針と糸

ぶん太の最後の日のこと◇◇◇

ぶん太の腫瘍が悪性と検査結果がはっきりと出て
抗がん剤や放射線やら癌治療をしても、メリットがあまり得られないと
いろいろ考えた末ぶん太ならどうしたいかも飼い主なりに考え
癌治療はせず、延命を目指さないターミナルケアを選択しました
つまるところ、人工的に穏やかな老衰状態を目指した感じでした

我が家の場合は、
普通にまだ日常を過ごせる時間、大好きな家で犬らしく過ごせる時間を
薬の副作用や病院通いに費やさず
疼痛、緩和ケアしながら、なるべく長くいつも通りの生活を
穏やかな最後を迎えられるように飼い主がお手伝いしようと

ターミナルケア(終末期ケア)
老衰の状態って
体全体の身体機能がバランスよく低下していき
それでいて痛みなどに苦しまず、睡眠がとれる(睡眠量の増加)
食事量が減り、それに伴って体重も減って電池が切れるように枯れていく
こんな状態だと考えました

食べたり、歩いたり、排泄したり、ぐっすり寝ったり
これを自分で出来るうちはそのままに
出来なくなるにつれて感じるストレスや苦痛、不具合を和らげてあげながら
出来る限りの生活の質を保ってあげながら
ゆっくりと着地を目指して

ぶん太自身に、食べたいと言う意欲があるなら食事を工夫してあげ
食べたくないのなら、あえて強制的にあたえない

有難いことに、下顎の腫瘍のある位置がラッキーだったのか
舌は最後まで良く動かせていました
そのせいか、直前まで自分で水を飲むことが出来て
液体状にすればお腹が空いて食べたい意思がでてくれば、口から食べる事も出来て
それが微弱ではあったけれどそのおかげで
空腹からの嘔吐による食道炎なども、起こさずになんとか済んだのでは?
と思っています
(あまりにも胃が空っぽすぎると、繰り返し嘔吐して食道炎になってしまうだろうから・・・)
そうはいっても
水分と流動食だけでは絶対的に生命を維持するカロリーは足りない
徐々に体の機能は落ちていったし、枯れていくのを見守るのはつらかった・・・

ぶん太の精神的には
食べたければなんとか口から何かを食べる事は出来
食べたくない時には強制されない
疲れたらぐっすり好きなだけ好きな場所で睡眠をとれ
頻繁に病院へ通院する必要もない大好きな家に最後までいられる

結果的に、喉の渇きや、食べたいのに全く食べられないような
渇きや飢えの苦しみ、ストレスは最小限で抑えられたと思う

最後に与えた鎮静剤の事も気になったので
往診の先生に、息を引き取る際の経緯を説明しつつ
鎮静剤が良くなかったのか?と聞いてみたけど
一般的な鎮静剤で、量もごく少量だったので
本当に苦痛が和らぐ程度だったはず
鎮静剤のせいで亡くなったのでは、まずないだろうと


ぶん太は腫瘍以外の臓器はいたって健康
それどころか心臓が強いと言われていたので
強制給餌や点滴の処置をしたりしたら
生命力が強いことが仇となり
苦しむ時間が長くなった可能性がとても高い

長引けば癌の強烈な痛みも出てきていたのかもしれない
(顎の癌さえなければ、たぶんもっと生きられたのにと思ってしまうくらい
他の内臓や体は健康で強かったから)

少量の鎮静剤を与えて呼吸の苦しさが軽減して
息苦しさにあえぎながら苦しまずにすんだのなら
それもまた良かったと

人間の都合で良いように受け取ってはいますが
なにより最後息を引き取ったぶん太の顔が穏やかだったから
嗚呼、これで良かったんだなと思っています
(ほんとは死んじゃったぶん太にいろいろ聞いてみたいね。。。)

愛犬を失って、もうこの上なく寂しくて苦しいには変わりはないけど
ペットロスにならない飼い主なんていないはず
誇りをもってペットロスです:泣
もう犬を飼いたくないとも思わないし
かといってすぐに新しく他の子を迎えたい気持ちにもならないし


この経験を、良い力にかえて前に進んでいこうと思います



犬のいる生活、なんて素晴らしく最高
そして、この愛犬との16年間に一点の曇りなしだね
ありがとうぶんちゃん

ぶん太は私の中にずっと一緒にいる

自分の心の整理の為に、書いておこうと思いました

おわり

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