高学年はあまりはっきりした反応がなくて淡々と読んで終わるのですが、今回は笑いが起きたり子どもが感想をつぶやいたりと珍しく分かりやすい反応があったので嬉しかったです。

「ふしぎなナイフ」中村牧江/林健造/福田隆義(福音館書店)
導入に、分かりやすく楽しい『ふしぎなナイフ』を読んだのが良かったのかなと。リアルな絵のナイフが、縮まる、ちぎれる、溶ける、膨らむ、など、金属ではありえない形状になる、それだけの本なのですがシンプルで面白いみたいです。エー!とウケていました。テンポよく読めるのも楽しいですね。(2~3分)
メインは『まさ夢いちじく』です。底意地の悪い男が「願いがかなういちじく」を手に入れ、数奇な運命をたどる物語。(オールズバーグ作、村上春樹訳)かなり皮肉が効いている話で、高学年向けです。
主人公の男がにこにこがおで歯を抜かなきゃならんと言っているところなど、笑いとザワつきが両方でした。

最後のどんでん返しでは「よくやった」とつぶやく子もいて、みんなお話に引き込まれていたことが分かりました。楽しかった~。こういう時、やっててよかったと思いますね。
3回目で読み慣れたというのもあるだろうし、導入で場を温めておくって大事なんですね。今、ドラマ「昭和元禄落語心中」を見ていますが、舞台芸じゃないですけど、メインの前に前座がある理由がよく分かる気がしました。
といっても、実は先生が子供に人気の若い男の先生で、一緒によく聞いてくださって、クラスの雰囲気が良かったことが大きいと思います。