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花日和 Hana-biyori

2024年のよかった本

年末年始にやるべきことを今頃やってます。

年間で読んだ数が少なくて、ほぼ半数がAudibleで聞いたものです。読書と言ったら語弊がありますけど、上から「よかった本」ってことで。

1.「ばにらさま」山本文緒(文春文庫/朗読:金丸由奈)

Audibleにて。短編集。どの話も途中でちょっとずつ違和感があり、終盤にその理由が判明し仰天する。構造が凝っているだけじゃなく、皮肉で痛ましい人生がやるせなく愕然とした。


2.「華岡青洲の妻」有吉佐和子(新潮社/Kindle)
嫁姑問題は夫に愛された妻が姑にいじめられるイメージがあったが、これは姑から是非にと求められて嫁いでいるのが驚き。単なる嫁姑の泥仕合では話が済まない奥深さがあった。

3.「燕は戻ってこない」桐野夏生(集英社/Kindle
代理母というシステムと体験を通じて、命のダイナミズムと女性の生きかた、格差社会を考える作品だった。

4.「ニュー・ワールド〜凪良ゆうの世界」凪良ゆう(中央公論新社 )
ヤマシタトモコや山本文緒などとの対談が面白かった。年譜もありキャリアを振り返るもの。

5.「野生の棕櫚」ウィリアム・フォークナー(訳:加島 祥造/中公文庫/Kindle
人妻との逃避行とミシシッピ河の洪水という、一見関係ない話が交互に繰り出される小説。初めて読む形式で、腹立つくらい文章が読みづらかった。けれど後からじわじわ来るものがあった。

6.「百年の孤独」ガブリエル・ガルシア=マルケス(訳:鼓 直/新潮文庫) 
偉大なる開拓民にして呪われし孤独な一族ブレンディア家の5代に渡る年代記。人を喰ったようなストーリーとファンタジーなエピソードの数々に驚嘆。他に類を見ない読みものだった。

7.「おいしいごはんが食べられますように」高瀬隼子(講談社/朗読:椎名ライカ)
Audibleにて。芥川賞受賞作。食にまつわる人間模様をえぐみたっぷりに描く。疲れた現代人の心境をあぶり出す内容で分かりやすくて良かった。

8.「雨月物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 」上田 秋成 著、編集:佐藤 至子 (角川ソフィア文庫/KindleUnlimited)
『海辺のカフカ』の関連本として。初心者向けで、まさに私にうってつけのわかり易さだった。

9.「海辺のカフカ(下)」村上春樹(新潮文庫/朗読:木村 佳乃)
audibleにて。木村佳乃の朗読がとくによかった。終わった直後はなんだかよくわからん…という感じだったけど、全体としては面白かった。

10.寂聴版『源氏物語』瀬戸内寂聴(講談社/朗読:早見 沙織、大塚 剛央、桑島 法子、日野 聡、井上 和彦、池田 昌子)
Audibleにて。源氏物語の寂聴訳のダイジェスト。今回は特に玉鬘のところが面白かった。この男…と呆れる部分が昔マンガ(あさきゆめみし)を読んだときとはまた違う場面でわかったと思う。

そのほか、Audibleで聴いた『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈)、『汝、星のごとく』(凪良ゆう)、児童書で『砂の妖精』(ネズビット)がよかったと記憶しております。


画像はこんな感じです。





 
 

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