須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月と人(2)~愛新覚羅溥傑と浩

2020-07-31 09:04:00 | 日記
2020年7月29日(水)、NHK「歴史秘話ヒストリア」で愛新覚羅溥傑(ふけつ)と浩が取り上げられました。

だからあなたと歩きたい 
愛新覚羅溥傑・浩 松下幸之助・むめの

愛新覚羅溥傑、ラストエンペラー清国最後の皇帝である愛新覚羅溥儀の弟君で、溥儀と同様に歴史の波に翻弄された人物です。

 
妻・浩さんとは政略結婚でしたが、困難な生涯を、仲睦まじくともになさったようです。二女の福永嫮生(こせい)さんが、結婚後、神戸の須磨近辺にお住いだった関係で、須磨観光ハウス花月にたびたび来られたようです。


須磨観光ハウス花月に寄贈された書は1974年。溥傑氏が解放された直後、須磨観光館館主金井氏へ寄贈されたのものです。マネちゃんの一族も歴史に貢献しているんですね。愛新覚羅溥傑氏は書の大家としても有名ですが、その文字の流れるような美しさだけでなく、その内容も流れるように自然体でありながら、これ以上にないぐらい確かに「須磨観光ハウス花月」を表現しています。マネちゃんの言葉を借りると「この四行の詩文に、ここ(須磨観光ハウス花月)の全てが表わされている」・・・。私流に訳してみますね。


『(美)酒の杯を手にしながら風をうけよう、眼前の海と空は碧く澄んでいる。高台から見渡すと、海上には帆かけ・櫓漕ぎの船が鮮やかに清々しい』

詩の最後にある「清」の一文字に深い意味を感じるのは私だけでしょうか。溥傑氏が書いた「清」という字。かけがえのない財産ですね。

皆さまも書をご覧になり、目を閉じて高台から海に臨む景色を想ってみてください。そして、須磨観光ハウス花月でお会いしましょう!



ウィズコロナの保養と楽しみ

2020-07-29 06:43:40 | 日記
4連休、家族で近場に保養に行ってきました。
私事が回り、ちょっと疲れましたので、自然の中でゆったりする時間が欲しかったのです。姫路市立美術館の「志村ふくみ展」もお目あての一つでした。作品を鑑賞して、90歳を越えてなお精力的に美を追求する姿勢に元気をいただきました。


姫路市立美術館の「志村ふくみ」

さて保養地は塩田温泉湯元「上山旅館」。
私は須磨観光ハウス「花月」と並んで、この温泉旅館が大好きです。発見されたのは奈良時代、江戸時代には胃病に効果がある炭酸水を擁する療養地としての役割も持ったようです。


上山氏は代々世襲で泉質を守っていらっしゃいます。今回、若旦那にお土産のお世話をしていただきました。仲居さん情報では、環境整備にも精力的に取り組むとても頼もしい跡継ぎだそうです。

ここのおすすめは「野天風呂」。高い空を見上げ、雲の流れを眺めていると、自分の中の時がゆっくり流れます。お料理には鮎も出ますし、但馬牛もいただけます。美味しい地酒も飲み比べセットなどで楽しめます。お部屋も明治時代の雰囲気を残しています。

塩田温泉 湯元 上山旅館 公式ホームページ

さて、思いがけないプレゼントもいただけそうです。GoToトラベル事業の対象になっていました。8月14日からひと月の間に申請すると補助金がいただけます。今回は人数限定で兵庫県からお土産券もいただきましので二重にありがたかったです。

そう言えば、今回はコロナ禍にも拘わららず、けっこうな賑わいでしたし(もしろん食事場所ではソーシャルディスタンスが確保されています。隣の人の顔もはっきり分かりません)、GoToトラベル事業を知っているのか、若者が多かったのですが、旅館も旅行者も協力して、込み合う時間をずらして、皆さん接触しないように旅行できました。

今後もまだ、兵庫県観光協会主催Welcome to Hyogoキャンペーン「ひょうごで泊まろうおトク割引」などの補助も、国の制度にプラスしてあるようですので、キチンとコロナ予防を意識すれば旅行もアリかなと思います。

