■ CATS THE RAINBOW ■出会い 猫

 ２０１４年夏

■私は女の子、もう半年以上もこの檻の中。

身体も大きくなったわ。

ほとんどは幼少の時に売れるけど、私は売れ残り…。

当初は12万だったのよ、でも今は売れないから値も下がり大阪から

新潟へ遠征に来たの。ホームセンターのペットの特売よ。

私みたいに大きい子はもう一人いるのよ。あっちの価格は二万で私は一万、

何？この差、あいつより私のほうが可愛いじゃない。

何が悲しいって昨日も特売だったのに私の一万は売れなかったのよ。

二万の子は売れて持って行かれたわ。

泣きたいわもう。|゜Д゜)))

でも下の檻にはトイプードルの一万がいるのよ。目の下の赤が強いから

安いのね？かわいそう～、って私は何にも欠陥がないのに一万…

早く檻から出て外を飛んだり、走ったりしたいわ。ウキーーー

今日こそ誰か買ってくれないかしら？

 

あ！開店だわ、キターキタ━(゜∀゜)━!

お客さんが入ってきた、ケバいお姉さんが近づいて来る。

「えーーちょっと見てみて、この猫一万だってぇ、安っ」

「え～大きくて可愛くなーい」「あっ、こっちのスコティッシュフォールド可愛くない？」

（え？もうあっち行ったわ、やっぱり小さいほうが可愛気あるわよね）

（そーよそーよ、みーんなこんな調子）

ZZZZZｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚ

 

わっ、何？このおっさん、じーっと見てる。

キャッ、指でつついてる。やめてよ～キモイ。

この人この後何回も私のとこに来るの、買う気あるの？

これがパパと私の出会いよ、運命の出会いだったんだなぁ、感謝だにゃ～。

ダンボール箱に入れられ車に乗り、私の生涯のおうちとなるとこへ

向かったの。

着いてから三日間家に缶詰よ。四日目に外に出してくれたわ。

生まれて初めての外の世界、半日飛び回っていたわ。

このお家はボロいけど庭は広いの、木や草、岩、花、池に鯉、

なんでもあるの。いいでしょ？

今の季節は暑いから日陰で遊ばないとね、特技はセミ捕りよ。

木なら一気に２ｍは登れるわ。

捕ってはパパに持ってくんだけど、いつも怒られるの。

どうして褒めてくれないの？意地悪ねパパは。　プンっ！

池の鯉は大きくて私くらいあるのよ、チャンスをみて捕まえたいんだけど

近づくとすぐ逃げるのよね～。あいつら。

最初のアタックで足を滑らせ池に半身落ちたのよ。

パパは笑ってたわ。ムカつく～。

でも…パパは引っかき傷だらけなの。私が何かと引っ掻いたのよ。

何されるかと怖かったから、許してにゃんd(=^・ω・^=)b

あっ、そうそう名乗ってなかったわね、私の名前は「ミィちゃん」

覚えておいてよ。

 

 

 

 

 

ご飯はツブツブと缶詰やカツオ節くれるのよ。まあまあね。

遊んでご飯もらえるなんて…。家から出れない猫もいっぱい

いるのに私は洋猫界いちの幸せ者よ。

 

 

家の前の道路は車の通りがそんなに激しくないし音が聞こえるだけですぐ逃げるようにしてるの。

パパに道路へ出るな、と言われてるのよ。でも庭が広いから道路に出る必要も

ないわ。外にいると天敵はオス猫ね。なに？あの体、私の１．５倍はあるわ。きもっ！

でものちのち友達になるのよ。

あ、もちろん避妊手術はしたわよ。あのお医者様は嫌い。

注射痛かったし。

パパの兄弟は私を外へ出すな、と言ってるみたいなの。他の猫に

引っかかれたり、車に轢かれたり、怪我したりするからと。

でもパパは「檻に半年以上もいたし、例え怪我や病気、事故で死んでも

この子には楽しい人生（猫生？）を送って欲しい」と願ってるらしいの。

私としては太く短くても毎日が楽しければそれも人生、運命で構わないわ。

そこはパパに賛同するの。ペットでありながらパートナーなの。ふふふ

 

こんな幸せな私だけど、秋には恐怖の出来事が待ってたの、

あんなことが起こるなんて夢にも思わなかったにゃん。(# ゜Д゜)

まだ夏だから今のうちに今度はコオロギ捕まえてパパを驚かせるわ。

待っててよーーーー！負ーけないぞーー。

 

2へ続くぅ～