晩夏光使ひ込まれし銀の匙
三井倶楽部といえば三井家の迎賓館として有名ですね。福岡では門司、大牟田にありますね。時期は今ごろでしたか、大牟田の三井倶楽部にお邪魔したというかコーヒーを頂いたことがあります。
石畳の玄関ポーチを入りホールという床にぎしっという音をさせて強い日差しを逃れてきた身を、高い天井から下げられた幾つかのシャンデリアの薄い光の中に置くと、どこか異国に来たような思いがしたものです。
そのメインホールは絨毯が敷き詰められ、テーブルはナイフフォークのセットが並べられ客の注文に直ぐにでも応じますよといった感じである。
私、たちは庭に面した席に着き、布張りの椅子の木の肘掛けを確かめたり、ビロードのカーテンの重厚さに感心したりしていた。コーヒーを注文すると(笑)、並べてあるナイフフォークは静かに下げられて代わりに冷たい水のグラスが置かれた・・・たぶんこんなだったかなと思い出しながら。