須磨観光ハウス「花月」のホームページを覗くと、繁忙期はGoToトラベル事業を踏まえたような料金設定ですね。なるほど。週末にマネちゃんに聞いてきますね。

旅行・・・今は弊害も大きいのでしょうが・・・やっぱり時々は日常からの心機一転をしたいですよね。自然の中で、距離に気を付けながら楽しめる場所は、日本には、たぶんたくさんあります。須磨観光ハウスはその一つです。そもそも客室が少ないのにレストランは広々。コロナ予防の旅行にぴったりな条件です。

広がる海、緑の木々に囲まれて、源泉ではないけど温泉水のお風呂(条件によっては家族風呂にもなりますよ)につかり、広々としたレストランで、距離をとって語らいながら素晴らしい伝統文化である「和食」をいただく。

ご希望で猫ちゃん達とも遊べますよ。上山旅館の名物三毛猫ちゃんは高齢で最近あまりご出勤されないようです。今回も会えませんでした。
花月の猫ちゃん達はピチピチでとても元気です。猫がいれば笑顔がやってくる、これぞ「招き猫」です。招福招福!!

花月のお土産~須磨海苔・再び

2020-07-23 15:50:20 | 日記
明石の有名なグルメといえば「明石蛸」ですね。たこ焼きをお出汁につけていただく「卵焼き」は全国的にも有名になりました。

世界最長の吊り橋「明石海峡大橋」を挟んで西側の明石、漁業は今も盛んで、私には優しい漁師さんのお友達もいっぱいいて、蛸の雄雌の違いなどを教えてくれたりします。吸盤の形が違うそうです。明石蛸は外洋ものに比べて足が短いそうです。

時々気候の関係で減ってしまって、その時は蛸を増やすため、外洋から明石海峡周辺に連れて来るそうですが、しばらくすると適応して、足が短くなるそうです。タコも日本人っぽくなるのかな?日本人の足は長くなっている気がしますがね!

須磨浦海岸は明石海峡より東側に位置します。東側の雄、垂水の名産品といえば「イカナゴ」ですよね。春になれば兵庫区より西の奥方たちはイカナゴ炊きに夢中、この日に備えて一年前から貯金は当たり前、醤油や砂糖も備蓄しているぐらいの熱狂的フィーバーが訪れ、醤油と砂糖の甘い匂いが町に漂います。イカナゴのくぎ煮の炊き方教室もあるぐらいなんです。

そして「須磨海苔」、須磨海苔は垂水・舞子・塩屋・須磨・長田の駒ヶ林あたりまでの漁師さんたちが養殖を始め、特産品となったようです。

《日本の郷文化》http://jpsatobunka.net/index.html によると、

昭和30年頃、漁業から離れる人が増えたため、駒ヶ林から舞子までの7つの漁協を統合し、団結を強化した。そして昭和35年頃、毎年12月から翌年3月頃までの閑漁期対策として、海苔の養殖が始められた。そしてこのときの養殖が、須磨浦地区で初めて開始されたことから「須磨のり」という名前になり、その後、須磨浦地区の成果が、東須磨・塩屋・垂水・舞子へ広まり、現在では近隣一帯で養殖されています。この近辺で採れたものが全て「須磨のり」と呼ばれています。昭和40年頃から海苔も加工場も沢山出来、現在では、須磨のりは年間で約1億枚が生産され、全国の生産量の約1%を占めています。
神戸市漁業協同組合:078-706-0456
神戸市役所農水産課:078-322-5358

神戸のタウン誌「月刊・神戸っ子 KOBECCO」。オシャレな記事やインタビューがいっぱい掲載されているのですが、バックナンバーに須磨海苔の記事(写真付)を見つけましたのでご覧くださいね。


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花月の器(1)~花月オリジナルセット

2020-07-19 19:23:13 | 日記
陶磁器の品質を見るポイントの一つに「刻印・ポーセリンマーク」があります。私は陶磁器が好きですので、お行儀が悪いとは知りながら、コーヒーカップやお皿などを、よくひっくり返して見てしまいます。

花月オリジナルセットのポーセリンマークはノリタケです。ノリタケ特有の白に金一色で花月のシンボルマーク「源氏香・須磨」、シンボルマークに被せ「Suma」の文字、お皿の周りを「花月の花」である「桜」が愛らしく飾ります。

