小学生のための 千字文漢字練習プリント

古代の中国で生まれた千字文で漢字を学ぶプリントです。
1日20分ぐらい。親子で取り組んでみてください。

197・198 耽読翫市 寓目囊箱

2022年02月22日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《耽読翫市 寓目囊箱》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「寓」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、寓にふくまれる「禺」はサルを描いた図形で、頭と尻尾の特徴をとらえているそうです。
 サルは人に似ていますが、人ではありません。そこで禺は、
 「本物と並ぶニセモノ」
 「似たものが並ぶ」
 というイメージをもつそうです。ここから、
 偶 禺(似たものが並ぶ)+人 人形。土偶。ペアをなすもの。配偶。
 遇 禺(ふたつ並ぶ)+辶(行く) 二人が出会って並ぶさま。遭遇。
 隅 禺(ふたつ並ぶ)+阜(丘) 二つの面、または線が出あって並ぶところ。かど。一隅。
 愚 禺(知恵の足りないサル)+心 愚か。暗愚。
 寓 禺(ふたつ並ぶ)+宀(家) 仮住まい。本宅とならぶ別宅。寓居。
 となるそうです。

 プリントにある「読書百徧而義自見」は、
 読書百徧義自(オノズ)カラ見(アラワ)ル
 と読むそうです。
 読書百徧而意自カラ通ズで覚えていたのですが、どちらでも間違いではないようです。
 それと「三人成市虎」は、
 三人市虎ト成ル
 と読みます。三人成虎(サンニンセイコ)で四字熟語になっていようです。



 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
 みなさんのリアクション、お待ちしています。

195・196 遊鵾独運 凌摩絳霄

2022年02月22日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《遊鵾独運 凌摩絳霄》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、凌にふくまれる「」は大きく盛り上がった山の背を踏み越えていく様子を示しているそうです。夌には「筋をなす」というイメージがあり、ここから、
 陵 夌(大きく盛り上がった山を越える)+阜(丘) 大きな丘。踏み越えること。
 稜 穀物などの筋のついたかど。稜線。
 綾 筋目のある模様を織り出した絹織物。
 崚 山の尾根が筋張って高いさま。
 凌 筋張って凍る。氷。転じて、しのぐ。力ずくで踏み越える。凌辱。
 菱 筋張った実の生える植物。ひし。
 となるそうです。

 なんとなくわかるかなぁ、といった感じです。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
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193・194 陳根委翳 落葉飄颻

2022年02月20日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《陳根委翳 落葉飄颻》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「根」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、根にふくまれる「艮」は易の卦の名で、動きがとれないさまを象徴しているそうです。
 ここから、艮をふくむ字には、
 「いつまでもじっと残る」
 「じっと動かない」
 というイメージがあるといいます。
 根 艮(じっと跡が残る)+木 いつまでもじっと止まって跡を残す木の根。
 眼 艮(いつまでも残る)+目 頭蓋骨にのこる目玉を入れる穴。転じて、見分ける力。眼識。
 恨 艮(いつまでも傷跡が残る)+心 いつまでも悪感情が残るさま。
 限 艮(いつまでもあとが残る)+阜(盛り土) 盛り土をして、いつまで残る境界をつくる。限界。
 銀 艮(いつまでもあとが残る)+金 はめ込み細工で、はめ込んで後にのこる金属。
 墾 艮(いつまでも残る)+豚+土 豚が深く噛んで歯の跡をつけるさま。荒地に深くくわを入れるさま。
 懇 艮(いつまでも残る)+豚+心 心を細かくかみくだくさま。
 痕 傷跡。あと。血痕。
 齦 ギン。歯茎。歯の根本。
 艱 辛いこと。傷跡。艱難。災害で動きが取れないさま。
 となるそうです。
 艮が跡、というのは、字を見るとわかりやすいですね。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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191・192 枇杷晩翠 梧桐早彫

2022年02月20日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《枇杷晩翠 梧桐早彫》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、梧のなかにふくまれる五は、2本の線の間にバツ(×)を入れた形で、「交わる」ことを示しているといいます。
 五をふくむ字には「交わる」というイメージがあり、
 語 吾(交わる+口で、他者と互いに交わる自分)+言 互いに言葉を交えるさま。
 悟 吾(二つのものが互いに交わる)+心 意識が対象と交差して、それがなんであるか悟るさま。
 伍 軍隊などで5人で一組の単位。
 吾 他者と交わる接点にあたる当事者。
 梧 果実が五つのがくをもった木。アオギリ。
 晤 互いに向き合う。面晤。
 寤 意識が対象と交差して目覚める。寤寐。
 齬 歯が互い違いになるさま。齟齬。
 となるそうです。
 
 プリントにある「梧桐一葉落 天下尽知秋」は、
 「梧桐一葉落チテ 天下尽(コトゴト)ク秋ヲ知ル」と読むそうです。
 「逍遥」「荷風」に続いて恐縮ですが、梧桐といえば俳人の河東碧梧桐がいます。
 碧なので、まだまだ青々とした葉なんでしょうね。


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189・190 渠荷的歴 園莽抽条

2022年02月18日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《渠荷的歴 園莽抽条》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「荷」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、荷のなかにふくまれる「可」は、¬型(直角)に曲がることを示し、口の形を合わせることで、声をのどで屈曲させて、かすらせてやっとだし、「まあ、よしっ」と怒鳴るさまを暗示しているといいます。ここから、
 何 可(直角に曲がる)+人 肩に荷を担ぐさま。この字が「なに?」という疑問詞で使われるようになったため、「荷」がもとの意味で使われるようになった。
 荷 可(直角に曲がる)+艸 葉が茎の上にT字型に乗っている草。ハス。転じて、担う。出荷。
 河 可(直角に曲がる)+水 直角に屈曲して流れる川。とくに黄河。
 歌 哥(声を喉でかすらせてうなるさま+可)+欠(しゃがんで大きな口を開けた人の形) うた。哥を「あに」の意味で使うため、あらためて歌の形にした。
 阿 くま。山や川が曲がって入り組んだところ。
 呵 声をかすらせて怒鳴る。呵責。
 苛 かすらせてヒリヒリするさま。苛政。

 「荷」が、本来はハスの意味であることを、このプリントをつくっていて初めて知りました。
 そして、永井荷風の「荷風」が、ハスの花のうえを吹く風であることも、初めて知りました。
 なんとおしゃれな名前なんでしょう。

 逍遥でも書きましたが、千字文は江戸時代の寺子屋で使われていた漢字のお手本です。そのころの子どもたちは「荷」がハスを意味していたことは、あたりまえのように知っていたのでしょう(少なくても、まじめに寺子屋で勉強していた子は)。
 荷がハスだと知っている人は、永井荷風の名前を「おしゃれ」と感じるでしょう。でも、知らなければ、「風の荷物って、なに?」って感じです。
 いま、荷にハスの意味があることを知っている人は、ほとんどいないと思います(私は知りませんでした)。
 身近な漢字であっても、いまと昔では素地がぜんぜんちがうんだなぁと、強く思いました。
 まあ、墨東奇譚あたりは、子どもには早いかもしれませんけど。
 
 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
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