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花日和 Hana-biyori

娘がご褒美ではない「わらしべ長者」

小学校の絵本の読み聞かせボランティアの活動日でした。練習だけする日です。読んでもらったのはこちら。

「天岩戸」のパネルシアター
「チリとチリリ」
「しんぞうとひげ」(アフリカの昔話)
「せかいでさいしょのポテトチップス」

久しぶりに「しんぞうとひげ」聞いたら面白かったな。心臓とヒゲが擬人化されていて、両名とも飢えていてヒゲが心臓を食べようとする→心臓が人間の男に飲み込んでもらい、胸の中に隠れる→ヒゲは心臓がでてくるのを男の口元で待ち受けさせてもらう。

という具合で、なんじゃあそりゃあ〜な感じがアフリカっぽくて豪快でいいです。ただ、ユーモア溢れる話ですけど、背景にはアフリカの飢餓も描かれているんですよね。


ところで、前回の活動日に『わらしべ長者』を読んで下さった方がいて。

2009年に小学館からでた絵本です。観音さまのおつげを信じて行動し、一本のわらから交換をし続けついに長者の跡取り(長者の娘と結婚)になるという、みなさんご存知の通りの展開です。

私がこれまで見てきた絵本と違っていたのは、「長者の娘が単なるご褒美ではない」という点です。

私が持っている絵本では、わらしべ長者のラストって、主人公の若者との結婚をお父さんが勝手に決めていました。そこに娘の意思は示されず、考えてみるとただご褒美として与えられるものって印象です。

一方こちらは、わらを次々に交換していく相手に、じつは長者の娘や長者の家の小間使いが含まれています。彼女らは優しくしてくれた若者に好感触をいだく、という伏線が張られ、さいごは長者の娘が自分からこの若者と一緒になりたいと父親に申し出るのです。

そういう、娘の心情が出てくるわらしべ長者はそれまで見たことがなかったので、(私が知らなかっただけかもしれませんが)昔ばなしも時代の価値観の変化によって変わるなーと、改めて思ったことでした。


わらしべちょうじゃ | 書籍 | 小学館

わらしべちょうじゃ | 書籍 | 小学館

「あすの あさ、みちで いちばん さいしょに ひろった ものを、だいじに もって いなさい。 きっと、いい ことが ありますよ。」心優しいが貧しい若者は、観音様…

小学館




 
 
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