18日のニュースです。
従軍慰安婦問題、「軍が調達した事実はない」 石原知事
http://www.asahi.com/national/update/0518/TKY200705180051.html
講演後、報道陣に認識を問われた石原知事は「戦争中に軍がそういう女性たちを調達した事実はまったくありません。ただ、便乗して軍にそういうものを提供することを商売にした人間はいましたな」と答えたそうです。
この認識自体はお粗末というしかありませんが、こうした議論が「慰安婦」問題を否定する人から多く聞かれるのは、「慰安婦」問題の被害の多様性に起因しているところがあるのではないかと思います。
記事の見出しにもなっている、従軍慰安婦という呼称はマスコミや公的文書・発言でも未だに使用されていますが、女性国際戦犯法廷を開いたVAWW-NETジャパンによれば、「従軍慰安婦」という用語は「私たちは自らの意思で日本軍に従軍したわけでも、日本軍を慰め安んじる『慰安婦』になったのでもない」という被害者の声や被害実態を鑑みれば、適切であるとは言えない、とされています。「慰安婦」問題を考えるときに「従軍慰安婦」、と言ってしまうと確かに被害実態を見えにくくしてしまうように思います。
おそらく石原都知事も「従軍慰安婦」問題を、一部の証言や資料から作った勝手なイメージで語っているに過ぎません(でなかったら、さすがにこんな発言は出てこないのでは)。逆に、全ての日本軍「慰安婦」が暴力的に、または騙されて「慰安所」に連れて行かれた、というのも正確ではないでしょう(最もあまり、こう言っている人には会ったことがありませんが)。
被害者の受けた被害は本当に個別バラバラです。傾向的にみれば、日本人と朝鮮人、朝鮮半島と中国戦線、などで分けられるかもしれませんが、そのなかにもまたいくつもの分断線が引かれ、「例外」が存在することを考えると、とてもひとくくりにできるものではありません。
今回の石原都知事の場合は、報道の中でカットされているだけなのか、全く根拠が示されていませんが、「軍が調達した事実はない」というのは、裁判所の判断とも真っ向から対立するものですし、政府の公式見解とも一致しません。このあたりをどのように考えているのか、認識を問うてみたいものです。
従軍慰安婦問題、「軍が調達した事実はない」 石原知事
http://www.asahi.com/national/update/0518/TKY200705180051.html
講演後、報道陣に認識を問われた石原知事は「戦争中に軍がそういう女性たちを調達した事実はまったくありません。ただ、便乗して軍にそういうものを提供することを商売にした人間はいましたな」と答えたそうです。
この認識自体はお粗末というしかありませんが、こうした議論が「慰安婦」問題を否定する人から多く聞かれるのは、「慰安婦」問題の被害の多様性に起因しているところがあるのではないかと思います。
記事の見出しにもなっている、従軍慰安婦という呼称はマスコミや公的文書・発言でも未だに使用されていますが、女性国際戦犯法廷を開いたVAWW-NETジャパンによれば、「従軍慰安婦」という用語は「私たちは自らの意思で日本軍に従軍したわけでも、日本軍を慰め安んじる『慰安婦』になったのでもない」という被害者の声や被害実態を鑑みれば、適切であるとは言えない、とされています。「慰安婦」問題を考えるときに「従軍慰安婦」、と言ってしまうと確かに被害実態を見えにくくしてしまうように思います。
おそらく石原都知事も「従軍慰安婦」問題を、一部の証言や資料から作った勝手なイメージで語っているに過ぎません(でなかったら、さすがにこんな発言は出てこないのでは)。逆に、全ての日本軍「慰安婦」が暴力的に、または騙されて「慰安所」に連れて行かれた、というのも正確ではないでしょう(最もあまり、こう言っている人には会ったことがありませんが)。
被害者の受けた被害は本当に個別バラバラです。傾向的にみれば、日本人と朝鮮人、朝鮮半島と中国戦線、などで分けられるかもしれませんが、そのなかにもまたいくつもの分断線が引かれ、「例外」が存在することを考えると、とてもひとくくりにできるものではありません。
今回の石原都知事の場合は、報道の中でカットされているだけなのか、全く根拠が示されていませんが、「軍が調達した事実はない」というのは、裁判所の判断とも真っ向から対立するものですし、政府の公式見解とも一致しません。このあたりをどのように考えているのか、認識を問うてみたいものです。
こういった発言にはもううんざりします。呆れるしかない。でも、怒りの感情は捨ててはいけないですよね。彼らの暴言・妄言の背景には、どうにかして歴史的事実を覆い隠したいという焦りがあるはず。私たちはそうした彼らの焦りを突いていかなければいけません。