城北文芸 有馬八朗 小説

これから私が書いた小説をUPしてみようと思います。

Aging Society

2022-10-28 10:59:10 | My English Diary

DATE: 04/25/2012

I saw the fomer Tokyo University Professor 
Satoshi Daigo's blog. It was a nice article. 
It was about Japan's PM Noda's tricky comments 
of Japan's aging society.
Anyways, what do you think if Japan's population 
is shrinking, how her GDP will increase? If Japan's 
population will be half, half of today's GDP will 
match with the population, right? You don't have to 
increase the GDP. Moreover, Japan's staple food is 
rice and rice is produced in general by older people 
now like the people over 65 years old. Cos producing 
rice is not profitable in Japan. You have to be a 
pensioner or a side-work farmer unless you have a 
large-scale farmland. You can't raise a family unless 
you have a large-scale farmland I assume.

元東京大学大学院教授の醍醐聡さんのブログを見た。なるほどと思った。野田首相の「肩車社会」論はまやかしだと言っている。それはのちほど紹介するとして、日本の人口が減っていくのに経済成長3%をめざすという政府の成長戦略がわからない。単純に考えて、人口が半分になれば、半分のGDPで足りるはずだ。国民の主食を生産する米生産者も高齢者が多いときいている。最低賃金よりさらに低い現金収入しか見込めない現状では大規模な農家でない限り専業では食べていけないので、年金生活者か兼業農家がやるしかない。家族を養っていけないから若い人はやらないのだと思う。

2012年3月19日
「肩車社会」論のまやかし(元東大大学院教授 醍醐聡氏のブログより)

社会的扶養を運動会にたとえるレトリック
 「胴上げ、騎馬戦、肩車」‥‥野田首相が国民向けに消費税増税への理解を求めるために好んで使っているキャッチ・フレーズである。

総理ビデオメッセージ「社会保障と税の一体改革について」(平成24年2月17日)
「対談 安心を支え合う制度をゆるぎないものへ」野田佳彦;聞き手/小島慶子

平たくいうと、
 過去は:多くの働き盛りの若者が1人のお年寄りを支える「胴上げ」型社会
 現在は:3人の現役世代が1人のお年寄りを支える「騎馬戦」型社会
 将来(40年後)は:1人の現役世代が1人のお年寄りを支える「肩車」型社会と言うのである。
 何度も使うところを見ると、野田首相はよほどこのフレーズが気に入っていると見える。しかし、多少とも人口統計に通じた人なら、一国の首相がこういうデタラメな数字の使い方をすることに唖然とするはずである。

 野田首相が使う「3人が1人を」、「1人が1人を」という数字の出所は2006年12月20日に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「将来推計人口(平成18年推計)の概要」と思われる。
 将来人口集計(平成18年推計)の概要
 この資料の4ページに「人口ピラミッドの変化(2005、2030、2055)」というデータが収録されている。そして、2005年(実績)、2030年(中位推計)、2055年(同左)と並んだ帯状クラブの下に、(65歳~人口)/(20~64歳人口)、つまり、老年者1人に対する現役世代人数を示す数字が記載されている。それによると、2005年は1人/3.0人であったのが、2030年には1人/1.7人に、2055年には1人/1.2人、となっている。これに着目して、野田首相は現在は「若者3人でお年寄り1人」を支えているが、40年後には「若者1人でお年寄り1人」を支える社会になる、このままでは若者の負担は3倍になると言うのである。

 しかし、国立社会保障・人口問題研究所が作成した人口ピラミッドの推計をこのように社会的扶養比率に転用するのは、統計数字の使い方に限定しても2つの初歩的誤りがある。一つは、分子の決め方の錯覚であり、もう一つは、自然年齢で扶養者/被扶養者の推移を輪切りして、長期的な社会的扶養比率(扶養する側とされる側の人数割合)を推計する手法の誤りである。

ピラミッド型人口構成を社会的扶養比率に転用する誤り
 野田首相の誤り(知識欠如故の錯覚?)を平たくいうと、現役世代は自分は食うものも食わず、ひたすら老年世代を養うだけかのような分数計算をしているということである。加えていうと、野田首相が使っている扶養比率では、扶養される側にあるはずの年少世代がすっぽり抜け落ちている。
 そもそも、国立社会保障・人口問題研究所が示した(老年人口)/生産年齢人口)の比率は少子化、高齢化が人口構成に及ぼす長期的影響を推計したものであって、それ以上でも以下でもない。社会的扶養率を大雑把に表するのであれば、
 分母=扶養する人口=現役世代人口(≒生産年齢人口)
 分子=扶養される人口=現役世代人口+年少人口+老年人口=総人口
とするのが正しい(ただし、正確には年齢階級ごとの就業状況を踏まえた計算が必要である。これについては後述)。したがって、ひとまず、年少世代を度外視して野田首相が使った現役世代人口と老年世代人口比だけからいうと、

 現在は:4人/3人≒1.3 現役世代3人が自分自身を扶養しながら、3人で1人のお年寄りを支えている状況、将来(40年後)は:2.2人/1.2人≒1.7 1.2人の現役世代が自分自身を扶養しながら、1人のお年寄りを支えている状況、と表現するのが正しい。とすると、現在と比べ、40年後には現役世代の負担は3倍ではなく、約1.25倍に
なると言うのが正しいのである。