「花月」のネーミングの由来は、「須磨の高台から大きく広がる海原を見渡し、桜花と月を愛でながら、料理と酒を楽しむ場所」だそうです。実は平安時代にご縁のあるネーミングです。



ノリタケは19世紀末からテーブルウェア製造に向けて「白く精緻な洋食器」の製造を目指し、研究を重ねて成功します。洋食器・テーブルウエアセットの始まりです。

《ノリタケオフィシャルサイト》

オフィシャルサイトの他にも、アンティーク通販ネットショップのサイトに詳しい解説を見つけました。これによると1955年製のようですから、花月のオリジナルセットは、既に65年が経過した由緒ある陶磁器セットのようです。オールドノリタケ、プレミアムノリタケには2年足りません、惜しい!



上記の解説の中でオールドノリタケの刻印について写真つきで詳しい解説があります。『Noritake-月桂樹-N印(1955)、レッド・薄いブルー・マロン、Japan文字が復活している。』です。皆さま1955年をお探しくださいね。花月の刻印はマロン、写真の例示にはレッドとブルーしかありませんので、解説者さんにも見ていただきたいですね。

《解説アドレスはこちら》

マネちゃんによると、景気のいい時代の花月では、お客様に楽しんでいただくため、「良いもの」のたくさん作って提供していたようです。マネちゃんはまだ生まれてないので、創業者か二代目の発注でしょう。

現代ではオリジナルな発注品を作ることが難しくなりました。ヨーロッパの美術館に行って分かることですが、文化を造らせる人も、造る人も、愛でる人も、時間、探求心、遊び心、精神性、財力など、色々なタイプの「余裕」がなければ難しいんですよね。

歴史あるテーブルウェアセットを使って提供されるランチをいただくのは、何と贅沢なことだと嬉しくなりました。コロナ禍の昨今、「余裕」をもって日々を過ごしたいものです。

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花月のお料理(17)~お一人様用スパークリングワイン・招き猫ちゃん達の千客万来

2020-07-19 18:16:44 | 花月のお料理
長雨、豪雨、今年の7月の雨は大変でしたね。

いつもは家族や友人と一緒に花月に出かけますが、雨あがりの金曜日、猫ちゃん達が恋しくなって一人で花月に行ってみました。「雨の中どうしているかなぁ~?」と心配していたのですが、みんな元気そうでした。折しも30人近い団体のお客様がいらした日だったので、猫ちゃん達はかくれんぼをしてしまいました。

お客様の中には「猫が苦手」という方も数多くいらっしゃいます。花月の猫ちゃん達はお行儀が良くて、お客様の邪魔になるようなことはしません。猫にあんまり関心のないお客様にも気持ちよく楽しんでいただけるよう「お客様ファースト」! さすがに花月の猫ちゃん達! マネちゃんや若おかみのしつけがいき届いています。

私は探して探して、やっとお馴染みさんの数匹に会えました。ジャスミンとハルちゃん(ホクロの位置がナンノにそっくり!)と白黒フサフサの子に遊んでもらいました。他の子たちはちょっと顔だけ見せてくれて、ドロンと雲隠れです。



さて、お一人様用スパークリングワイン(200ml)、「ハウメ・セラ・ブリュット・ナチュレ・カヴァ」、花月では、2020年7月17日現在800円(税別)、花月さん美味しいカヴァですが、儲け出てませんよ! サービスし過ぎかもね。

このワイン、インターネット記事によると、

『米ニューヨーク・タイムズ誌で、シャンパン以外の「ベスト・バリュー・スパークリング」で1位を獲得したスパークリングワイン。一般的なカヴァ(スパークリングワイン)の2倍となる、18カ月という長期熟成により、深い味わいが生まれている。鮮やかなゴールドの色味を持ち、柑橘類や青リンゴのようなフレッシュな風味とイーストを思わせる香りが魅力。クセのないスッキリとした酸味と、豊かな果実味の絶妙なバランスが楽しめる。シャンパンと同様に、瓶内2次発酵製法でつくられているため、繊細できめ細かな泡立ちを特徴としている。リキュールなどの補糖を一切行わず、きりっとしたキレのある辛口に仕上がっている。』・・・ですって。

ビーフorフィッシュ? どちらにもあうワイン、蒸し暑い夏の昼下がり、爽やかな微発砲に酔いしれました。


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