で特別大使に就き、
ソマリアの女性たちのために<割礼廃止>を訴え続けた。

その活動の成果はめざましく、
30か国で行われている「割礼」は、徐々になくなりつつある。

女性の「割礼」は主にアフリカに集中。
植民地支配の激しかった時代、純潔を守るための手段だったともいわれている。
が、、
ソマリアの男尊女卑の激しさはとんでもなく、
女性にはノーと言う術もチャンスもなかった。

ワリスのように、
命からがら砂漠を越え生き延びれたのは奇跡と云える。

映画は、現在と少女時代の回想が交互に出てくる。

重いテーマだが、
ワリスが上り詰めていく姿を応援し続ける友人たち。
強欲なアパートの家主がワリスの多額の保釈金払ったり、
尻軽なアルバイト店員だが、ワリスを妹のように思う気持ちだったり。

人から愛を受け、ワリスは立ち向かう勇気と覚悟をした。
ワリス・ディリーの行動は、何百万人の女性を救った。

祖国ソマリアでは、未だ報われていない現実もある。



余談だが、
南部ソマリアは今もって内乱の真っ最中。

色んな氏族が政権を握ったが、こんなに真っ当な時代もあった。

*1969~1991年
 シアド・バーレ政権の時には

 男女平等
 氏族中心主義を廃止。

 ソマリ語表記をアラビア文字からローマ字に変え、識字率を飛躍的に上げた。

 アラブ同盟に加盟。
 
 イスラムの過激思想を抑える。

 道路・学校・病院・工場を多く作った。

   *参考文献:高野秀行「謎の独立国家ソマリランド」より*

実は20年間のバーレ政権の時にだけ、男女平等があった。

現在はかなり酷い、、、、

幼い男の子は兵士として、女の子は兵士の結婚相手として差し出す。

そうしなければ、親たちはその場で殺されれてしまうからだ。

そんな行き場のない負の連鎖が、南部ソマリアで今も続いている。



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