「従属人口指数」も社会的扶養の負担度を表す指標とはいえない
 しかし、野田首相だけでなく、統計資料の作成者である国立社会保障・人口問題研究所も──個別の専門用語は正しく解説しながら、現役世代(生産年齢人口のこと)の社会的扶養負担の指数を表す段になるとミスリーデンクな解説をしている。
 この議論で登場するのは「従属人口指数」という用語である。現役世代(生産年齢人口)の(家族内での負担と区別した)社会的な扶養負担の程度を大まかに表すための指標として用いられている。本年1月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」では、従属人口指数(生産年齢人口100に対する年少人口+老年人口の比)を以て、現役世代の扶養負担の程度を大まかに表す指標とみなしている(3ページ)。
 国立社会保障人口問題研究所「日本の将来人口推計(平成24年1月推計)」
この資料いうと、

 現在(2010年):56.7(現役世代の1.8人で老年者・年少者1人を支える状況)
 2037年:80.0(現役世代の1.2人で老年者・年少者1人を支える状況)
 2060年:96.3(現役世代の1人で老年者・年少者1人を支える状況)
へと変化することになる。したがって、現役世代の扶養負担は27年後には1.4倍、50年後には1.7倍となる。
 しかし、現役世代の社会的扶養の負担度を表すのであれば、現役世代は自分は食うや食わずで年少世代や老年世代を扶養するわけではなく、自分も含めた全人口を扶養しているのであるから、

 現在(2010年):現役世代100人で156.7人(現役世代の100人+老年者・年少者56.7人を支える状況 → 現役世代1人で1.6人)を支える状況
 2037年:180.0(現役世代1人で老年者・年少者1.8人を支える状況)
 2060年:196.3(現役世代の1人で老年者・年少者2人を支える状況)
というのが正しい。とすると、50年後の現役世代の扶養負担は現在と比べて1.25倍と言うのが正しいのである。

自然年齢で扶養する人口と扶養される人口を区分する浅慮
 しかし、よく考えると、全人口/生産年齢人口、で現役世代の社会的扶養負担の程度(の推移)を測るのも相当にずさんである。なぜなら、扶養者とは所得稼得者を指すはずであるから、労働力人口(正確に言えば就業者数であるが、それは失業率のいかんで変わるので、ここでは就業する意思と能力をもつ者という意味で労働力人口を用いる)がそれに該当する。しかし、生産年齢人口のうちどれだけが労働力人口を構成するかは時代を超えて不変ではなく、定年制や女性の労働市場への進出の程度、高校・大学への進学率など、時代の推移とともに変化する。
 そうなると、生産年齢人口=扶養者、老年人口=被扶養者というように自然年齢で扶養する者とされる者を区分し、両者の割合の変化率で現役世代の社会的扶養の負担度を測ろうとするのは、相当に現実離れした発想である。
 そこで、総務省統計局『労働力調査』、独立行政法人労働政策研究・研修機構『労働需給の推計』から、労働力人口の将来推計を確かめ、労働力人口1人が何人を扶養することになるか(以下、これを「労働力人口扶養比率」と呼ぶことにする)を計算すると次のとおりである。

 現在(2010年):労働力人口6,814万人、総人口12,806万人→労働力人口扶養比率=1.88
 2030年:労働力人口5,853万人、総人口11,563万人→労働力人口扶養比率=1.98
 2050年:労働力人口4,668万人、総人口9,577万人→労働力人口扶養比率=2.05

となる。したがって、現在と比べ、40年後には労働力人口1人当りの社会的扶養の負担度は1.1倍程度の増加にとどまることになる。
 このように社会的扶養の実質的担い手といえる労働力人口で社会的扶養の負担の推移を測ると40年後の負担の程度がほとんど変化しないのは、
 生産年齢人口の中で、女性の労働市場への進出率(=生産年齢人口のうち労働力人口を構成する人口の割合:労働力率)がさらに高まると予測されること(25~29歳の場合、2010年:79.2%、2030年:89.6%;55~59歳の場合、2010年:52.9%、2030年72.1%)、
 老年人口の中でも65~70歳の層で労働力率が大幅に上昇すると見込まれていること(2010年:男性49.5%、女性24.0%;2030年:男性62.0%、女性31.6%)、
が主な理由である。

 以上のように、現役世代が担う社会的扶養の負担度は野田首相がいうように現在から40年先にかけて、「騎馬戦型」から「肩車型」へと3倍になるわけではなく、約1.1倍程度の上昇にとどまると予測されるのである。

もっとも、扶養力が所得稼得力で決まることを考えれば、労働力人口1人当たりといっても、正規雇用か不正規雇用かで扶養力は違ってくる。たとえば、ワーキングプアの若者層は家族内でも社会的にも老年世代を支えるどころか、自分やその子供を支えるために四苦八苦している。また、性別の給与格差が性別の扶養力の格差を生み、母子家庭を厳しい経済状況に追い込む原因になっている。
 他方、老年世代では、世代内で大きな所得格差をはらみながら、ストック(貯蓄や金融資産の保有)の面で豊かな高齢者が存在し、現役世代と問に大きな格差が生れている。
 このような面まで考慮すると、自然年齢で扶養する者とされる者を輪切りして、「胴上げ型」、「騎馬戦型」、「肩車型」などと運動会になぞらえたレトリックで危機感をあおることがいかにまやかしの議論であるか、わかるはずである。

(2012年2月25日記)